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聖女が始める新生活!  作者: NekoMouhu
第二章 浮遊都市の騒動
19/50

第19話 戦争の始まり

戦いの始まりが、訪れる―――

7日間はすぐに終わり、戦争の時がやってくる。

「時刻は13時50分。あと10分でこのフラスカイに攻撃を仕掛けてくるはずだ。」

 「みんな!攻撃準備!」

リアが兵全体に指示を出す。

 「「イエッサ!」」


やがて時は流れ、鐘が鳴る。

鐘の音がゴーン、ゴーンと鳴り響く。

 「西側、マグナ王国の兵とみられる集団が約一万ほど!」

「わかった。リア、君はシイアを連れて守ってやってくれ。」

 「わかった。最悪の場合は、シイアを連れて戦うわ。それでも大丈夫?」

「ああ、大丈夫だ。だが、自分たちの命を最優先に考えてくれ。」

 「はい!」

返事をして、リアはシイアを連れてレッド達のもとへ行く。


フラスカイの兵の中には剣聖の姿も見えた。そして一番初めに出会った兵士も。

そして、リアが合流した時、丁度、フラスカイの守門が破壊された。

そしてその兵の上には、椅子が飛んでいた。

その椅子に座っていた者こそ、マグナ王国の王だった。


 「フラスカイの者共!我こそ、マグナ王国の国王、ケディ・マグナである。これからこの国を力づくで支配して見せようぞ。そして、メープル家の姫、シイア姫はもらっていく。」


マグナ国王の狙いはフラスカイの土地とシイア姫。

「ま、まさか…あの誘拐犯もマグナ国王の引き金…?」

 「ほう。私の手配した手下をボコボコにしてくれた女か。その通りだ。私が仕向けた。」

「なぜ、この土地とシイア姫を狙うの?」

 「簡単だ。私が欲しいから、ただそれだけだ。」

そう言ってケディ・マグナは、にやりと笑う。

 「さぁ!我が兵たちよ!フラスカイを支配しろ!」


 「「了解しました。我が主。」」

そう言って、マグナ兵が飛び掛かってくる。

 「ちょ!いきなり多すぎない?」

 「このままじゃ、人手が足りないよ!」

そんな声が兵の中から聞こえてくる。

「無慈悲だけど、兵は一度全滅させるしかないわね。」

 「お前そんなことできるのか?強すぎるだろ。」

「まぁ、見てて。」

そう言ってリアは思いっきり飛ぶ。


「この剣、あんまり使いたくないけど、仕方ないよね。」

そう言って剣を抜き、すぐに剣をしまった。

その瞬間、フラスカイに血の雨が降った。

兵士がすべてリアによって斬られたのである。


 「な、なにが起こったんだ?」

 「俺はさっきまで兵と戦っていたはずなのに…」


「シイア、大丈夫?怖くない?」

 「大丈夫。というか今のたった一瞬で斬ったの?」


一瞬で斬った、そういえば確かにそうなのだが、リアの感覚では違う。

「じゃあタネを見せてあげよう。」

そう言ってリアは能力を発動する。


「――時間遅延タイムスロー

唱え終わると、世界が止まっているように見えた。

 「時間停止の能力…?」

「違うよ。ちゃんと動いてるんだけど、1秒の動きが1分の動きに見えるんだ。」

原理は簡単。

時間を操っているように見えるが、そうではない。

自分の動きが早すぎるだけである。

自分の動きが早すぎて、周りが遅く見えてしまう。ただそれだけだ。

他人に能力の効果を付与するリアの能力によって、シイアもそれを体験している。

「シイア、ちょっとだけマナ、借りてもいい?」

 「いいよ。私はうまく魔法、使えないから…」

シイアから了承を得ると、別の方向から向かってきている兵に手を向けた。


「――第5階帝魔法、絶界滅神黎明アルティメットジェネシス

手の先に魔法陣が幾つも重なり、強力な光を放った。

手にどんどん光のエネルギーがたまり、漏れ出た光が、兵を突き刺す。

避けられない、無数の光の針が、マグナ兵を突き刺す。


「――第6階帝魔法、心核真破殲滅(エクスティンクション)

手にたまっていたエネルギーが一本の光となって兵に向かう。

その光は、兵の心臓を貫き、別方向からの兵は光によって消し去られた。


 「リア、すごい!今の、私もやれるようになりたい!」

「シイアの体が治ったら、教えてあげるよ。シイアの魔力量なら使えると思う。」

 「やったー!ありがとう!リア!」


二人は地面に降り、全員に兵士の全滅報告を行う。

 「なぜだ!なぜだ、なぜだなぜだ、なぜだ!」

マグナ国王は頭を抱えて叫び始める。

 「我にはあの力強いお方が付いているというのに、支配できぬとは!」

そう言って椅子の背中に頭を打ち付ける。


――「何をそんなにグダグダしているんだい?」

 「こ、この声は…」

その声が聞こえた瞬間、誰もが息をのんだであろう。

気配もなく、ただ一人の女が王の後ろに現れていたからだ。

 「兵士は全滅―。そこの少女が一人でよくやるものだ。それに比べて此方は…」

 「す、すいません!」

 「まぁよい。もうすぐ、復活するだろうからな。」

「ふ、復活?この兵士たちが?」

 「ああ、そうだ。その兵は死なない。絶対に、だ。」

そう言って笑いながら、ふわりと浮遊する。


「私は魔女復活団体「苦」の情。君たちを今から存分に苦しませてあげる!」


 「ま、魔女復活団体!魔女を復活させてこの世を崩壊に導こうとする団体なのよ!」

 「それやべぇじゃん!すぐにあいつを止めなきゃ!」


こうしてフラスカイと「苦」の情との戦いが始まったのである。

次回 第20話 「苦」の情

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