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Heavens tree~天国の樹~

作者: マリア
掲載日:2012/08/15

朝、強烈な寒気と伴に俺は目を覚ます、五年前のある日この国に異常気象が訪れ冬しか

季節のない氷の国となった、毎朝寒気で目を覚ますようになったのはこの日からだ。

 俺の名は雪原透《ゆきはらとおる》十八歳、今年で十歳になる妹を持つ兄だ。両親は異常気象とともに訪れた流行り病にかかり二人とも亡くなった、それからは俺と妹の二人で暮らしている。

『さて、涼香を起こさないと。』

妹の名は雪原涼香《ゆきはらりょうか》、俺の唯一の家族だ。『涼香、朝だぞ。』俺が起こしに行くと涼香は寝むそう目を開き『おはよう兄さん・・・。』と返事をする『おはよう涼香。』

俺が返事をすると眠そうに起き上がりリビングに向かう。

『朝ごはん作るからちょっと待ってろ。』

と俺は言いキッチンに向かう、朝ごはんと言ってもこの国は異常気象で野菜が育たないので、パンがメインだ。それでも、俺は涼香に毎日味気のないパンばかり食べさないと決めているから金銭的に無理があっても毎朝違うごはんを出せるように工夫している。ちなみに俺は学校に行っていない、親が亡くなってすぐに学校を辞め雪の除雪をして回る仕事に就いた、涼香には学校に行って欲しくて俺は日々働いている。

『よし、じゃあそろそろ行くか。』

と朝ごはんを食べ終わった涼香を見て俺は言う

『うん、ちょっと準備してくる。』

とパタパタパタと自分の部屋に駆けていく、その間に俺は朝ごはんの片づけを済ます。そして五分『準備できたよ。』

と涼香の声が聞こえたので俺は玄関に向かい涼香と一緒に玄関を出る、涼香とは途中まで一緒に歩きバス停で別れる。この国には大規模な学校が一つあるだけなので通学にはバスを使わなければならない。

『行ってきます、兄さん。』

と涼香は俺に手を振りバスに乗り込む、そして俺はバスが出るのを見送ってから仕事に向かう。

 俺の職場は近い事もあれば遠い事もあるが基本的には近場で道路除雪やこの異常気象で氷ついてしまった車や機械などの氷を溶かすもしくは砕くのも仕事の一種だ。この仕事は大きく二つに分かれており除雪・解凍を行うグループAとこの国全域に支部を置き仕事を管理する事務をこなすグループBだ、俺はグループAで除雪を行っている、今日も職場に向かっていると

『雪原くん。』

と後ろから声が聞こえたので振り返ると同じグループにいる一人の女性がいた

『おはよう』

と俺が言うと彼女も

『おはようございます、雪原くん。』

と返してきた。彼女の名は白雪光《しらゆきひかり》、グループA唯一の女性だ。

身体つきは普通よりどちらかというと細い、当然力仕事には向いていない。彼女に『どうしてAをえらんだんだ?』と聞くと『私、機械は使えないから。』

と笑いながら言っていた、俺はなるほどなと返事をして、それ以上は聞かなかった。そうして白雪と十分歩くと今日の職場についた。

俺が屋根に上り雪を落とし、白雪が落とした雪を一か所にまとめるというローテーションで仕事をしている。俺が上から白雪を見ていると、白雪は『う~ん』と呻きながら雪を押しているが雪は微動だにせず『はぁ・・・はぁ』と息を切らして、雪の山を半分に分けて押していたがそれでやっと動いたくらいで、それでもとてもつらそうだった。俺が上から『変わろうか?』と声をかけると『大丈夫だよ。』と白雪は息を切らしながら返事をした。こうして一日仕事をして帰宅すると涼香が出迎えてくれて

『おかえりなさい、兄さん。』と言ってくれる。

『ただいま。』

と俺は答え晩ごはんの支度を済まし涼香と食べているとふと思い出したように涼香が言った

『今日、学校で友達が倒れたの、恐らく流行り病じゃないかって。』

それを聞いて俺は涼香に

『そこまで感染が広がっているのか、涼香も気を付けろよ。』

『うん。』

と涼香は落ち込みながら返事をした。流行り病というのは五年前に発見された病で治療法や有効な薬もまだ見つかっておらず、かかれば最後五感や手足の感覚が除々に奪われていきやがて全てが機能しなくなり死に至るという謎の病だ。

 しばらくこの話をしていると時刻はすでに二一時になっていた、涼香は小学生なのでこの時間には眠るように言っている、涼香も気がついて自分から『兄さん、私もう寝る。』と言って自分の部屋に戻って行った 俺も晩ごはんの片づけを済まし眠りについた。・・・・・・・・・・・・


『ここは・・・』気がつくと俺はあたり一面真っ白な雪原にいた、俺の前に大きな樹が佇んでいた。俺がその樹に近づくと樹の根元に少女がいる事に気がついた、俺はこの少女を知っている、この少女の雰囲気を知っている、だが名前と顔が思い出せない、声を出そうしたが声が出ない、すると少女は俯きながら小声でつぶやいた。『兄さん』

                     

