第29話 完全勝利
それから暫くして、場が落ち着いた。
「あー、痛ぇ。 遠慮なく殴りやがって」
「手加減したら、それこそ怒るだろう」
「まぁ、そうだけどな。 それにしても、お前強いな。 『格闘士』なのか?」
「いや、僕は……基本的には『剣技士』だ」
「基本的には? 良くわからんが、聞かないでおいてやろう」
「助かる。 そう言うヴェルフは、やはり『格闘士』か?」
「あぁ、見たままだ。 しかし、『剣技士』に体術で負けたのか……素直に悔しいな」
「自分で言うのも何だが、僕と比べるのはやめた方が良い」
「他の奴に言われたら、自信過剰だって笑い飛ばすんだが。 シオンが言うと、しっくり来る」
悔しそうながら、どことなく嬉しそうでもあるヴェルフ。
殴り合い――と言うには一方的だったが――を終えたあと、僕は言葉遣いを改めるように言われた。
なんでも、友人に敬語で話されるのは嫌……だそうだ。
いつの間に友人になったのか疑問だが、僕としても断る理由はない。
ちなみに顔はサーシャ姉さんに治してもらったが、痛み自体はまだ少し残っているようだ。
そうして話し込んでいた僕たちを、少し離れたところで姫様たちは見守っていたが――
「随分と仲が良さそうですね……」
「そうですね、ソフィア様……」
「メイドちゃん、目が怖いわよ?」
「リルムちゃんだって、人のこと言えないじゃない。 それにしても……シオンくんって、そっちじゃないわよね……?」
「縁起でもないことを言わないで、淫乱シスター。 シオンは女性が好きに決まっているでしょう。 ……ガレンとも親し気だったけれど」
何やら不穏な雰囲気を感じる。
しかし、敢えて何も言わずに黙っていると、ヴェルフが場を仕切り直すように声を上げた。
「良し。 と言うことで俺はシオン……いや、キミたちを信じることにしたが、そちらはどうだ?」
「そうですね、わたしたちにはいまいち判断しかねますが……」
そこで言葉を切った姫様がこちらを見る。
それに対して頷くと、彼女は苦笑をこぼして答えを出した。
「シオンさんが信じると言うのなら、信じます」
「決まりだな。 よろしく頼むぞ、ソフィア姫」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
互いのリーダーが握手を交わし、正式に共闘関係が結ばれる。
リルムたちも文句ないようで、むしろ満足そうだった。
そのことを確認した僕は、ずっと気になっていたことに着手する。
「ところでヴェルフ、そろそろ姫様たちにナルサスさんを紹介してもらえないか?」
「あぁ、そのつもりだ。 紹介が遅れたな、こいつはナルサス。 レジスタンスの参謀みたいなものだが、『剣技士』としても一流だ。 俺が最も信頼してる部下だな」
「ナルサス=アマンだ、よろしく頼む。 信頼している部下などと言っているが、要するにこいつの世話係みたいなものだ」
「おいおい、シオンたちが誤解するじゃないか。 俺は本当に、お前を信頼しているんだぞ?」
「その言葉で、わたしがどれだけ苦労しているか知らないのか?」
「いや、それは、まぁ、悪いと思うこともなくはない」
「まったく……。 困ったリーダーではあるが、フランムに対する想いは本物だ。 どうか力を貸して欲しい」
礼儀正しく挨拶して来たナルサスさんに、僕は目礼を返す。
今のやり取りだけでも、2人が通じ合っているのがわかった。
姫様たちも返事をして、ようやく全員の自己紹介が終わったところで、ヴェルフが肝心の話を始めようとしたが――
「それで、計画だが……」
「待て、ヴェルフ」
「ん? どうした、シオン?」
