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第百三十八話
かき氷を家内が作っている。
シャカシャカ。
「おばあちゃん、僕のはあずきとミルクいっぱいかけてね」
「はいはい。さあ、どうぞ」
「わーい」
「あなたも食べますか」
「うん」
「はーい」
機嫌よく作る家内。
「さあ、できたわ」
「お、ありがとう」
「美味いなあ」
家内は自分のを作るべく器を取り出す。
冷蔵庫を開ける。
「えっ、もう一つの製氷皿の分、どうしたの!」
凄い詰問調。
「あれは氷水にした」
食べかけを渡す。
氷がなくても寒い。