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三分置きに三度連絡をする。



 


 幸福の只中に居た。

 筈だった。


 私の人生は幸福であった。良き伴侶に恵まれ、良き家族に恵まれた。容姿にも恵まれ、仕事にも恵まれ、金銭的にも困らず、穏やかな日常を過ごしていたのである。刺激が欲しかったわけでは無い。ただ少しだけ、昨日と代わり映えの無い今日に、今日と代わり映え無いであろう明日に、私は飽きてしまっていた。何気ない穏やかな日常こそが幸福であると知っていた筈なのに…。


 ある日、私は、とある噂話を耳にした。


 【公園のトイレに書かれている電話番号に三分置きに三度連絡をする。その後、折り返しがあり、その電話相手の女子大生の望む事を叶えると、身も心もとろける程の快楽を味わえる。】


 そんな噂話だった。信じていた訳では無い。興味があった訳では無い。快楽を求めていた訳では無い。ただ変わらぬ毎日に、ほんの少しの【変化】が欲しかっただけだ。


 だから私は、その噂話の内容を実行する事にしたのだった。


 今思えば、その日を境に…。


 私は私では無くなった。

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