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第百十話

 またやって来た銀行のお姉さん。

「お元気ですか」

「はい、もう預ける金などないですけど」

「いえいえ、今日はお誕生日のお祝いに」

「あら、それはどうも」

 そんな言葉に弱いのよ。

 でも、くれたのは銀行のラップとポケットティッシュ。

 まあ、預けている額からいえばこの程度かもしれないけど。

「お孫さんの学資保険というのがあるのですが」

「それは娘がするでしょう」

「その娘さんがこちらへとご紹介してくれまして」


 あの子ったら!



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