「……面倒な客人のようだ」
「何?」
念の為に展開していた【転円神域】に反応あり。
数は200人ほどで、過去最大の数。
その相手は――魔蝕教。
魔族との戦闘があったので、居場所を知られている可能性は考えていたが、このタイミングとはな……。
僕がどう言う選択をするか考えていると、状況を把握したらしい姫様が先に口を開いた。
「ヴェルフさん、敵は魔蝕教です。 狙いは間違いなく、わたしでしょう。 レジスタンスには迷惑を掛けられないので、わたしたちだけで迎え撃ちます」
姫様の案は、僕も考えていたことだった。
ここでレジスタンスを巻き込んでしまっては、折角の信頼関係に傷が入りかねない。
それゆえ、彼女の判断は間違っていないと思うが、恐らく採用はされない気がする。
「なるほど、魔蝕教か。 『輝光』は常に狙われる立場にあるからな」
「その通りですね、申し訳ありません……」
「ソフィア姫が謝ることじゃないだろう。 良し、俺も行くか」
「え? 手伝ってくれんの?」
「流石にレジスタンス全体を動かす訳には行かないが、俺が個人的に戦う分には構わないだろう。 キミの魔法も楽しみにしているぞ、リルム=ベネット」
「へぇ……良いじゃない、あんた。 そう言う人、好きよ」
「聞いた、シオン? 痴女レッドは、貴方よりあの男を選ぶそうよ」
「ふざけんじゃないわよ、ゴスロリ! あたしの1番はシオンなんだからッ!」
「順序を付けている時点で駄目ね。 わたしはシオンだけで、あとはその他大勢なのだから」
「あたしだってそうよ!」
敵が迫っていると言うのに、言い争いを始めたリルムとルナに溜息を漏らす。
そんな僕たちをヴェルフは苦笑を浮かべて眺めながら、ナルサスさんに話を振った。
「お前はどうする?」
「わかって聞いているのだろう? ヴェルフが行くと言うのなら、わたしも行くしかあるまい」
「それでこそ、俺の相棒だな。 頼りになる」
「本当に、お前と言う奴は……」
頭痛を堪えるかのように、額に手を当てるナルサスさん。
先ほども言っていたが、きっとこれまでもヴェルフに振り回されて来たんだろう。
なにはともあれ方針を決めた僕たちは、施設の外に飛び出した。
まだ距離はあるが、砂漠に広がった魔蝕教の集団が確認出来る。
ただし魔明を使っていない為、肉眼ではほとんど見えない。
そう言う意味では、今回は【神域】の精度がものを言う戦いになりそうだ。
僕たちは問題ないが、ヴェルフたちはどうだろう――などと言う心配は、余計なことだったらしい。
「かなり多いな。 ナルサス、行けるか?」
「当然だ」
端的なやり取りながら、自信を窺わせる。
やる気に満ちた笑みを浮かべるヴェルフと、鋭い眼差しのナルサスさん。
彼らも準備が整っていることを確認した僕は、口に待機させていた言葉を放った。
「では、僕はヴェルフたちと行きます。 彼らの身に何かあっては大変ですから」
「なんだシオン、俺たちなら大丈夫だぞ?」
「念の為の保険だ。 姫様たちはしっかりと連携を取って、慎重に行動して下さい」
「……わかりました、今回は譲りましょう」
僕が別パーティとして戦うことに難色を示していた姫様だが、状況を把握して渋々了承してくれた。
本当はすんなり受け入れて欲しいところとは言え、文句を言わなかっただけマシと思っておく。
他の少女たちの様子を窺うと、取り敢えず大丈夫そうだったので、改めて僕は告げた。
「魔蝕教は何をして来るかわかりません。 実力差があっても決して気を抜かず、最後まで集中して下さい」
「任せて!」
「が、頑張るわ」
元気ハツラツなリルムと、気負い過ぎなサーシャ姉さん。
