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第二百二十八話

 大変だ。

 すっかり忘れていた。

 定期の満期だ。

 こつこつ貯めたこの貯金。

 家内には内緒だ。

 何がほしいというわけではないがへそくりも大事。

 こっそり出かける。

「いらっしゃいませ」

 銀行の入り口で受付嬢がにっこり笑う。

 番号札を受け取って座ったら、前の方によく見た後姿。

「げっ、家内だ」

 なぜかフードまで被ってる。

「ははーん」

 そっと後ろから観察する。

「二十番」

 家内が立つ。

 ごそごそとバッグに入れてる。

 

 ブルータスお前もか。

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