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鬼闘神楽  作者: 武神
第3章 闇からの挑戦
70/133

弐拾弐ノ舞 魔人強襲

更新周期が安定しなくてごめんなさい。


第3章もエピローグを含めて残り4話です。

どうかお付き合いください。

「前に一哉君に教えてもらったんですよ、ここの景色が綺麗だって。…………もう随分昔の話ですけど。」


「へぇ、前も南条特級とは昔からのお知り合いだと仰ってましたけど、どれぐらい昔の話なんですか?」


「大体10年ぐらい前ですかねー…………。私と一哉君が出会ったのは、ホントに偶然なんですけど――――――」



 結衣が寛二を北神神社に連れ出すまでの道程におよそ5時間30分。

 あくまでも自然に、決して気取られる事無く北神神社へと連れ出す。

 それも今この瞬間をもって終わった。

 後は、彼が何故あの言葉を知っているのかを問い質す事が、最後の、そして最大のやるべき事。



「もしかしなくても、北神二級祈祷師のご実家だったりします?」


「あ、そうです。今日は咲良ちゃんは一哉君のお屋敷に遊びに来ているみたいなんで、今は居ないと思いますけど。」



 結衣は寛二を北神神社に連れ出すのに、少々強引な理由を使った。

 それは、結衣が一哉から教えてもらった、「北神神社の境内からの景色がとても美しい」というもの。

 実際の所、結衣は北神神社を訪れた事が一度も無く、10年前のあの一哉の言葉が正しかったのか確かめたかったというのもある。もっとも結衣としては、一哉と二人で来たかったというのが本音だが。

 それは全て、昨晩寛二が発した"あの言葉"の真意を確かめるため。

 これまでの5時間30分は全てその為にあったのだ。


 それはそうとして、寛二は相変わらず警戒心の欠片も無い話題を結衣に振ってくる。

 結衣が何の脈絡も無く北神神社に連れ出したにもかかわらずこういった話題を出すという事は、間違いなく寛二に警戒されていないという事なのだろうが、逆に本当に自分の予感が正しかったのかと心配にもなってくる。


