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第百十二話

 雷がゴロゴロ鳴って孫が大泣きだ。

「あーん、怖いよ」

 泣いて訴えてると近くに落ちたようなすごい音。

「あーん、もうやだやだ、おじいちゃん止めて」

「そう言われても。雷様がえらい怒ってるんだな」

「僕何にもしてないのに~」

「そうかな?」

「え?」

 そしてまた鳴る雷。

「あーん、お供えのお菓子一つしか食べてないよ」

「いやいや、まだあるかもしれんな」

「あーん。ダルマの目につけ睫毛描いただけ」


 雷様、もう鳴り止んであげて。

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