12/18
木曜 12:20
翌日の昼、僕は昨日と同じように屋上前階段に来ていた。猫柳さんは無関心な面持ちで丸まり、二人の先輩が僕を挟む。
「昨日は収穫無しですか?」
「ソレなんだけどよ」
「場所の特定はできたが、別の用件で頓挫した」
「別の用件?」
「昨日も行方不明事件が起きたンだよ」
「なんですって?」
僕は真一が襲われたことを報告した。
「……まあいい、今晩は装置の解体を優先しよう」
まあいいって、僕の友達をなんだと思ってるんだ。
「……僕の変身ワード、教えていただけませんか?」
「なぜ?」
「だって変身できたほうが、僕だって役に立てるじゃないですか」
「言う必要は無い」
「……くっ」
またそれですか。
返事をした僕の顔は、明らかに仏頂面だっただろう。