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第二百六十三話

 「あなた、美容院に行ってくるわ」

「はいはい。きれいになっておいで」

「任せて」

 家内はいそいそと出かけて行った。

 二時間半後、家内が帰ってきた。

「ショートにしたのか」

「うん、どう?」

「まあ、いいんじゃないか」

 その夜、家内が熱を出した。

「風邪を引いたみたい」

「そうみたいだな。この寒いときにショートにするからだよ」

「だって、雑誌のモデルがかっこよかったんだもん」

「モデルはそうでも」

「何て言いたいの?」


 寒い。

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