前へ目次 次へ 100/612 第百話 家内が楽しそうに外で話をしている。 しかも、相手は男性のようだ。 何やら低い声だ。 素っ頓狂な家内の声。 「あらー、どうしましょう」 どうしたんだ? 「まあ、手を握られちゃった」 なんだと? そんなことを誰がしてるんだ! あろうことか嬉しそうに笑ってる。 相手は誰だ! サンダルを慌てて履いて外に出る。 家内の手を握って離さないのは、町内ご長寿ナンバーワン。 隣の九十九歳の爺さんだ。 最近、私の家内を自分の妻と思いこんでいる。