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第百七十七話
かるた遊びを孫とする。
「犬も歩けば棒にあたる」
「はい!」
やっと覚えたかなを取ってご機嫌なじん。
「私も入れて」
「いいよ、おばあちゃん」
「猿も木から落ちる」
「はい!」
さっと、家内が孫の前にあるかるたを取る。
「おばあちゃん、ダメだよ。僕の前にあるのは」
「あら、そうなの」
だんだん孫の顔が険しくなってくる。
「花より団子」
「はい!」
また、年甲斐もなく家内が取る。
「ずるい!」
「なんで」
「おばあちゃんの前だもん」