成功した!
現在、魔法の使い方について学んでいます。
ハオン(・・・)によると『魔法を使いこなして自力で帰る方が早い』からだそうだ。
…『ハオン』は私が考えた、妖精の名前。
人の名前とか良く分かんないし、自分でもどうかな〜と思ってるけど…
本人は気に入ってくれたらしいからいいか。
実は『波音』だったりするんだよね。
何かを伝えたりするのが得意な妖精らしいので、そこからイメージする漢字をいろいろ組み合わせてこうなった。
あくまでイメージだけど。
ハオンは少しだけど人の考えてることも分かったりするらしい。
あと、すごいこと教えてもらった。
私は魔法に関してすごいらしい。
使いこなせせばぶっちゃっけ、チート…らしいです。
「まず…お風呂に居る水系の子を連れて来た方が良いわね。
私でも良いけど効果が肉眼で見えにくいわ。」
はいはい。
お風呂場に行って天井の当たりに浮いてる妖精に話しかける。
青くて長いふわふわした髪が特徴的だ。
「えーと、魔法の練習をしたいので来てもらえませんか?」
「いいよー。じゃあ、手を伸ばしてー。魔力がもらえないからー。」
「?
これでいいの?」
手を伸ばすと妖精が私に沿って降りてくる。」
「おっけー。私達妖精はー常に魔力が供給されてないとー、すぐに単体としての存在がきえちゃうのー。」
語尾が伸びる喋り方だな…。
あれ?
「常に魔力がいるって、今まではどうしてたの?」
「あれー。あの『魔石』から貰うのー。」
よく見ると天井の一部に魔法陣を刻みこんだ宝石のようなものがはめ込まれていた。
それに魔力が溜め込まれているそうだ。
水を出すときは、シャワーのスイッチに反応してそこから魔力が出るらしい。
いつもは魔石から漏れる魔力を貰ってるんだって。
今は私が持つ魔力を拾っている状態だ。
妖精って魔力を貰えないと死んじゃうんだ…。
てことは、シャワーとか翻訳みたいな固定して使い続けるものじゃ無い限り、人間の用が終わったら消えてしまうのだろうか…。
部屋に戻ると、早速実践!と言われる。
ハオンがきびきび指示を出してます。
「まずは、水球でも飛ばしてみようかしら?
うん、じゃあそういうことで!」
そういうことで…私はどうしたらいいのかな!?
「林優奈は魔力を込めて!」
………。
あれ?
「なんでフルネームなの?」
そういや、ずっと『貴方』だったけど。
「フル…ネーム?」
………。
ハオンはちょっと首を捻ってから納得したように顔を上げた。
「あ、そうか。貴方の名前って二つにわかれてるのね」
「名字と名前ってこと?」
「それそれ。その名字?がこの国にはないのよ。あるとすれば王族ぐらいかしら?国名をつけるのよ。」
「あー。それでか。じゃあ、私のことは優奈って呼んで。」
「わかったわ。じゃあ、優奈は水球を作りたいと思いながら、えーと、とりあえず力を注ぐイメージをして…
パシャンッ
へ?
説明が終わる前に私のまえに二十センチくらいの水の塊が浮いていた。
私、まだ何も…
「よし!ついでに…お風呂の方に飛ばすのよ!」
飛ばす?
私が扉を開け放した風呂の方を見たときには…
既に水球がすごい勢いで飛んでいた。
ベッシャーン!!
水球が壁に当たってはじけた音がした。
「いいわ!成功よ!」
「やったねー」
え?え?
あ・・・
と、とりあえず
初めての魔法が
成功した!
やっと魔法が…。
コレが今年最後の更新です。
来年も読んで欲しいので、頑張ります。
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感想、メッセージをくださった方
本当にありがとうございます<(_ _)>
ぜひ、来年もよろしくお願いいたします。
次は一月六日になります。
ではでは、よいおとしを。