あれは、何だったんでしょう?
やっと妖精の気配が。
私の前に立ったおじいさんは、ニンマリ笑った。いや、満足そうな顔から察するに最高の笑顔を向けてくれたようだ。
「×××××××××××」
おじいさんが何かを言うとさっきの気の弱そうなお兄さんが小さな紙と筆のような物、小さな瓶を3つ持って来る。
お兄さん慌てすぎだよ。10mちょいしかないのに、どうやって3回もつまずくんだ。
おじいさんは何とか無事に荷物を運んで来たお兄さんを『もういいぞ』って感じでサッサと追い払ってしまった。ご苦労さまです。お兄さん。
お兄さんの方を見ている間におじいさんは、何やら作業をしていた。
手のひらサイズの紙に筆で魔法陣ぽい物を書いて、瓶から取り出した粉を塗りこんでいる。
………。
魔法!?この展開は魔法!?目の前で魔法みられる!?
ドキドキ ドキドキ
「×××…×× ×××××××〜××…」
おじいさんが何かをつぶやいている。呪文?あいかわらず何を言っているのかは、分からないけど。
「××××!」
あっ…。
魔法陣の紙に描かれた魔法陣が光って………
フワッ……!
魔法陣の中から何かが…
それを一言で現すならば
『妖精』。
小さな人型に薄い羽。
白い光で微かに発光する。
よく見るとそれは2人いるようだ。
一人は私に近づいて、もう一人は遠ざかる。
じーっ と見ていると、近づいて来る妖精(仮)と目が合った。何故だか一瞬驚きの目で見られた気がする。なんで?
ギリギリまで近づいて…消えた?
おじいさんの方を見てみるともう一人の妖精が頭の上に浮いている。おそらくこちらの妖精も頭の上に移動したのだろう。
「言葉が分かりますね?」
おじいさんが何ごともなかったかのように話しかけて来た。
「あぁ、 はい。分かります。」
って、あれ?
あれは、何だったんでしょう?
分からない部分が『××××』だと
呪文の時に雰囲気が出ない。
まぁ、今回までだしいいよね?(←おい)