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鬼闘神楽  作者: 武神
第4章 滅亡の氷姫
77/133

参ノ舞 破滅の覚醒

最近、この小説がサイコ小説になりつつある……


※ちょっとしたお知らせ

最近、会社の業務が倍になり、ぶっちゃけほとんど執筆時間が取れておりません。

次話投稿は2週間後の21時とさせていただきます。

また、それ以降も不定期な更新となるかもしれません。

何卒ご了承頂けますよう、お願い申し上げます。

 東京西部の森の奥。南条佐奈の凶行は続く。



「はぁ………………、はぁ………………、はぁ………………っ。死ねっ…………死んじゃえ…………。」



 そうして【雷鹿】の死骸が最早ミンチとなってしまっても、薙刀を振り下ろし続けた佐奈が顔を上げたのは、突然何者かに声をかけられたからだった。



「こんばんわ、南条佐奈。初めまして。」



 夜の山の中。

 燃える木々の中で、機械処理された男の声が響いた。

 その声の主を、血走った目で睨み付ける佐奈。



「って、荒れてるねぇ、随分スプラッタな事してるねぇ。名門校の美星女学院1年生の動物虐待……っ! ふつーに、スクープもんじゃないか。」


「はぁ…………っ。はあぁ……っ! あなた、誰です…………?」



 その視線の先には、真夏だというのに漆黒の外套をフードまで被り、そして白い能面を付けた明らかな不審者がいる。

 黒い外套、黒いパンツ、黒のライダースブーツ。おおよそ、一哉が好みそうな服装だが、やはり白い能面が不気味に浮き上がっており、明らかに異質でまともな人間ではないと物語っている。

 それはついこの前、南条家の屋敷を襲撃してきた人物と全く同じ容姿で――――



「あれ? 南条一哉から聞いていないかい?」


「何が?」


「ボクの事さ。彼はボクと一度戦っているんだ。彼の性格上、ボクの事を聞いていてもおかしくはないと思うけど。」



 南条邸を襲撃した人物は、結衣と一哉の話が正しければ、既に倒されている。つまり、同一人物な訳がない。実際のところ、一目見た瞬間に、目の前の不審人物が誰かかは目星は付いていたのだが、佐奈は敢えて知らないフリをする。



「はぁ? 何言ってんですか? あなたみたいな明らかな不審者、お兄ちゃんが相手にするわけ無いでしょ。自意過剰も大概にしてください。」



 その理由は単純明快。

 目の前の不審者が、兄・一哉の言うとおりの人物であるならば、佐奈に勝てるわけがないから。

 知らないフリをして会話を伸ばし、逃げる算段を整える。

 それが佐奈の思惑だった。



「まったく、キミも口が悪いねぇ。それとも、南条一哉は本当にボクの事をキミ達に伝えていないのかい? だとしたら、とんだ腰抜けだね、アイツも。本当に南条って奴は――――――」


「お兄ちゃんは腰抜けなんかじゃない――――――っ!! 今度戦ったら――――――っ!?」

(って、しまった…………っ!?)



 しかし、佐奈は兄・一哉を貶す声に、反射的に反応してしまう。

 慌てて口をつぐんだが、ここまで言ってしまえば後の祭りだった。

 もう、自分が一哉から話を聞いているのが明快だ。

 咄嗟に嘘を吐いた意味が無い。

 こうなれば、恐らく目の前の不審者も攻撃を仕掛けてくるだろう。竜の腕を持つ人物――――『アイナ』が。



「なんだ、彼からきっちり聞かされているんじゃないか。なら、話は早い。覚悟はいいよね、南条佐奈?」



 もう退路は無い。戦うしかない。

 もう数拍すれば、彼は襲いかかってくる筈だ。

 動機は充分。兄の話が正しければ、彼は南条家に大きな怨みを持っている筈なのだから。



「勝手に決めないでよ。あなたはどうか知らないけど、私、あなたに殺される予定も準備も何も無いから。」


「ハハハ! 面白いね、キミ。そう言えば、ボクがキミを見逃すとでも? バカを言うなよ。ボクはこの10年、キミ達一族を皆殺しにするために生きてきたんだから。」


「何それ、暇すぎでしょ。とにかく、私、あなたには殺されてやらないから。それに――――――」



 佐奈は足下の肉塊に突き刺さり続ける薙刀を引き抜き、その刃を「アイナ」へと向ける。

 頭では絶対に勝てないとわかっているのに、魂に突き動かされるかの様に、意識が戦闘へと没入していくのがわかる。得体の知れない、言い様の無い高揚感と渇望が佐奈を戦いへと駆り立てる。


