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もう一度 暁の空を  作者: ことほぐ 
5/13

春風

 

 桜の花が咲き終わり葉桜になった。


 入学式前に寮の入寮で荷物の整理をしていた。1年生は同級生と同室で二人部屋である。ちなみに2年生からは大学受験のため一人部屋なる。


 (どんな人だろう)他人と一緒に生活することは初めてなので、緊張している。どうしても私は内向的な性格のため人と関わりあうことが苦手だ。


 この高校は、県内で有数な伝統のある私立学校のため設備は充実している。

 寮は男女別で男子寮は校舎の北側、女性寮は南側と離れている。各寮は3階建てで、それぞれ住み込みの管理人がいる。食堂はあるが、休日は休みのため自炊をする必要がある。

 1年生の部屋の作りはコンパクトで、二段ベットと壁に二人が使う机が並んでいる。ベットの下には収納の引き出しと備え付けのクローゼットと小さな冷蔵庫もある。各部屋にはトイレと洗面台があるユニットバスも完備してある。各階の廊下には自動販売機が設置、台所と洗濯室もある。

 しかし、門限も厳しく消灯も9時と早い。外出・外泊には届が必要である。規則正しく窮屈な生活のため2年生になると退寮して学校近くのアパートやマンションに引っ越す人がいる。自分は卒業まで入る予定だか。

 

 (なんだか豪華な修道院みたいね)と心中でつぶやいていると、部屋のドアが開いた。ドアにいたのは少しふくよかな髪は肩までのボブの可愛らしい顔の生徒が荷物を持って入ってきた。その人は荷物を置くと笑顔で挨拶をされた。


「これからよろしくね!私 加藤琴葉かとうことは」元気いっぱいな声で手を差し出してきた。「こちらこと、よろしくお願いします。望月雪華といいます」と言った後おずおずと私も手を出し握手した。

 今まで同級生とは家のこともあり、関わり合いが希薄で友達付き合いもなかった。なので、初対面な加藤琴葉の態度に若干戸惑ってしまった。


 「わあ 思っていたより綺麗な部屋だね。私が上のベットを使っていい?ここ2階だからあんまり見晴らしよくないね。でもシャワーが部屋にあるのはありがたいねよ」「でも、門限とか厳しくない?夜も早く消灯だし、まあ慣れるか!」と独り言なのか、私に問いかけているのわからず、どうしていいか迷ってしまい呆然としてしまった。


 急にこちらを見て、じっと私の顔を覗き込んできた。びっくりした私を見て「目の色綺麗だね、初めて見た」と言われた。


 私は髪や目の色が皆とは違うのがコンプレックスで、前髪は目にかかるような長さにして極力目が目立たないようにしていたが、今日は荷物の整理でカチューシャで前髪を上げていた。

 ヘーゼルアイは一見すると茶色の見えるが、グリーンが混じりあったような色合いをしている。光の加減で茶色が金色に見えることもある。曾祖母が北欧系の外国の人のためで、私は先祖返りでこの目になったと聞いている。ハーフの祖母の目も青みがかった緑の瞳である。小学生の時は黒髪、黒目の生徒中で私は異質でよくからかわれていた。子供ことが言うことだからと大人に言っても取り合ってもらえなかった。孤立して意地悪されどんどん内に籠るようになった。なので目の前で称賛の声を聴いてどうしたらよいか戸惑ってしまう。固まった表情の私になお、琴葉は話しかけてくる。


「私の顔って平凡でしょ、雪華はきれいだから憧れちゃう!」

「あっ ごめん、勝手に名前呼びして、でも、私のことは琴葉って呼んで!」

こんなテンションで話しかけられることがなかったが、私も小声で「うん、わかった。琴葉これからよろしくね、」ぎこちない笑顔を共に返答した。


 開け離れた窓から暖かな風が吹き込んできた。


琴葉ちゃんはめっちゃ明るく優しい人です

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