表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大陽  作者: わった
1/3

第1話

初の投稿作品です。

はっきり言って、つまんないです。

支離滅裂です。

それでも読めるという強者の方は、読んでいただければ嬉しいです。

『男は言った。

 「僕は君のことを本当に愛している。君のその美しい瞳で他の物を見て欲しくない。君のその美しい手で他の物に触れて欲しくない。 ―だから」 

 男はおもむろにナイフを出し、女の喉元に突き立てた。紅い血が溢れる中、男は狂気の笑みを浮かべていた。そしてそこから動かず、いつまでもその場に佇んでいた。自分だけの物になった女の美しさを、確認するかのように―』



「・・・・こんなもんかな」

 俺はそこでキーボードを打つ手を止め、ゴミだらけの汚い部屋へと視線を移した。汚い部屋だが、別に掃除する気にはならない。作家―しかもこんな作品を書いている俺―にとって、自らのプライベートなことほど無意味な物はない、と思う。そんなものがあったら、こんな話は書けないだろう(多分)。

俺がそんなことを思っていると、扉をノックする者がいた。

「いやー、ごめんごめん、野田君。渋滞に巻き込まれちゃって、ちょっと遅れちゃったよ」

 小太りの、いかにも無能感溢れる中年が、ずかずかと上がり込んできた。しかしこんな顔と体型をして、仕事は意外にもやるのだから侮れない。そもそも作家の俺を本名で呼ぶ人なんて、両親以外にはこの人しかいないだろう。

 そんなわけで、 加山道敏(かやまみちとし)

 俺の担当の登場だった。

「相変わらず汚い部屋だ。掃除とか、少しはしたらどうだい?」

「小説書いてたら、そんな暇ありませんよ。つぅか、そんなことしてたら、小説書けなくなります」

 俺はやや苛立ちにも似たトーンで言葉を返した。作家に一般常識が通用しないこともあるって、いい加減分かってくれや。これさえ無けりゃ、もう文句はないんだが。

「あー、そうだったね、ごめんごめん」

 俺の声のトーンで俺の言いたいことを察したのだろう、加山は少し申し訳なさそうな表情を浮かべた。分かればいいんだ、分かれば。

「・・・・・原稿、受け取ってもらえます?」

「ああ、じゃ、受け取るよ」

 加山はにやりと笑い、原稿を受け取る。そして言った。加山にだけ許される台詞を。

地獄谷(じごくや)君」

 この儀式(?)は加山が必ず行うものらしい。原稿を受け取るとき、作家をペンネームで呼ぶことで、次回作へのモチベーションを高めるとか、高めないとか。

 まぁそんなものはただの建前で、実際はゲン担ぎとか、そんなとこだろう。

 まぁ、それはそれとして。

「・・・・次回作も、頑張りますよ」

 作家、地獄谷涼。

 名前を呼ばれた俺は、なんだかよく分からない相槌を打って、再びパソコンへと向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