 ――――――目の前の敵を黙らせろ、と。



「私、今、すっごいイライラしてるんだよ。そんなにギャーギャーと騒ぐんだったら………………………………逆に私があなたを殺しちゃっても、文句、無いよねぇ…………?」



 明らかに16歳の少女が発していい言葉ではない。

 血塗れで「アイナ」を睨む佐奈の目には、殆ど光が宿っていなかった。そして、気味が悪いほどに据わった目だった。今の佐奈が正気なのか、狂気に呑まれているのか。それはもはや、佐奈自身にもわからない。



「あらら。兄貴は精神崩壊一歩手前で綱渡りしてて、妹は既に発狂気味って、南条家、本格的にヤバイんじゃない? まあ、安心しなよ。キミ達が狂人に成り果てる前には殺してあげるから。」



 そして、「アイナ」が挑発を飛ばす。

 これが開始のゴングだと言わんばかりに。

 そして、それが切っ掛けとなった。きっちりと「アイナ」の思惑通りに。戦い始めるには、最早理由も充分となった。



「五月蝿いって言ってるでしょ…………………………。」



 佐奈はゆっくりと薙刀を、自分の横に水平に構え。



「もういいから、さっさと死ねよ、お前もぉ――――!!」



 その言葉と共に一気に薙刀を振り抜いた。

 同時に佐奈は霊術『鐵飛刃』を起動。薙刀の刃の軌跡に沿って、巨大な鋼鉄の刃が召喚され、「アイナ」目掛けて飛んでいく。



「おっと、あぶない! ていうか、刃でかすぎでしょ。どうなってんの?」



 「アイナ」は『鐵飛刃』の刃を軽々と避けて平然な顔をしているが、目標を失った『鐵飛刃』はアイナの遥か後方で砕け散る。



「…………今、何をした!?」


「それはこっちのセリフだよ。なんだい、さっきの霊術は。明らかに汎用術式の霊力変換効率を越えているじゃないか。いつの間にキミはあんな芸当を?」


「知らない! いつの間にかこうなってたんだから、わかるわけ無いでしょ!!」


「ふーん。まあ、ボクはキミを殺せればそれでいいから…………どうでもいいけど――――っ!!」



 そのセリフと共に、「アイナ」は一気に距離を詰めて、佐奈に肉薄。そのまま右拳を振り抜いた。



「きゃ…………っ!!」



 何とかしゃがんでその拳は躱した佐奈だが、続く蹴りには全く対処できずにマトモに喰らい、吹き飛ばされてしまう。

 佐奈の法具は薙刀。敵が懐に入る前に斬り伏せる武器。さらに女の子ということで、格闘術に関してはまるで訓練していない。と言うより、一哉がさせてこなかった。

 それゆえに、佐奈は霊術を突破されて懐に潜られると殆ど何も対処できないという致命的な弱点を持っている。



「うぅ…………いたい……。」



 加えて言えば、今までずっと一哉の庇護下で傷つくこと無く過ごし、任官してからも、高出力の霊術で一気に勝負をつけるパターンが多かったため、まともにダメージを受けたことがないという事が、佐奈の打たれ弱さに拍車をかけている。


 ただ、それを除いたとしても、「アイナ」の蹴りは人を吹き飛ばす位の威力があるのだ。マトモに受ければ、大ダメージは必至。

 蹴りの直撃を受けた左手腕を中心に、全身に広がる痛みに悶え、佐奈の目には涙すら浮かんでいる。



「やれやれ。まさか龍化もしてないただの蹴りでこのザマとは…………。とんだ期待外れだよ、南条佐奈。キミの兄貴が意外にガッツを見せてくれたから、キミも楽しませてくれるかと思ってたんだけど。才能ってのは、遺伝しないものなんだねぇ。」



 佐奈の耳に届くのは、「アイナ」の明らかに落胆した声。

 そもそも兄と比べないでほしいというのが、佐奈の本音だが、それを別にしても、まさか一撃で自分が沈められるとは予想もしていなかったのだ。


 佐奈には、コンプレックスと自信と傲慢さが常に同居していた。南条一哉という天才を兄に持ったコンプレックス、名門の南条家に産まれ、そして幼い頃から修行に打ち込んだからこそ、16歳で任官されたという自信、そして、自分は南条の生まれなのだから、いざとなれば兄以外の誰よりも秀でるのではないかという傲慢。

 それは一哉に護られ、一哉に甘やかされ、そして佐奈自身も中途半端に才能を持っているが故のせめぎ合い。



 佐奈には兄・一哉をも超える莫大な霊力保持量があるが、言ってしまえば、現時点の佐奈の鬼闘師としての秀でた部分はそこしかない。経験もなく、多少身体能力が生まれつき良いだけで、体を鍛えているわけでもない。

