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第百九十三話
大人の計算ドリルや漢字ドリルを家内が買ってきた。
横目で見ながら新聞を読む。
「あなた、時間計って」
「何の時間?」
「引き算の十問」
「そんな簡単な問題を何分でやるの」
「二分」
「え?」
二分って速いじゃないか。
家内はなんと一分で済ませた。
「すごいな。一分だ」
「あら、そうなの。あなたもやってみて」
「いいよ私は。興味ないし」
「いいから」
鉛筆を持たされた。
「用意ドン」
あれ、えーと、悩む間に進む時計。
三分。
ガクッ。