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三分置きに三度ノックをする。


 「条件があります。」

 電話越しから若い女性の声が聞こえた。


 「条件ですか?ソレはどんな…。」

 別に答えが聞きたかった訳では無かった。話の流れから聞く方が自然だと思えたからだ。


 「私、顔を見られたくないので、目隠しをお願いします。」


 「えぇ。別に構いませんよ。でも、ソレでは待ち合わせても…。」


 顔は見れなくても良かった。そもそも容姿なんて関係無かったのだ。これば一時の戯れの様なモノで、私は少しの【変化】を求めているだけだ。


 「ソレは気にしなくても大丈夫です。逢う場所はそのトイレ。逢う時間も丑三つ時ですし、その時には三秒置きに三度ノックをします。ソレが合図ですので、そうしたら鍵を開けて下さい。後、金銭的なお話なのですが、用意して下さった金額でサービスが変わりますので…。」


 若い女性の声が耳に触れる。


 「分かりました。」


 「では…。後程…。」


 ソコで通話が終わった。触れてはイケない禁忌に触れてしまったかの様な錯覚に、私の鼓動は高鳴っていた。

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