 結衣の中では、寛二は完全に疑いの対象であった。

 それは、絶対に結衣しか知らない――――――覚えていれば一哉もだが、恐らく覚えていない――――――言葉を寛二がそのままそっくり発したから。

 その言葉は、今日の結衣にとって絶対であった。

 ある意味、呪いの言葉と言ってもいいだろう。

 大学入学までの間の7年間の空白の中で、南条一哉という存在を東雲結衣の中に繋ぎ留め続けた鎖の様な言葉。

 過去の一哉が不用意に放った、傍から見れば過去に縛り付けるだけの言葉は、しかし、結衣にとっては心の支えであった。


 その言葉を、全くの部外者が使ったのだ。

 なぜその言葉を寛二が知っているのか。

 結衣としては、心の中に土足で踏み込まれた気分だ。

 そしてその事実は、結衣に寛二が怪しい人物だと疑わせるのに足る事実であった。



 そうして境内を歩いて行くうちに、早くも社の前へと辿り着いた。

 辿り着いてしまった。

 真意を確かめるならばここしかない。

 神社参拝の礼儀に則り北神神社に参拝をしながら、結衣は呼吸を整える。

 万が一に備え、咲良と佐奈にバックアップを頼んではいるが、不安は拭い去れない。

 意を決して結衣は口を開く。



「ところで嶋君、ちょっと聞きたい事があるんですけど……」


「何でしょう、結衣さん?」


「どうして嶋君は…………私に良くしてくれるんです?」


「それは…………前も言ったかもしれませんけど、僕にとって結衣さんはとても魅力的な女性なんです。まさに理想と言っても良い。」



 寛二の言葉は、普段引っ込み思案な結衣にとって嬉しい言葉ではあるが、元々苦手に思っていた寛二から、しかも今は疑惑の渦中にいる人物だ。

 心が動かされるような事は無い。

 そして、それ以上に――――――



「ふふふ、ありがとうございます。でも嶋君、私が好きな人の事…………知ってますよね?」



 結衣の心の中心にはいつも一哉が居る。

 それは10年前に唯一度だけ出逢い、そして自分を救ってくれた少年の姿。

 結衣にとっては、今共に過ごす一哉も、あの時の一哉と寸分も変わっていない。

 あの時の心優しい少年のままである。



「ええ。南条特級でしょう? でも僕も前から言ってるじゃないですか。彼は決して貴女の事なんか見ていない。正直、貴女が南条特級と結ばれる確率は限りなくゼロに近い。その点、僕は貴女の事しか見ていません。僕なら、貴女の事を決して離さない。」



 一哉と結ばれるという事だけを考えれば、寛二の言う事は恐らく正しい。

 傍から見れば、寛二の言うことは正しいのだろう。

 南条一哉は対策院の特級鬼闘師で、結衣は偶然その世界に首を突っ込んだ異分子に過ぎない。

 一哉には咲良がいるし、そうでなくとも一哉は鬼闘師の名門の生まれ。

 結ばれる相手など掃いて捨てるほどいるはずだ。



「僕を選んでください、結衣さん。」



 当然、話の流れはこうなる。

 だが、その話に首を縦に振ることは出来ない。

 そして勿論、そんな実りの無い話をしに来たわけでもない。



「ごめんなさい、嶋君。私には彼しか考えられないの。それに、私が本当に聞きたいのはそんな事じゃないんです。」


「じゃあ、何ですか?」



 ここに来て。

 本番になって心臓が跳ね上がる。

 結衣の中では、寛二は完全に黒だ。完璧に疑う対象となっている。

 むしろ、「大切な言葉」を奪った盗人ですらある。

 だが、その答えを聞くのが怖い。


 結衣は胸の前で両手を握る。

 その胸の中に、一哉への想いを抱きながら。

 自らを鼓舞するように、その呪いの言葉を発した張本人の姿を頭に思い浮かべながら。



「寛二君は、どうして『あの言葉』を知ってるんですか?」


「あの言葉?」


「嶋君は昨日の晩、こう言いました。『怪魔だろうと、不審者だろうと、貴女の事は僕が護ってあげます。だって僕は鬼闘師なんですから!!』って。」


「ええ、確かに。僕の本心です。それがどうかしたんでしょうか?」



 全く動揺無く言ってのける寛二。

 あまりの白々しさに、自分の勘違いなのではないかとすら錯覚しそうになる。

 だが、結衣は意を決して次の言葉を紡ぐ。



「どうして…………どうして嶋君はあの言葉を一言一句違わず言うことができたんですか。10年前、一哉君が私にくれた言葉を…………。私がずっと忘れないで覚えていた言葉を…………。」


「そ、それは…………」



 疑いと嫌悪の入り交じった視線が寛二を貫く。

 結衣の言葉に。

 結衣の真剣な眼差しに、初めて寛二が動揺を見せる。



「もちろん、語尾は多少変わってましたけど。だけど、あの言い回しはたまたまなんかで言える事じゃない。10年前のあの時、私と一哉君の側にでも居なければ、『あの言葉』は言える事じゃない!」



