そんなことはない。
題名が強引になりました。
今回、説明が多くなりました。
「私そもそもその魔法については名前しか聞いてないよ?効果とかも名前から予測できる範囲でしか。」
「そうねー。それを説明するのは、私の自己紹介にもなるしちょうどいいわ。」
そっか。魔法そのものだもんね。
ピーン!
「じゃあ名前ってその『意思疎通翻訳魔法』なんじゃないの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ち、ちゃんと考えマス。」
すっっごい無表情で沈黙されました。そんなに名前楽しみなんだ…。
頑張らないと。
「うんうん。えーと私はね〜結果的には『翻訳』だけど行ってるのは『意思』を伝えることなの。」
「? うーん。よくわかんない。」
「目的は『言葉が違うもの同士で話すこと』なんだけどね。起きてることはもっと複雑なの。私…たちが二人いたのって分かった?」
「もう一人、魔法を使ったおじいさんについてたね。」
「そう、それ。ちなみにその『おじいさん』は最上級魔導士の一人で研究所の所長よ」
よくわからないけど偉い人らしい。だから代表して出て来てたのか。
「作業としてはまず、おじいさんが喋ったことの意味を向こうの妖精が理解する。で、私達は意思が共有されてるから私も理解できるわ。後は私が貴方の頭の中に直接その言葉を伝えるの。同時に耳から入っている本物のおじいさんの声は情報として受け取らないようにして。これで貴方はおじいさんが自分が理解できる言葉で話してるように感じるわ。」
「あー、妖精二人で通訳していて、私はおじいさんの声を直接きいてないってこと?
それに、妖精は私みたいな異世界からきた人の言葉もわかるの?」
「あらー。これまた的確な質問ね。ちょっと聞きたいんだけど…貴方からして私ってどう見えるのかしら?」
「え、突然だなー。……キャラが濃い…とか?」
「そうかしら?そんなにキャラが濃い?
ってそういうのじゃなくて見た目てきなことよ!」
おお、コッチの世界にもノリツッコミ有るんだ。
だって最初にそう思ったんだからしょうがない。
見た目ねえ。
「スタイルもよければ顔も整ってる。うらやましすぎる。白い髪に青い目も綺麗。
あと背中の透明な蝶の羽みたいのが神秘的。すごく妖精っぽい。」
あんな薄い羽でどうやって飛んでるんだ?
「ありがと。…なんか変な感想が混じってなかったかしら?」
な、なんのことかな?
私は嫉妬なんかしませんよ?本当に
「それよ。『すごく妖精っぽい』ていうのは実は当たり前なの。だって、私の姿を決めるのは見るひとだから。」
見る人?…私?
「私は本来エネルギーに意思が宿ったものだから。貴方が『私の存在』を認識したことで私は貴方に干渉して『妖精の姿が見える』と
感じさせてるだけ。だから、貴方の目に映る私は貴方のイメージ次第で違うものになるの。声や言葉も同じ。貴方には伝えたい気持ちやイメージを直接送ってるから、私の声や喋り方がどんなのかは貴方が決めてるのよ?」
つまり、同じ言葉を聞いても人によって受け取り方が違う様なものらしい。
妖精の見た目も然り。
通訳に関しては妖精が伝えているのが『言葉の内容』そのものなのだ。それを受け取った私が無意識に頭の中で自分の言葉に置き換えている。
だから、言葉使いや見た目は私が脳内で当てはめている…
うー
情報があり過ぎて混乱してきた。
でも、ひとつ重要なことが分かった。
この|ひと(妖精)のキャラが濃いのって半分わたしのせい?
しゃべり方とか私のイメージってことだし
………。
そんなことはない。
………よね?