 そして実戦だけなら一級鬼闘師、上級鬼闘師並の戦果を残せてしまうが故の勘違い。

 佐奈の心があっという間に折れてしまうのは必然だったのだ。



「じゃ、最期に言い残す事はあるかい?」



 だが、心の折れてしまっている筈の佐奈は、まだ自分の魂が戦えと言っているのを感じる。佐奈自信はもはや諦めてしまっているのに、内から沸き出す何かが、体が目の前の敵を葬れと言って聞かないのだ。

 だから――――――



「う…………五月蝿い…………ッ!!」



 取り敢えず、身を守るために得物を振るうことだけはしてしまう。無駄な抵抗だと佐奈自身が思っているのに、身体が勝手に反応してしまう。



「へぇ。まだ、立ち上がることはできるんだ? まあ、その身体で何が出来るのか、見物だけど。」



 佐奈は痛む身体を庇いつつも、何とか立ち上がる。

 全身を伝う激痛に抗い、何とか薙刀を構えて、霊術起動の準備をして。

 だが、それは決して佐奈の精神(こころ)が強いからではなく、勝手に身体がそうしてしまうからなのだ。既に諦めてしまっている佐奈に、そんな事を自発的にする気力などある筈がない。



「…………『刺突岩針』…………!!」



 理由やきっかけがどうであれ、戦う姿勢を見せてしまった以上、佐奈は抵抗するしかない。ほとんど自棄になって霊術を起動するが、そんなものが「アイナ」に通用する筈もない。

 地面から突き出る岩の杭は生成のタイミングに合わせて跳ぶことで、完全に無効化されてしまっている。



「抵抗するってことは、ボクに何されても構わないという訳だ。楽に殺してあげようかと思ってたけど…………ボクが楽しめる程度には頑張ってくれよ?」



 更なる攻撃を呼び寄せてしまう。

 右回し蹴り、左後ろ回し蹴り。

 右ローキック3連打。

 体勢を崩したところに、首を掴まれてからのボディーブロー連打。


 佐奈にはもはや戦う力など残されていない。

 圧倒的な暴力によるリンチ。そんな凄惨な光景が繰り広げられても、佐奈は薙刀を離すことだけはしなかった。

 本人の意思とは無関係に。



 ――――――ドシャッ



 佐奈は突き飛ばされて、地に崩れ落ちる。



(うぅ…………。なんで…………どうしてこんな目に逢わなきゃいけないの…………? 身体中が痛い…………もう、身体動かしたくない…………戦いたくないよ!)



 佐奈は虐殺とも言えるこの仕打ちを前に、心が折れ、涙すら流している。全身を襲う激痛に身体のコントロールを放棄すらしたい。

 それなのに止まらない。佐奈の身体はまだ戦いを続けようとするのだ。



(どうして…………?! もう、いやだ…………っ!! お願い…………。お願いだから、立ち上がろうとしないで!)



 心の底からの叫びすら無視して、佐奈は立ち上がってしまう。

 薙刀を杖代わりにして、もはや立っているのがやっと、という有り様になっているのに。



「ハハハ。凄いね。まるでゾンビだ。」


(いやだ……いやだ……いやだよ! …………助けてっ、助けてお兄ちゃん……っ!! お兄ちゃん――――――!!)



 心の中で、佐奈は一哉を呼び続けるが、一哉は現れない。現れる筈がない。

 誰もいない。誰も助けてくれない。


 そんな絶望感に包まれた佐奈の脳裏に、突然イメージが走る。

 それは最近の、自分をどこか避けている一哉の姿。

 咲良と幸せそうに寄り添っている一哉の幻影。

 結衣と幸せそうに寄り添っている一哉の幻影。

 どこか遠いところに去ってしまう兄のイメージ――――







「…………ふっざけんな――――――!!」



 佐奈の血を吐くような叫び。

 「アイナ」もボロボロの佐奈がそんな反応をしたのが意外だったのか、初めてたじろいだ様子を見せる。

 そこに、佐奈はすかさず霊術を叩き込む。



「お兄ちゃんは…………お兄ちゃんは誰にも渡さない…………!! 疑似二重起動――――――っ!! 『刺突剣山』『流星刃』――――ッ!!!!」


「――――――ッ!!」



 杖代わりにした薙刀から地中に霊力を流し込むと同時に、地中から無数の刃が突き出る。その規模は、先程【雷鹿】に放った『刺突地獄』よりも更に大きく。

 突き出る刃の数もその密度も大きさも、桁外れの規模だ。


 その攻撃すらも、人外の跳躍力で躱してしまう「アイナ」だが、今回の佐奈の攻撃はこれでは終わらない。疑似二重起動――――そう佐奈が名付けるように、膨大な霊力を使って無理矢理二つ目の霊術を起動したからだ。