 これこそが、唐突ながらも結衣が寛二を疑った理由。

 誰も――――――佐奈や咲良は勿論、美麻や一哉ですら疑いを持たなかった寛二に対して、疑いの眼差しを向ける事になったきっかけ。


 恐らく、こんな事を他の4人に伝えたところで、偶然で片付けられてしまうだろう。

 そもそも、『あの言葉』は10年前に一哉が結衣を慰めようとして言った、いわば方便のようなもの。

 言った本人の一哉はどうやら、自分達が10年前に一度会っている事を含めて全く覚えていないようだし、佐奈や咲良、美麻にとっては結衣に迫る文句の様に感じるだろう。


 だから、誰にも言えなかった。

 敢えて寛二をデートに誘って連れ出し、その真意を問いただす他、結衣には思い付かなかったのだ。

 万が一の時のボディーガード役として、佐奈と咲良にお願いをしたのは、ある意味一哉への当て付けでもあったが。


 この行為はある意味賭けであった。

 当然ながら、本当に偶然の産物であり、寛二は無実であった可能性もあった。

 だが、寛二の動揺を見る限り、黒なのは間違いないだろう。

 結衣は賭けに勝ったのだ。



「答えてください、嶋君! あなたは、一体誰なんですか――――っ! どうして……どうして一哉君から貰った大切な言葉を知ってるんですか!!」



 黒という事は、恐らく寛二は敵だ。

 どういった敵かは結衣にはわからない。

 だが恐らく、敵に――――――あくまでも直感だが、「連続通り魔の犯人」に『魔人』に情報を流す事位はしている筈だ。

 結衣は自分の直感を信じて、寛二に向かって叫んだ。


 その瞬間――――――



「貴女がずっと僕達の事を監視しているのは気づいていましたが…………。まさかこの場に足を踏み入れる勇気があるとはね。ちょっと意外でしたよ、北神一級祈祷師?」



 突如寛二の背後から伸びてきた蔦のロープが寛二を縛り上げる。

 その出処は、結衣が監視をお願いした咲良から。

 佐奈はその隣には居ない。

 最初から明らかに乗り気で無かった佐奈はどうやら帰ってしまったらしい。


 そして当の寛二は。

 笑っていた。

 その童顔に、悪辣な笑顔を浮かべて。

 悪意の塊のような表情で結衣を見ている。

 いつもの人の良さそうな笑みは最早どこにも見られず、ただそこにあるのは邪悪な意志のみ。



「何よ。私が見てた事に気付いてたのなら、今の霊術だって躱せたでしょ? 随分と余裕があるじゃない、嶋寛二――――――いや、『連続通り魔事件の犯人さん』?」



 その言葉に、寛二は咲良の方へと首を回す。

 同時に、結衣にもそのその右手に持つ物が見えた。

 後ろ手に隠し持つ、漆黒のタクティカルナイフに。


 結衣は自分の予想を超える事態に驚くしかない。

 精々、事件解決の糸口を見つけられれば位にしか思っていなかった。

 大切な言葉を盗み、自分達を狙う者の正体を暴ければ位にしか考えていなかった。

 だが、結衣の行動はいきなり本命を引いてしまったのだ。

 目の前に居るのは恐らく、咲良の言う通り本物の「連続通り魔の犯人」。



「へぇ…………。という事は、さっきの話と言い、ここに北神一級がいるのは貴女の差し金ですか。結衣さん?」



 寛二は咲良の方を見たまま結衣に問いかけた。

 咲良の尾行には気付かれていたようだが、どうやら一哉が手配したものだと思っていたらしい。

 その点では、結衣は上手く事を運んだと言えるだろう。



「…………そうです。私は…………嶋君が『あの言葉』を私に言った時からずっと疑ってました。私や一哉君を狙う人達の仲間なんじゃないかって…………。まさか本当に『連続通り魔事件の犯人』だとは思いませんでしたけど。」



 結衣のその言葉に、寛二は気味の悪い、悪意のこもった笑みを崩さぬまま、結衣を睨む。

 結衣はその笑みに背筋を凍らせた。

 その胸中に到来するのは、生理的な嫌悪感と根源的な恐怖。

 見ているだけで精神を犯されそうな邪悪な表情。

 一体どうすれば、こんな悪意を煮詰めて凝縮したような笑みを作れるのか。



「なるほど。貴女を確実に落とすために仕入れた記憶情報が仇となりましたか。でもまあ、いいでしょう。」



 突如、寛二を縛る蔦のロープが切断されて落ちた。

 寛二は完全に捕らえられていた筈だ。

 ナイフを振るう隙もない程に。

 だが、事実、拘束を解いた寛二は何事も無かったかのように順手にタクティカルナイフを構え、二人に向かって歩き出す。



「貴女如きが僕の前に立ちはだかったところで、何の障害にもならない。そんな、脆弱で、貧弱で、芸の無い霊術しか使えない貴女なんかがね。」



 そうして寛二が右手のタクティカルナイフを逆手に構えなおしたところで――――――



 ドンッ―――――――!