それを見た僕は、若干心配になった。
「無理せず、サーシャ姉さんはサポートに回ってくれたら良い」
「う、ううん、わたしも前で戦うわ。 ソフィア姫たちならほとんど回復は必要なさそうだし、【清魔の祈り】は人間相手に効果がないから」
「しかしだな……」
「押し問答をしている暇はないわよ、シオン。 淫乱シスターはわたしがフォローするから、貴方は自分のことに集中しなさい」
「え、ルナ様がフォローですか。 なんだか意外ですね……」
「何か言ったかしら、破廉恥メイド?」
「な、何でもありません!?」
僕としてもルナの提案は意外だったが、その思いをそのまま口にしたアリアが睨まれていた。
本当に素直な子だな。
思わず苦笑した僕がサーシャ姉さんを見ると、彼女も似たような顔で言葉を紡ぐ。
「有難う、ルナちゃん。 凄く安心するわ」
「良いけれど、当てにし過ぎないでね? ギリギリまで手は貸さないから」
「えぇ、むしろそっちの方が良いわ。 守られてばかりじゃいられないから」
「……淫乱シスターにしては、良い心掛けね」
「ふふ、有難う」
緊張が解けた様子のサーシャ姉さんに対して、ルナは素っ気ない態度ながら頬を朱に染めていた。
それを見た姫様たちは顔を見合わせて笑い、ヴェルフとナルサスさんは興味深そうだ。
微笑ましいやり取りに思いつつ、そのことには敢えて言及せずに声を発する。
「さぁ、行きましょう。 僕たちは右手に向かうので、姫様たちは左手をお願いします」
「わかりました。 皆さん、どうかご無事で」
姫様の言葉を最後に、僕たちは同時に駆け出した。
走り難い砂地を物ともせず、高速で接近して行く。
そうして魔蝕教との距離が100メトルに差し掛かろうとしたとき、遂に敵が動き出した。
「やれ、同胞たち! 『輝光』に死をッ!」
『『輝光』に死をッ!!!』
幹部らしき男が出した号令に従って、配下たちが一斉に攻撃に移る。
『攻魔士』が後衛で魔法を詠唱し、その時間を稼ぐべく迫って来た近距離系階位。
相変わらずの自爆特攻で、生き残ることなど微塵も考えていない。
尋常ではない執念を感じたのか、ヴェルフとナルサスさんが一瞬驚いた表情を見せたが、即座に立ち直っていた。
そこに魔法を完成させた『攻魔士』たちから炎の奔流が放たれたが、僕たちは軽くステップを踏むだけで回避。
逆に仲間であるはずの魔蝕教を数人巻き込んでおり、焼き尽くしている。
それでも彼らが動揺した気配は見られず、その戦い方を見たヴェルフは大きく舌打ちした。
「目的を果たす為なら、仲間がいくら犠牲になっても構わない……か。 気に入らんな。 来い、俺が直々に相手をしてやる」
クイクイと手招きしたヴェルフに煽られて、大勢の『剣技士』や『格闘士』が殺到する。
しかし、相手が悪かったな。
僕との殴り合いでも見せた高度な体術に加えて、脚を使った俊敏な機動力。
魔蝕教たちは彼をまともに追い掛けることも出来ず、次々と撃破されて行く。
どうやら僕と戦ったときは正面から打ち合ったが、この機動力を活かした戦法こそが、本来のヴェルフらしい。
一撃必倒の破壊力と熟達した技量、そして的を絞らせない敏捷性。
今のところ特別なスキルは使っていないが、『格闘士』は極論【身体強化】の練度と体術が全てと言える階位。
その観点から見れば、ヴェルフはゲイツさんやガレンと同等以上の使い手。
戦いを続けながら分析していた僕の一方で、ナルサスさんも存分に力を発揮していた。
「ふん。 邪教の徒ごときが、調子に乗るな」
流れるような動きで敵を斬殺し続けるナルサスさん。
トップスピードは、カティナさんどころかアリアにも及ばない。
