表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女が始める新生活!  作者: NekoMouhu
第三章 ヴェルデンでの再会
30/50

第30話 笑う襲撃者

一方、レッド達は…

「もしかして、魔獣避けを爆破しやがったのか。それならいつ来ていてもおかしくない…!」

そう考えていると、天から笑い声が聞こえてきた。

レッド達が上を見ると、そこには知らない、一人の女性が笑っていた。

「誰だ?お前は!」

 「…あ!あれは僕たちを襲った奴のリーダーみたいなやつだ――」

 「…こんな最悪のタイミングで襲ってくるなんて…ついてないのよ。」

「まぁ、でも俺らも前よりかはまともに戦えるようになったんじゃないか?」

 「…まぁ、そう言われればそうだと思うのよ。リアに頼ってばかりじゃいられないのよ。」

そう言って、レッド、クラ、ジェル、ロディは笑っている一人の女性を見る。

 「僕はすぐに兄弟を連れてくるから、少しだけ時間を稼いで!」

そう言って、ロディはどこかへと消えていった。

「さてさて、お話は終わったぁ?それにしても魔獣避けが破壊されたって、気づくの遅すぎるでしょ!」

そう言って、三人を嘲笑う。

三人は、構えをとっていつでも攻撃できる準備をする。

すると、笑っていた襲撃者のリーダーは空に浮くのをやめて、下へと降りてきた。


「まずは自己紹介しないとね。まぁ、どうせあなた達は私が殺すから、しても意味ないけど!私は魔女復活団体『笑』の情。短い間だけど、よろしく!」

そう、『笑』の情は笑顔で言って見せる。これでも魔女復活団体だ。

 「魔女復活団体…決して油断できる相手ではないのよ…!」

「ああ、わかってる。リアがいれば安心できたんだが、流石に今回は一ミリも油断できない…!」

「そんな考えても君たちが勝てる勝算はないよ~!大人しく諦めたらぁ?アハハ!」

そう言って、レッドのもとへ瞬間移動し、腹を一発殴る。

なぜか、たった一発殴られただけなのに、レッドは瀕死状態であった。

「ほぉらぁ!やっぱり弱い!大人しくそこで丸まっとけばいいのにぃ!」

 「回復する…!回復(キュア)!」

ジェルの回復魔法により、少しの痛みは解消されたが、やはり完治はできない。

 「私の回復魔法…弱いのかな…」

確かこんなことを、戦闘後にも言ったような気がする。


――「私の回復魔法、弱いのかな」

そう言って、ジェルはリアに強化回復のやり方を教えてもらった。

しかし、回復の応用だからと言ってそう簡単にできるわけでもなく、教えてもらったは良いものの、一度も使えていない。

でも、ジェルは練習し続けた。『弱い自分の弱い回復魔法』は嫌いだから。

しかし、一度も成功したことはなかった。何がいけないんだろう、そう考える。

その問いの答えは、未だに出ていない。

だけれど、仲間が苦しんでいるなら、私は使える筈だと、そんな自信が湧いてくるのはなぜだろうか。


 「…今なら、できる筈…!強化回復(エンチャンス・キュア)!」

ジェルの勘は――いや、自信は確かなものだったのかもしれない。

ジェルの強化回復によって、レッドを完全に治すことができた。

「ありがとう、ジェル!これでまだ戦える――!」

「皆さん!連れてきましたよー!!」

そう言って、向かってきたのは、ロディとその兄弟たちだった。

 「少しは時間、稼げたのよ。とりあえず体制を整えるのよ。」

「ああ、ありがとう。これで少しはまともに戦えるかな…」


「あなた達は私がいなくても十分じゃない?私の可愛い魔獣さん、出ておいで~」

そう言って『笑』の情が呼び出したのは、大量の魔獣たちだった。

 「うげぇ!この量をこの人数で倒すのは無理があるぞ?」

そう言ったのは、ロディの兄、テディだった。

しかし、レッド、クラ、ジェルにとって魔獣はそう大した問題ではなかった。

 「みんな~お待たせ!連れてきたよ!」

そう言って、空から声がした。

そこには、リアが手なずけたドラゴンに乗って飛んでいる、ギアとグラの姿があった。

 「これは挨拶変わりだ!受け取れ!」

グラはそう言って、ドラゴンに指示を出す。

すると、ドラゴンは勢いよく空気を吸い、口から炎之吐息(ファイアブレス)を吐かせた。

炎之吐息(ファイアブレス)は魔獣のほぼすべてを覆いつくし、炎と煙が消えたころには、魔獣の姿は跡形もなかった。

「な、なによ?アイツ…で、でも大丈夫!魔獣がやられたくらいで私はなんともならないわ!馬鹿ね!」

そう言って、『笑』の情は浮遊し、ドラゴンと同じ高度に立つ。

(テイム)――」

そう言うと、ドラゴンは急に暴れまわり、二人を空高くから落とす。

「アハハハハ!これであいつらは死亡、っと!弱すぎるわぁ!」

そう言って『笑』の情はまた地上に戻っていった。

「さぁ、これで二人は死んだわ!さて、君たちはどんな死に方をするのかなぁ?」

そう言って、『笑』の情は、レッド達を笑顔で見た。


そして、レッド達は一斉に『笑』の情へと飛び掛かる。

クラは魔法をため込み、隙ができた瞬間、魔法をぶつけようとしていた。

しかし、『笑」の情の体力も、速度も、衰えない。

レッド達の体力がなくなってきて、一度力を抜けば、戦えないだろう。

クラも、魔法は打ち込んでいるが、避けられたりするせいで、マナが減っている。

もう、限界が近づいていた。

「…やっぱり、リアがいないと俺らはダメなのか――」

 「どうしたの?」

急に、誰かから、声をかけられる。

振り向くとそこにはシイアが立っていた。

「シ、シイア!お前は戻れ!お前は絶対守らなきゃいけないんだよ!」

『笑』の情はその言葉を聞いて、ニヤリと笑う。

「シイア、ね。その子を私が殺したら、どんなに面白いんだろう!やってみなきゃわからないよね!」

そう言って、『笑』の情はシイアに向かって一直線に突っ込んでいく。

「シイア、避けろ――!」

しかし、シイアは一切動かず、ポケットから一つの板を取り出した。

 「第6階帝魔法――時空創滅超克トランセンデントアブソリュート!」

その瞬間、『笑』の情とシイア達との間の空間に、裂け目ができたような感覚がした。

『笑』の情は、シイア達から見れば、完全に停止している状態である。


「え…シイアって魔法使えたの?」

 「私はこの板を使って魔法を起こしただけ。時間稼ぎに使ったらいいって、リアがくれた!」

そう言って自慢げに話す。

「やっぱり、リアは何か用意してあると思ったけど…グッドタイミングだったな、シイア。」

シイアはこの魔法が10分経つと解除されることを話して避難場所に帰っていった。

 「これでとりあえず体力の回復ができるのよ。」

「助かったな。それにしてもリア、いつになったら帰ってくるんだろう――」

こうして約10分間、『笑』の情と戦うための回復を終わらせ、体制を直すことができた。

次回 第31話 聖女の救助

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