「咲良ちゃん、勝手にいなくならないでよ。まあ、今回はゴール地点わかってたから良いけどさ。」



 寛二の足元に、岩の槍が突き刺さる。


 結衣は振り返る。

 その槍の出処を確かめるために。

 振り返ったその先。

 参道階段の最終地点、鳥居の下には帰ったと思っていた佐奈。


 そして。

 敵を警戒させないために。

 そして、自分の事で心配をかけさせまいと。

 自分だって役に立つんだと証明する為に、敢えて呼ばなかった筈の一哉が。



「一哉君…………どうして?!」



 結衣のその呟きに答えたのは佐奈。



「結衣さん、お兄ちゃんの役に立ちたいって気持ちはわからなくは無いけど、自分の立場わかってる? 認めたくないけど、結衣さんに何かあったらお兄ちゃんが悲しむんだから、あんまり軽率な行動取らないでもらいたいんだけど。そもそも対策院の局員でもない結衣さんが首を突っ込む様な事でもないんだけど。」


「まあ、そう言うな佐奈。思わぬ形とは言え、こうして真犯人があぶり出されたわけだしな。」


「お兄ちゃん?! いつも思うけど、結衣さんにだけ甘すぎ!! お兄ちゃんがそんなんだから、あの人いつまでも調子に乗ってるんじゃない!」



 この2週間程、皆の頭を散々悩ませ続けた「連続通り魔」。

 その真犯人を前にして突然兄妹喧嘩を始める一哉と佐奈の二人。

 まったく、この二人には緊張感というものが無いのだろうか。

 何となく佐奈はいつも通りな気もするが、一哉も敵の目前で漫才の様な喧嘩を始めるとは、意外以外の何物でもない。


 だが、そんな二人を見ていると、恐怖に凍り付いたはずの結衣の心も僅かながらも和やかなものとなる。

 まるで、凍え冷え切った身体に焚火の火を近づけて貰ったような。

 一哉自身にはその気は無い――――――むしろ大真面目にやっている可能性の方が圧倒的に高いし、恐らく偶然でしかないのだろうが、それでも南条一哉という存在は、結衣の心を暗い底から救い上げてくれる。

 そう思っている。

 そう思ってしまう程、圧倒的な信頼感と好意を抱いてしまっているのだ。

 10年前のあの日から。



(やっぱり、私は一哉君が好き…………)



 あまりにもこの場には不釣り合いな想い。

 だが、それこそが結衣――――東雲結衣の中心。

 昔から変わらぬ、幼き日に垣間見た夢の続き。



「まあ、色々と置いといてだ。よくもやってくれたじゃないか、嶋。」



 一哉の声に、結衣はふと顔を上げる。

 いつの間にか喧嘩を終えていた一哉が、寛二に相対していた。

 だが、一哉の纏う雰囲気は先程までとは違ってしまっている。

 どこかピリピリとした、緊張感を孕んだ空気だ。


 どちらかと言うと、この場にはその様な雰囲気の方がふさわしい。

 だが、結衣の中の少し甘い気持ちはすっかりと吹き飛んでしまった。



「南条特級――――南条一哉。貴方まで出てくるとは予想外でしたよ。てっきり、『出来損ないの龍(ディフェクティブ)』探しに躍起になって、こっちは放置するのだとばかり思ってましたよ。」