ただし彼は、緩急を絶妙に使って実際よりも速く見せている。
それだけではなく、タイミングを外すことにも長けており、相手に反応すら許していなかった。
流麗な剣技はまるでダンスのように美しく、思わず見惚れてしまいそうなほど。
だが、引き起こされる結果は凄惨なもので、ナルサスさんが舞う度に命が奪われる。
付け加えるなら、彼はどの順番で敵を倒せば最も効率が良いか、常に計算しているようだ。
純粋な強さで言えばアリアが上だろうが、この技巧と知能の高さは彼女を越えている。
2人とも、やるな。
柄にもなく闘争心を刺激された僕は、スキルを発動する。
これまで何度も使って来た、【白牙】。
もっとも、今回は少しばかり変化を付けた。
「【白牙・連】」
瞬間移動が如き速さで繰り出される、5連続の突き攻撃。
【白牙】は緻密な神力操作が要求されるスキルだが、それを繰り返せばこのようなことも可能。
一瞬で戦場を駆け回った僕をヴェルフたちは驚いて見ていたが、構わずもう1度発動しようとしたところ、慌てて止められた。
「待て、シオン。 そのスキルは一旦封印だ」
「どうしてだ?」
「強過ぎる。 俺たちの見せ場がなくなってしまうだろう?」
「そう言われてもな……」
「では、こうしよう。 シオンは遠距離の敵を頼む。 近くの敵は俺たちに任せてくれ」
「……わかった」
「良し。 では、行くか」
ニヤリと笑うヴェルフ。
わがままだと思わなくもないが、今回は譲る理由がある。
今のうちに、僕の力を知ってもらっておいた方が良いからな。
剣先に神力を集めた僕を、ヴェルフとナルサスさんは怪訝そうに見ていたが、気にすることなく――
「【閃雷】」
射出。
白い雷が宙を走り、後方で魔法を詠唱していた『攻魔士』を撃ち抜く。
今度こそ驚愕した様子のヴェルフたちに向かって、殊更に淡々と告げた。
「見た通り、僕には『攻魔士』の力も宿っている。 そのことも踏まえた上で、作戦には組み込んで欲しい」
「……どこまで規格外なんだ、キミは」
「ナルサス、今は戦いに集中するぞ。 俺も正直、平常心ではないが。 とは言え、見方によっては嬉しい誤算だ」
「驚かせて済まない。 最初は言うつもりはなかったんだが、やはり隠しておくのは良くないと思ってな」
「あぁ、助かる。 では、話の続きはこいつらを始末してからにしよう」
「……そうだな、行くぞ」
ヴェルフさんの言葉を聞いて、ナルサスさんも辛うじて立ち直ったようだ。
そのことに安堵した僕は【閃雷】を連発し、敵の『攻魔士』に詠唱すら許さない。
そうなると近距離系階位は突撃するしかなく、ヴェルフとナルサスさんに呆気なく仕留められている。
こうして僕たちが危なげなく戦闘を進めている傍らで、姫様たちも大暴れしていた。
「はぁッ!」
狙われているにもかかわらず、最前線で長槍を繰り出し続ける姫様。
いや、それどころか彼女は自分が狙われていることを逆手に取って、仲間たちを安全に戦わせていた。
危険な橋に思えるが、今回に限っては効果的。
姫様をカバーするようにアリアが立ち回り、絶対に主に近付けさせない決意を感じる。
サーシャ姉さんは初めての対人戦と言うこともあって、動きがややぎこちないが、それでも臆することなくロザリオを振り回していた。
人を殺害することに抵抗はありながら、戦うことに迷いはなさそうに見える。
本当に逞しくなった。
時折危ない場面はあったものの、ルナが約束通り密かにフォローを入れている。
その一方で着実に敵の脳天を撃ち抜いており、流石と言うべき精度を見せ付けていた。
そして今回、最大の戦果を上げたのは彼女。
「風の精霊に告ぐ――」
