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第二百六十話

 娘夫婦と孫が夜に来た。

「どうしたの」

 家内がパックしたままの顔で玄関に行くと、じんが怯えて宏君にかきついた。

「ああ、ごめんごめん。忘れてたわ」

 パックを外すと、じんは驚いた顔でこう言った。

「ママが赤ちゃんができるって」

「えええええっ! 今日?」

「そんなお母さん、妊娠したのよ」

 娘が呆れて言う。

「そうなの。よかったわね。じんもお兄ちゃんなのね」

「宏君、お祝いに一杯どう」

「あなたったら、そればっかり」


 確かに。


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