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月曜日の2時間目
ケータイ小説のようなどきどきした展開も、
推理小説のような読み手の皆さんを裏切る展開も、ありません。
ただただ、女子高校生なのです。
もし、私が日記をつけるとすれば、きっと4ページ目は埋まらない。
「おーい、あと5分、頑張れよー」
間延びした、けれど生徒が確実に目を覚ますすこし鋭い声が私を起こした。
…あー、全然ノート書いてねーじゃん。
20分前の自分のミミズのような努力の続きを必死で写す。
なんなんだ、μって。読み方すらわからん。
はっきり言って、物理を勉強する価値なんか全く感じない。
たとえあるにしたって、私にしてみればそれは、幽霊みたいなものだ。
でも、幽霊のせいで評定が悪くなるのは癪だ。
そのせいか、私ほど物理が嫌いなやつはいないだろうに中間テストは学級2位だった。
キーンコーンカーンコーン…
…まだ黒板、書いてる。
男子なんか購買ダッシュの為にこっそり席を立ってる奴だっている。
よく気付かねぇよなぁと、不思議に思う。
「じゃ、挨拶はいいから、ノート取っておけよー」
やっと2時間目か…、今日は長いな。