インタビュー 卒業生の話
あっ、もう録音始まってますか?…はい。ありがとうございます。では始めますね。
私は◆◆市立第四中学校第三十七期生の佐藤(個人特定を防ぐため仮名)と申します。お役に立てたら嬉しいです。
……田中敦司(個人特定を防ぐため仮名)先生ですね。こちらこそ、本日はよろしくお願いします。
はい。当時の学校は、明るくて、活気に満ちていたように思います。どの学年も、休憩時間になったらワークスペースに飛び出してわいわいと騒ぐような感じでしたね。テストの前は少し暗かったですが笑
教員の皆さんも、厳しいときはありましたが、優しく、そして楽しく導いてくださっていました。
…はい。もう本題に入るんですね。学校のおかしかったところ、ですか。思い当たることが一つだけあります。
中学2年生の頃、私はバレーボール部に所属していたのですが、その日は部活が長引いてしまい、さらに私の着替えが遅いこともあって友達から遅いよー、もう先いくよー、はやく、とか言われていたんです。着替え終わって、小走りで友達のところへ向かったのですが、私は教室に忘れ物をしてしまったのに気付き、友達に先に帰るように言ったのを覚えています。
教室に戻って忘れ物を取り、教室を出たんです。外はほのかにオレンジ色を帯びていたものの、廊下には誰もおらず、少し先が見えるくらいの暗闇が広がっていました。誰もいない廊下に一人ってなんだか怖いじゃないですか?それで急いで進もうとしたのですが……少し前から、手を振って走ってくる女の子に気付いたんです。髪が長かったので女の子ですね。一瞬誰だろう、と思って。もしかしたら私に手を振っているわけじゃないかもしれないと振り返って、でも誰もいなくて前を向いたら、その子との距離がぐんと縮まっていました。……その子は満面の笑みで、その顔つきと背丈は中学生ではなく、小学生のようだったと思います。それで……その子は……目が、赤かったんです。そんなことありえるのかって思いますよね。事実なんです。本当なんです。目が、赤かったんです。真っ赤で、でも目だということだけはなぜか確信しています。口元はぱくぱくとしていて、何かを言っているようでしたが私はああ、これは人間ではないのかもしれない、と思って全力で階段を降りました。やがて後ろから階段を降りる音がして、ついてきている、と思って。靴も履かずに必死に外へ駆け抜けました。
門を出て、友達に向かって手を振って、良かった、これで助かったと思ってたんです。「にえ」と耳元で声がして、振り返ると真後ろにその女の子がいたんです。震えました。今これを話している私も背筋が凍りそうです。満面の笑みで、赤い目と目が合って。気が動転して特徴はそれくらいしか覚えていないのですが(笑)泣きながら友達にすがりついたのですが、友達は『後ろには何もいなかった』って言うんです。ぞっとしましたね。
でもあれから、たまに変なことを口走ってしまうんです。母や友達によると、『贄を捧げよ』とか『■■■■みくちゃんを探してください』とか。本当におかしいですよね。自分でもそう思います。
……はい。はい。いえ、こちらこそありがとうございます。……はい。ではこれで失礼いたします。
■■■■みくちゃんをさがしてください




