プロローグ
時は現代から少し科学が発達した時代
私、生真翼は暗くてぼっちな女の子
コミュニケーションが苦手だけど
家族とは大の仲良し
お仕事で忙しいのに、遊園地によく連れていってもらった
兄とゲームでいっぱい遊んだ
お姉ちゃんとは化粧遊びとか女児向け番組を仲良く見た
パパはヒーロー、ママは科学者、お兄ちゃんは天才ITエンジニア
やることと言えば家で乙女ゲームのイケメンと恋愛してることしかない
学校でのいじめも暴力も
ひ弱でちっぽけな体の私には抗うすべをもたなかった
今日も重い足取りで教室へたどり着き、席へ着く
そこで私はお絵かき帳を広げ
鉛筆で「世界」を作っていく
漫画だ
家族4人で強くてかっこいいヒーローみたいなことしてる漫画
周りから、あの子また一人でなんか書いてるよとか言われるがそれはいつもことだからもう慣れた
でも・・・
特にひどいのは、私の幼馴染で世間では街を守る正義のヒーローをやってる
勝崎火露君だ
ひー君は日々のなにかと私に辛くあたってくる
世間の表の顔ではいい人を演じてる、しかし裏の顔は・・・
ストレス発散を称して、殴る蹴る、技の実験台
・・・本当に昔は悪い人ではなかったのに・・・お互いのことひー君ツバサちゃんって・・・
「なにやってんだよ」
ひー君が私の席に近づいてきた
「・・・やめて」
ひー君は、私のお絵かき帳を取り上げて
「キモッ」
心底いやそうな顔で地面へ乱暴に捨てた
「いいか俺はヒーローをやってるエリートだ大金持ちだぁ!今まで家の付き合いで仕方なく付き合ってやったが・・・忍耐の限界だぜぇ」
「同じエリート家族でもお前は一人だけ落ちこぼれ、ぶっちゃけお前みたいな奴を産んだ両親も無能ってか」
彼は、私のお絵かき帳も引き裂いた
「トラックに轢かれたら今流行りのネット小説みたいにお前にもワンチャンあるかもなぁ!あはは!」
「全部お前が弱いのが悪い」
バラバラに引き裂かれたお絵かき帳
・・・私は何も言い返せなかった
怖いからじゃない
仕返しが酷くなるからでもない
悔しかった、家族のこと悪く言われ何も言い返せない自分がっ!
ある日の学校の屋上
フェンスの外へ身を乗り出す
「ひー君さよなら」
「次の人生はどうか私じゃありませんように」
そう言い残し終わるはずだった
もし違う自分になれたならー
硬い地面ぶつかる衝撃が体を浮かせる
意識が暗くなる・・・
もうすぐ最期だと悟ってしまう
遠のく意識の中、誰かの声が聞こえた
「・・・ろ・・・目を・・・開けてくれ・・・!」
「諦めてはいけない翼、死んだら家族が皆悲しむ」
パパの声・・・なんで
私は死んでいなかった
「パパ・・・」
現れたのは、私のパパだった
手術台に乗せられた私がいた場所はは悪の組織の研究室
パパの隣、そこには美麗な科学者「天邪鬼」がいた
そして「天邪鬼」の違法な人体改造手術によって
私の体は8割分男の子の体になっていた
おちんちんはついていてわずかにあった胸部は筋肉に代わってるけど女性器が残ってる
そこは一時的に「変身」しないと失くせないらしい
ただし命を助けたことで条件をつきつけられた
それは悪の組織で働くこと
公的に死んだことになった私は男として学校に転校生として戻る
男の体に戸惑いつつも私は決意する
この体と力で今まで虐げたあいつに復讐してやる!