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第百七十二話

 今日は朝早くから家内がうるさい。

「ターラリラリ~」

「どうしたんだよ」

「今日は何の日か覚えてる?」

 これが困る。

 誕生日は違うし、結婚記念日も違うし、背中に嫌な汗が。

「用意してないの?」

「え? 用意って」

「もうあなたったら」

 こうなると機嫌が悪くなるんだ。

 なんだったっけ?

「おじいちゃん、僕だよ」

 おう、孫よ。

 よく来た、天使。

「今日は僕の誕生日だよ!」

 叫びながら入ってくる。


 

 プレゼント頼まれてた!

 買ってきま~す!



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