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第二百五十七話

 バシャバシャと風呂場から音がする。

 見ると、犬のシロと家内が格闘中。

「もう、汚いんだから洗わせて」

「ワンワン」

 この犬は水が大嫌い。

 だから冬は洗わない。

 夏は知らん顔して水を掛けるのだが。

「嫌がってるじゃないか、外で飼ってるんだからいいんだよ」

「だって、近所の子がここの犬汚いぞって」

「それはそうだが。湯も水も嫌なんだよ、濡れるのが」

 すがるように私を見つめるシロ。


「今日という今日は洗います」


 シロ、諦めろ。

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