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ルイナ視点


 妹のレイナと三太さんと一緒に旅にでます。三太さんというのは喫茶店によく来てくれていた方で、今は住み込みでバイト…ということになっています。

三太さんが私の部屋で眠っている間、寝顔を見ていた私は気付いたら膝枕をしていました。うぅ……胸が邪魔であんまり寝顔が見えない。これは失敗だったかもしれません。


三太さんが目を覚ました時、上から覗き込もうとして胸が当たってしまいました。恥ずかしかったけど、三太さんはうれしそうだったと思います。たぶん。きっと。ちょっと顔が赤くなっていて、かわいいな〜なんて思ったのは秘密です。


嬉しくて昨日はあまり眠れていません。でも憑依なら欠伸しても見られないので大丈夫!


何度か来たことのある異世界の初めての名もなき村。


森を通って次の村を目指しました。森の中では魔物が多い地帯を通っていくことになりました。そこに入る前に野宿です。三太さんがお疲れのようだったので膝枕をしてあげたいと思います。


こっそり家に戻ってお祖父様にお願いして実体を転移してもらいました。

三太さんが私の脚の上で眠そうな顔をしていました。

ふふっ、なんだか元気が湧いてきます。


 ハテ村という小規模な村に到着しました。

門番さんは良い人そうです。

村唯一の宿屋兼食堂ではティニとお友達になりました。美人さんなので、三太さんの視線が気になります。もっと私を見て欲しいので、ティニに負けないようにしなきゃ!




 ハテ村には結構長い間お世話になりました。ティニのお仕事のお手伝いをしているうちに、いろいろお話しして仲良くなりました。ティニ、とても良い子です。でも三太さんを見ている時の顔が他の人を見る時と違います。自分が焦っているのを実感する瞬間です。もやもやします。


 この村では、初めてお酒を飲みました。お酒ってなんだかふわふわしちゃうんですね、ふふっ。

レイナと同盟を組みました。今夜は部屋に行く前にちょっと強めのお酒をいただきます。がんばります。


途中までは覚えてます。三太さんの味もなんとなく覚えてます。でも結局最後までできなかったようです。少し頭が痛いです。これが二日酔いなんですね。顔や胸や髪の毛に痕跡らしきものが付いていました。乾いてカピカピです。

私思ったんです。『どちらか』ではなくてもいいんじゃないかな?なんて。

 

 そうそう、この旅の間、三太さんが指輪をプレゼントしてくれたんです。薬指に着けるとブカブカです。仕方ないので中指に着けることにします。

ピンクに金で縁取られたリボンもくれました。似合うかな?


 山に登ることになりました。村の人の話によると、昔そこでドラゴンの目撃情報があったそうです。何事もなければいいのですが。


 村を出て、登山をして、洞窟を抜けた先。そこには大きな翼を持つ巨大な竜がいました。

私は目が合っただけで動けなくなってしまいました。

竜は私たちを観察しているようでした。


光が見えました。というよりも、目の前が真っ白になりました。


光の中から三太さんがこちらに来て……


光に飲み込まれてしまいました。


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