 地面から突き出た刃の約半数が抜け、上空へと射出される。

 そしてそのまま、重力と霊力のコントロールを受けて加速した刃が、「アイナ」に向かって一斉に襲いかかる。


 器用なことに、『刺突剣山』の刃の上に着地した「アイナ」だが、それこそ思う壺だ。

 足下の剣山、頭上の刃の雨。

 逃げられる訳がない。


 そうなれば「アイナ」が取る手段は――――――



「『竜の(コンファイン・)拒壁(ウォール)』」



 足下。そして頭上をもう一度確認した「アイナ」は、ただそう一言呟いた。

 それは一哉からも聞かされていた、絶対魔術消滅魔術。

 赤い魔方陣が「アイナ」を取り囲んだかと思うと、足下の剣山が、頭上の刃の雨が跡形もなく消され、光の粒子へと帰していく。


 しかしそれでも。



「ここだっ! はああああああぁぁぁぁぁぁ――――っ!!」



 心折れた筈の佐奈が、唯一見出だした勝機。

 足下と頭上からの攻撃で、『竜の(コンファイン・)拒壁(ウォール)』を使わせ、そのタイミングで斬る。

 「アイナ」の魔術が霊術を全て無に帰すのであれば、「アイナ」自身も何もできない筈。勝機があるのだとしたら、「『竜の(コンファイン・)拒壁(ウォール)』」発動中が、唯一佐奈が「アイナ」に勝てるタイミング。


 佐奈はこの一撃に残り全ての体力をかける。

 持ちうる力の全てを。兄への想いの全てをその一撃に乗せて。

 佐奈は振り抜く薙刀に力の全てを託して、「アイナ」へと迫り。



「これで終わりだ…………っ!!」



 そして決着が着いた。







 「アイナ」の勝利で――――――



「残念だったね。『部分龍化(セミドラゴナイズド)龍の爪(ドラゴンズクロー)』――――。」



 赤い魔方陣の中で、メキメキと音を立てて変化する「アイナ」の右腕。白い鱗に覆われた、神聖さすら感じさせる異形の腕は、迫り来る佐奈の薙刀の刃を素手で掴むと、そのまま握り砕いたのだ。



「そんな…………」


「終わりだ、南条佐奈。」



 法具を失い完全に無防備になった佐奈に、「アイナ」の蹴りが炸裂する。腹部への蹴りが直撃し、佐奈は吹き飛ばされる。何かに弾き飛ばされたかの様な勢いで吹き飛ばされた佐奈は、これまでの応酬で荒れ果てた森の、かろうじて立っていた木に叩きつけられて止まった。



「うぅ…………かはっ…………。」



 叩きつけられた衝撃はあまりにも強く、ほとんど意識を失いかけの状態の佐奈は、血を吐いて倒れる。



(おなか……が…………熱い…………。口も…………。あはは…………全身痛すぎて、どこが痛いのか…………わかんない…………や。)



 佐奈の瞳は、殆ど何も映してはいない。

 わかるのは、全身を駆け回る、炎のような痛みだけ。

 佐奈は倒れているが、痛覚以外の感覚が殆ど麻痺してしまっている佐奈は、自分がどんな状態になっているのか、全くわかっていない。



「ごふっ……!」



 佐奈が再び、盛大に血を吐く。


(あぁ…………おにい…………ちゃん。最期に逢いたい…………逢いたいよ…………。私を…………わた、し…………だけを……見て…………。)



 薄れ行く意識の中で想うのは、やはり一哉の事。

 産まれたときから一緒にいて、誰よりも信頼していて、そして世界で一番愛している男の事。

 自分の死期を悟ってしまったがゆえに、実兄への恋心という禁断の果実は急速に熟れていき。



(お兄ちゃん…………お兄ちゃん…………お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん…………!! お兄ちゃん、が……欲しい……! 最期の…………この時だけでいい…………から…………ッ! この一回……だけでいいから…………ッ!! 咲良ちゃんでも、結衣さんでもなくて…………! お願いだから私の、私だけのものになって!)



 ()()()()()()()()()()()()()()()



(お兄ちゃん…………お兄ちゃん……お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃん――――――――兄さん……)



 佐奈は自分の左手に違和感を感じて、慌ててそちらを見る。

 明らかに何が違う。何かが嵌まっている、そんな感触がある。



「何…………これ…………?」



 佐奈の視線の先。左手の薬指。

 そこには見たこともない、血の様に禍々しい赤色をした宝石が嵌まった指輪が、いつの間にか出現していた。

次回もVSアイナ。


今回も最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

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