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二話

母国に帰る森の中、オレは何か食事になりそうな物を拾いながら道を歩いていた。


ここは国境だ、何が落ちて何があるかもわからない。用心に越したことはない。


森の中間地点まで行き、開けたところに出た。


ガサガサッ


すると、真っ赤な髪を巨大な長いツインテールにしてる女の子が飛び出してきた。

オレと目が合う。

みるみるうちに女の子の目が涙をいっぱいにして、うるうると上目遣いでこっちを見上げていた。


「ふみゅぅう……ぼあーぼあんーあーんー」


転びそうになりながら必死に駆け寄ってくる姿は、小さな子供のようだ。

何やら唸っていた。


血や怪我で汚れ、灰で煤けた顔はよく見ると可愛い、思わず視線が胸元へ行く。でかい、Eはある。

女の子は、継ぎ接ぎだらけの、地面に裾を引きずるほど長いロングワンピース姿でオレの足元にしがみついてきた。

その手には手錠。足を見れば足枷。

こいつ、まさか奴隷か?


「ぼあん、あ、た、た、た、たしゅけてくらしゃぁあい……」


弱々しくて可愛らしい、高い涙声。


その女性の後ろを見ると、きたない笑い声を上げる甲冑姿の男たちがずかずかと追いかけてきていた。


中途半端な安物の甲冑だ、雇われの野良か、馬鹿にしてる。


クソ!こっちは苛立ってるのに!

オレは甲冑のゴミ共に向かって掌を向けた。


「簡易契約!」


「「「「ぐぁぁあーーーー」」」」


ぎゅううう!


甲冑を着た雇われ兵たちは自分の首を絞めながら、反対方向に向かって逃げ去って行った。

くだらない。


オレのスキルはこんなことにしか役に立たないのか!こんな雑魚を追い払うようなことでしか……


「はわぁぁぁ〜〜♡」


ん?

足元にしがみついていた女の子が、目を潤ませながら頬を赤く染め、うっとりとオレを見上げていた。


手錠がかけられた腕を自由にできないせいで、胸が寄せられている。

ボロいワンピースの上からも視認できる豊満な谷間だ。

手錠を壊して欲しいのか?


「はっ」

「きゃんっ」


ばりん!ばりん!

オレが拳に力を込めて殴ると、手錠と足枷が一瞬で砕け散った。

脆い手錠だ。

悲鳴を上げた女の子は、すぐに目をキラキラさせてオレを見上げた。

自由になった手足を一生懸命バタバタしている。


「たしゅけてくえて、あーがとうございましゅ……」

「気にすんな。おまえ、その手錠と足枷は奴隷か?」

「しゅ、しゅごぉい♡なんでわかったんれしゅかぁ……」

「冒険してる間に何度も見たからな」

「はわぁぁぁ……おーらがちがいましゅ、つよそぉ……」


顔を真っ赤に染めた女の子は、立ち上がろうとした。

ばたっ。

その場に倒れた。


「ど、どうした!」

「……たしゅけてくえて、んうう……」


触れると驚くほど暑い。

これは……熱だ!可哀想に、奴隷でこき使われて、更にぼろぼろの身体だ。可哀想に。

オレは放っておけずに、女の子を抱えた。

今助けてやる!

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