姫様たちに守りを完全に任せたリルムが、膨大な魔力を練り上げた。
「渦巻き猛るは三つ首の竜――」
僕には感知出来ないが、風の精霊が彼女の元に集っているのだろう。
「全てを斬り裂き塵と化せ――」
締めの文言を紡ぎ、力を解放した。
「【参連暴風】ッ!」
瞬間、魔蝕教の陣地に3つの巨大な竜巻が発生する。
まるで天変地異が起きたかのような騒ぎで、触れた者をことごとく小間切れにした。
風属性の上級魔法、【参連暴風】。
見た通り広範囲の敵に対して有効な、殲滅魔法。
欠点を挙げるなら、上級魔法の中でも発動に時間が掛かることと、味方を巻き込む恐れがあること、更に制御が難しいことだろう。
敵陣を蹂躙する様は頼もしい反面で、敵だとすれば脅威。
何にせよ大半の魔蝕教を掃討した僕たちが、残党を処理しようとした、そのとき――
「もう、これしかないか……」
号令を掛けた幹部らしき男が、懐から宝石を取り出す。
それを見た僕は姫様たちからの情報を思い出し、飲み込んだ者がモンスター化するつもりだと判断した。
今の戦力なら負けないとは思うが、みすみす敵のパワーアップを見過ごす必要はない。
そう考えたのは僕だけじゃなかったようで、姫様が物凄い速さで長槍を投擲した。
「はぁッ!」
「ぐッ!?」
裂帛の気合いとともに放たれた長槍は狙い違わず宝石を捉え、腕を吹き飛ばす。
幹部の男は、苦々しい面持ちで姫様を睨み付けていたが――
「終わりよ」
長銃に持ち替えたルナの一射で、幹部らしき男の命は潰えた。
一瞬だけ魔蝕教の間に動揺が広がったが、すぐに特攻を再開する。
こうなっては奇跡が起きても勝てる見込みはないが、彼らにそのようなことは関係ない。
そのことを知っている僕や姫様、アリアにリルム、ルナは平然と相手していたが、サーシャ姉さんやヴェルフたちは戸惑っていた。
しかし手を緩めることはなく、油断なく敵の数を減らし――
「ここまでだ」
ナルサスさんが、最後の1人の首を刎ねた。
辺りには濃密な死の香りが漂っており、サーシャ姉さんは顔を青ざめている。
だが、姫様たちがなんとか元気付け、冷静さを保てていた。
彼女がひとまず問題ないと結論付けていると、ヴェルフたちが何とも言い難い表情で歩み寄って口を開く。
「やり合ったのは初めてだが……聞いていた以上に恐ろしい奴らだな」
「そうかもしれないな。 僕たちは慣れているが、奴らの執念……いや、怨念は異常と言える」
「何故そこまで恨まれているのかは、わかっているのか?」
「いいえ、ナルサスさん。 ただ、姫様自身が恨まれていると言うよりは、『輝光』自体に恨みがあるようです。 そのことから、過去の『輝光』と何かあったのだと推測しています」
「なるほどな……。 どちらにせよ、襲って来るからには撃退するしかない。 向こうにどんな事情があるか知らんが……迷うなよ、シオン」
「無論だ、ヴェルフ。 だが、取り敢えず魔蝕教のことは忘れよう。 今はフランムを取り戻すことが優先だ」
「あぁ、その通りだ。 では、拠点に戻るか」
そう言って足を踏み出したヴェルフはナルサスさんを引き連れて、姫様たちを呼びに行った。
その後ろ姿を見送った僕は振り返り、魔蝕教たちの亡骸を見渡す。
確実に全員息絶えており、無傷の完全勝利だ。
ただ、だからこそ引っ掛かる。
何故奴らは、このタイミングで攻めて来た?
奇襲を仕掛けるならまだしも、僕たちが全員揃っている状態で正面から戦って、勝てるとでも思っていたのか?
どうにも気になるが、先ほども言ったように今はフランム奪還に集中しなければならない。
疑問を頭の片隅に追いやった僕は、ヴェルフたちを追い掛けて拠点に戻った。




