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第二百七十話

 寒いなあ。

 ピンポーン。

「はーい」

「小包です」

「あ、どうもありがとう」

 受け取った菓子の箱は当選した景品。

「おーい、当たったぞ」

「えーっ、六億円?」

「そんなはずないだろ。ほら」

 箱を開けると、せんべいが十枚ほど。

「なんなの?」

「ほら、お菓子の袋についてたバーコード送っただろ」

「新商品のせんべいってわけ?」

「ああ、お茶でもどうだい」

 家内がせっせと用意する。

「六億円が当たるともっと嬉しいわあ」


 贅沢言うなよ。

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