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第百八十三話
足の爪を切ろう。
腹の肉がついてるから、足先を掴むのが一苦労。
「よいしょ」
やっとこさ掴む。
今度はよく見えないことに気が付く。
「おーい、眼鏡を持って来てよ」
「はーい」
家内が眼鏡を渡そうとする。
「眼鏡掛けてよ」
「はあ?」
「だって、やっと足先掴んだんだから」
「呆れたわねえ」
そう言いながらも掛けてくれる。
次の日、家内が足の爪を切っている。
スカートであられもない姿。
「おいおい」
「見ないでよ」
見たくないですよ。