「ディフェクティブ…………?」


「あぁ、貴方方ではこの呼び名では通らないんでしたっけ? ホラ、奴ですよ。貴方が『アイナ』と呼ぶあの――――――」


「――――っ!! お前、やはりアイツの事知ってるのか?!」



 寛二の言葉に、劇的に一哉の纏う雰囲気が変わる。

 まるで研ぎ澄まされた針の様な、身を刺すような空気だ。素人の結衣にすら、一哉に戦いのスイッチが入ったことがわかる。



「さあ、どうでしょうね?」


「お前…………っ!」


「そんなに気になるなら、力づくで聞き出してごらんなさい、南条一哉。得意でしょう? 脳筋な貴方なら。」



 寛二から放たれる、明らかな挑発。それは結衣の目にもしっかりと映っている。

 しかし、結衣の視点で見る限り、一哉はその挑発に簡単に乗ってしまっている。



「二級鬼闘師風情がふざけやがって…………っ!」



 一哉は【神裂】を抜き放つと、その鞘を投げ捨てた。

 その行為が、結衣の目には何か不穏な様なものとしか思えない。


 少なくとも、結衣の知る南条一哉とは、激情に身を任せて暴れまわる様なタイプの人間ではない。

 鬼闘師としての階級だけを見れば、一哉には万が一の負けも無いのだろうが、今この瞬間はどう見ても寛二の策に乗せられている様にしか見えない。



「ま……まって、一哉君…………!」



 思わず一哉の方へと手を伸ばすが、その手も声も届かなかった。

 一哉は既に寛二の方へと向かって行ってしまっている。

 そして。



「いやぁ、まさかここまで乗せられ易いとは…………。」



 寛二は頭を垂れて視線を落とす。

 だが、それは戦いを諦めただとか、戦う気がない等といった理由でない事は明らかだ。

 肩は小刻みに震え、その口からは堪えきれていない笑いが漏れる。



「ククク…………。助かりますよ! バカは扱いやすくてねぇ――――っ!!」



 寛二は再び、あの狂気と悪意に満ちた笑顔を浮かべると、ナイフを握る右腕を高々と掲げた。



「来い、『魔人』共っ!! 僕の敵を討ち滅ぼせっ!」


「な、何だと?!」



 寛二の宣言と共に、何処からともなく無数の黒フードの集団が現れ、一斉に一哉に襲いかかる。

 その数、パッと数えただけでも約10人。

 結衣が気付かなかったのは当然として、佐奈も咲良も、そして一哉でさえもこの人数が潜んでいる事に気がつかなかったらしい。



「気の探知に関しては歴史上稀に見る程の才能を持つ普段の貴方なら、『魔人』の気配遮断すら破って、対策を取ってきたんでしょうが、今の貴方には無理な話だ。」



 寛二は持っていた鞄から眼鏡を取り出してかける。

 寛二が眼鏡をかけているところなど見たことが無かったが、その所作を見る限り、こちらの方が普段なのだろう。

 狂気を孕みながらも落ち着いているという、一見矛盾した雰囲気を纏い始める寛二。

 それと同時に、寛二の黒髪が真っ白な白髪へと変化していく。



「南条一哉。確かに貴方は強い。普段なら【神流】様の傑作たる僕ですら歯が立たないのでしょう。だが、貴方にはあまりにも弱点が多すぎる。家族を、仲間を失う事を恐れるあまり、すぐに怒りの感情に支配されてしまう。安定した精神が霊術の運用に欠かせないと言うのであれば、貴方のその性質はあまりに欠点に過ぎる。」



 大勢の『魔人』相手に身動きを取れない一哉を尻目に、寛二は今再び結衣を標的に定める。

 ただ、狂気の笑みを顔に浮かべ、何も警戒すること無く、悠然と歩いて。



「僕は【壬翔】。四天邪将・青龍位の【神流】様の最高傑作。南条一哉、貴方を絶望へと叩き込み、そして殺す者だ。」

今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。

次回もよろしくお願いします。

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