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そんな力は私にない。

「美人にしてくれてうれしいわ♡」

そ、そうですか…。


他にも質問をして色々分かった。


この世界には『妖精』という概念がない。だから見えないみたいだ。

妖精の気配やエネルギーを感じても『魔法』の現象の一部だと思ってしまい、結果『妖精』という存在を認識しない。=イメージが無いので見えない。


「でも、私も妖精を信じてた訳でも見たことがある訳でもないけど?」


「私が生まれたときに漠然とでもイメージしてたらいいのよ。それを手がかりに私は貴方の中に『見える』という認識を作るから。」


それなら心当たりあるかも。


「だって、魔法陣だったら何か出てくると思わない!?魔法陣が小さかったから出てくるのは妖精位がてごろだし。」


「…貴方の世界ではそういうもんなのかしら?」

いや、そういうわけではないけど…。

私のメルヘン具合が原因…?


    ゴン!ゴン!


びくっ

突然なった音がノックだと分かるまで3秒位かかった。


「は、はい!」

えーと、こういうときって「どうぞ」とか言うべきなのか?


迷ってる間に「失礼します。」と人が入って来た。返事だけで入室の承諾なのかな。


入って来た人は女の人だった。


「準備ができましたので、ご案内します」

ええ!?説明少なすぎませんか?

どこへ行くの?

その前に誰ですか?


なんか美人だけどすごい無表情というか…全体的に事務的な感じの人だな。


「あの…どこへ?」


「…これは失礼いたしました。こちらも話し合いが終わりましたので、林優奈さまのご意見も入れて話し合いを。

さらに、国王陛下がぜひお会いしたいそうなので謁見ようの大広間にご案内するようにと。」


「はぁ…わかりました。」

国王…。王制らしい。国の中で実際に一番偉い人に合うなんて緊張するな。


「あーーーーーーーー!!結局名前決まってないじゃない!このまま貴方が帰ることになったらどうするのよ!!」


妖精が隣で騒いでいる。


うーん。

時間稼ぎのつもりが逃げ切ってしまった。この『妖精』って呼び方にも違和感あるし、確かに名前はつけたかったな。

こっちはこっちで私が帰れるかどうか聞こうと思ってたのに、魔法とかについて聞いてたら聞きそびれちゃったし。

『帰る前に名前考えていくよ』と言おうとして…慌ててやめた。

この世界の人には妖精が見えない。今話しかけたら私、完全に一人で喋ってるへんなひとだよ。


事務的な美人さんの方に向き直ると、


じーーーーーー。

? なんかすごい観察されてる。

気がする。

気のせいかな?







とにかく、案内されて移動してます。

しかも、護衛(?)みたいに騎士っぽい人が二人ついてます。

妖精は名前のことについてまだぶつぶつ言いながらついてきてる。

あと、来るときも思ったけど廊下とか無駄に長いし豪華なんですけど。




いや…もっと気になるのはさぁ…。

騎士っぽい人たちに明らかにチラチラ見られてるよね?

そんなにめずらしいのかっ!


めずらしよね。 異世界の人だしね。

…少し話しかけてみよう。


「あの、『国王陛下』てどんな方なんですか?」


「っ! 国王陛下ですか?ご自身も魔導士でとして研究に取り組む聡明なお方です。


しかし…伝説『ニホンジン』に話しかけてもらえるなんて…。」


え?え? すごいキラキラした顔でみられてるんですけど。

ヒーローショーとかの後に握手して貰う時の子供みたいに瞳がキラキラなんですけど。

なんか…こういう反応になれるべきなんですか?わたし。


「どうかその異界の力で私達を導いてください。」


ええええええええぇぇぇぇ。

ちょっ、私何者なんですか?って聞きたくなるんですけど!?

私は、帰りたいんです!!


だいたい、


そんな力は私にない。




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