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第二百十六話

 おたふく風邪のじんが家内にまとわりついている。

「おばあちゃん、僕のほっぺ見て」

「見た」

「触って」

「触った」

 家内のそっけない態度が面白くないようだ。

「おばあちゃん、僕を愛していないね」

「ううん、どっぷり愛してる」

「だって、抱っこは」

「今、洗濯物干してる」

「僕死んじゃうかもしれないよ」

「おたふくは大丈夫」

 すると、バタッと倒れてみせるじん。

「おじいちゃん、じんが倒れてるわよー」


 私だって新聞読んでるのに。


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