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もう一度 暁の空を  作者: ことほぐ 
12/13

薫風

 

風薫る季節になり、初夏の訪れが感じられる。花壇にはツツジが満開になった。


 月曜日の昼食に私と琴美は昨日の自炊の残りと、朝に簡単に作ったおかずを詰めお弁当を食堂で一緒に食べていた。


「どうしたの、そのお弁当、寮の食堂の残りを持ってきたの?」

 同じクラスの凪が近寄ってきて、不思議そうに聞いてきた。

 つかさず琴美が反論した。

「違うよ、昨日雪華に作ってもらったおかずが残ってもったいないから弁当にして持ってきたの」

 琴葉がドヤ顔なり得意そうに凪に反論する。

「えっ、手作りなの、おいしそうだね」

「うん、そう、学校が休みの時に寮に残る生徒は、食事は各自で用意しないといけないから、入寮してから休日には、うちでは雪華がご飯作ってくれるの」

 うん?私、おかん扱い?


「僕なんか、休日は買い置きしてるインスタントラーメンだよ」

 凪も居残り組なんだと思いながら、顔を見た。


 凪はもう学校の購買で買ったパンを食べていたけど、目はお弁当に釘付けである。つい、かわいそうになり、お弁当のおかずを勧めた。

 凪は遠慮しながらも、卵焼きと昨日作ったおかずを渡すとおいしそうに食べた。


「琴葉のご家族から食材を送って下さるから、かなり充実してるの。お米もコシヒカリで、返って悪い気がしてきた」

 本当にいい物を送ってくれるので、私もつい、はりきって作ってしまう。

「それは違うよ。私、家が遠いからあまり帰れないから、お母さんが心配してたけど、雪華がご飯作ってくれて、有り難いから送ってくれるの。それにいつもおいしいの、太っちゃうよ」

 何気にサムズアップする。そんな琴葉に苦笑する。


 こんなやり取りしているなか、凪が爆弾発言をする。

「彼氏の僕には作ってくれないの、酷いな」

 思わず吹き出しそうになり、凪を凝視する。今なぜ言う!

 琴葉は一瞬キョトンとしたあと、驚きの声を上げる。

「どういうこと、聞いてない!えっ、付き合っているの?いつからなの。

成田君、この前雪華を泣かせてたじゃない」

 琴美よ、それを言うのも今じゃない。周りのみんなが聞き耳をたてているじゃない。それから、そんなジト目で見ないで、、、

「ごめん、ちょっとしたケンカしただけなんだ、心配してくれてありがとう」

「そうなんだ、まあいいわ。二人ともおめでとう!そうだ、私こと琴葉って呼んで」


 勝手にお互いを自己紹介をして話が進む。

「わかった、僕のことは凪で、よろしく、琴葉さん」

「こちらこそ、よろしく、凪君」

 二人ともコミュ力高いね。でも、友達同士が仲良くなってくれてうれしい


 それから、凪が改まった口調で小声で言った。

「ところで相談がある。来月の文化祭のコンサートに、一緒に出場しよう」

(なに、凪君、すでに決定事項ないですか、今あなたは相談と言っていたよね)

「琴葉さんから聞いたよ、雪華はピアノができるでしょう」

 琴葉、なぜ個人情報が洩れているのだ。私はしかめ顔をして答えた。

「まあ、、、、一応弾ける。1回だけ小学生の時にコンクールに出た」

 あまり触れたくない話題であったので、ぶっきらぼうに答えた。

「そうなんだ、結果はどうだったの?」

 琴葉から明るく聞かれた。少し気まずい。

「、、、、、入賞した」

「へぇーすごいね。雪華の演奏、ぜひ聞きたい~~ 出場しなよ、応援する!」

 逃げ道が無くなった。うーん嫌だな。凪からさらにブッ込まれた。


「僕たちの交際を全校生徒に知って欲しいんだ」

(無理、無理 恥ずかしい。嫌すぎる)眉をしかめ凪を睨みつける。

「だから、僕たちを追い掛け回す人に、簡単に知ってもらう方法だよ」

「いいね。君たち結構告白されているもんね、その方が絶対よいよ」

 なんでかここまで私の意見を聞いてもらっていないですけど


 私も開き直り、話に加わった。

「わかった。出場する。そういえば、凪は何が弾けるの?」

「一応ね、僕はお坊ちゃんなんで、バイオリンが出来る。デュオでやろう。演奏曲は、凪が決めて」

 少し考えてから、告げる。

「『私の中にある光を照らす』はどうかな、アニメの挿入サウンドだけど」

「あぁ いい曲だよね、それで決まり」

「あと、舞台で演奏するときは制服でいいの」

 何となく嫌な予感がして、凪に確認をした。


「コンクール形式でするから、フォーマルになる。雪華はドレスある?」

 学校の文化祭でなんでドレスで演奏するのか、わからない。

「ないよ、どうしようか」

 これを理由に出場しなくていいかもしれないと、ふと思った。


 そこに琴葉勢い良く手を挙げた。

「私ドレス作るよ、これでもコスプレで衣装を作っているから」

 意外な特技を聞いて、凪と一緒に琴葉を見る。

「信用してよ。生地も家にあるし、シンプルな形だったら、作るにも時間もかからないから、間に合うよ。いつもお世話になっているから恩返しさせて」

「僕はスーツがあるから大丈夫、ちなみに琴葉さん、ドレスは何色にするの」


 なんだか私は置いてけぼりに話がどんどん進み、結局出場することが決まった。


「演奏時間は5分、この曲だと時間が少ない」

「それなら、アレンジすればいいわ」

「じゃあ、僕はネットで楽譜を用意するから、放課後にピアノ室に集合で」

「えっ、すでに予約していたの、本当に確信犯すぎる」

 不機嫌そうに返事をして、軽く睨む。


 その日の放課後にピアノ室と琴葉一緒に行った。



強引な凪さん

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