私は毎日兄さんが起こしに来てくれるまで布団に入っている。兄さんが来ると挨拶を済まし朝ごはんの席に着く、兄さんはいつも私を起こしてくれるし、朝ごはんも作ってくれる、私の為に働いてくれている、頼もしい兄です。

 朝ごはんを食べ終わると兄さんと私は一緒に家を出る、バス停まで歩いてそこで別れる。

バスにのって『行ってきます。』

と言うと兄さんは手を振ってくれる、そしてバスに乗って十五分すると前の方に大きな建物が見えてくる、あれこそが。アイシクル唯一の学校『アイシクル・ガーデン』 この小さな国の1/3を占める大きさのある学校で兄さんが言うには五年前までは黄と緑をメインとした外装だったらしいけど、今は五年間の吹雪の影響で真っ白になっている。門をくぐると中庭に出る、昔は緑にあふれて休み時間になると生徒が集まっていたらしいけど今は寒さの影響で誰も中庭に訪れなくなったそうだ、教室に入ると友達の1人が駆け寄ってきて『荒川くん流行り病が発症したらしいよ。』と言ってきた、このクラスでも流行り病は出ている、今日で五人目だ。流行り病は感染経路が特定されていないので予防が出来ず感染すると死を待つのみと言われている、話をしていると、先生が来てみんなに言った

『荒川は流行り病で昨日の夜に亡くなった。』

クラスがざわめいた、そして先生が

『今日は流行り病についての会議があるので休校になった。』

そう言って終礼を済まし、職員に向かって行った、私はバスに乗り早く家に帰ったけどそういえば今日は兄さんの職場が近いはずなので、初めて行ってみる事にした。職場に行ってみると兄さんが小屋の上で雪を落とし、その下で細い女の人が雪を一か所に集めている、私は少し近づいて

『兄さん。』

と呼んでみたら、兄さんがこちらに気付いて小屋から降りてきた。

『涼香、学校はどうしたんだ?』

と聞いてきた

『今日は流行り病の会議があるから休校になった。』

そう言うと兄さんが『そっか、じゃあ向こうの建物で待ってろ。もうそろそろこっちも終わりそうだから。なぁ白雪。』

兄さんが問いかけるとその女の人はこっちに歩いてきて

『ええ、あと一時間くらいね。』

そう言った後に兄さんが

『この人は白雪光、同じグループでペアを組んでる。』

そう聞いて私が女の人を見ると

『こんにちは、私は白雪光あなたは確か涼香ちゃんだったかしら。』

兄さんが私のことを話していたようだ。

『はい、私は雪原涼香です。よろしくお願いします。』

と返すと光さんも『こちらこそよろしくね、涼香ちゃん』

と互いに挨拶を済ますと兄さんが

『よし、じゃあ挨拶も済んだところで残りの雪を片づけるか。』

と言うと光さんも『そうね。』

と言って二人ともちょっと離れた小屋まで行って仕事を始めた、

『私も小屋に移動しよう。』

と考えているとだんだん眠気が出てきたそう言えば今日はずいぶん歩いたから疲れてるんだ、

私は小屋に入って木で作られた椅子に腰かけ眠りについた。・・・・・・


 気がつくと家にいた、兄さんが運んでくれたらしい後少しおかしな夢を見た、小さな女の子が大きな樹の下でずっとうずくまっている夢・・・声をかけようとしても声がでない、すると向こうから小声で

『雪の中に眠る光・・・やがて薄れ・・』

そう言った所で私は目を覚ました、枕元に手紙が置いてある。

『涼香へ、昨日は疲れてたんだな、今日は土曜日だからゆっくりして疲れをとれ、朝ごはんは冷蔵庫に入れてあるからおなかが空いたらたべろ、今日は仕事で遅くなるから晩ごはんも用意してある待ちきれなくなったら先に食べてもいい、それじゃいってくる。透より』

と書いてあったので私は朝ごはんを食べボッーとしているとまた眠たくなってきた

『最近疲れやすくなってきたような気がする、気のせいかな。』

と思いいつの間にかとベッドで寝入っていた。


 昨日は予定より三時間も遅れて仕事が終わった、俺が横の建物に向かった時にはもう時刻は二一時を回っていた涼香をおぶって外に出ると白雪が待っていてくれた。

『涼香ちゃん、相当眠たかったんだね。』

『今日は涼香すごい歩いたんだろうな、俺が起こして起きないなんて初めてだ。』

と話をしながら帰り道を歩いていると時々白雪がふらついている気がする

『白雪、大丈夫か。』

と聞いてみると『最近の疲れがたまってきたみたい、大丈夫寝たら治るよ。』

『大丈夫なら、いいんだ。』俺はそう返事をし、別の話を切り出した

『白雪の周りでは流行り病は出てるのか?』

白雪は暗い顔で言った『私の知り合いが三人亡くなったの、雪原くんは?』

と尋ねてきたので『俺は親が二人とも亡くなった、涼香の友達も五人亡くなったらしい。』

そう答えると『ごめんね、思い出させるようなこと聞いて。』

白雪は謝ってきた『いいさ、元は俺が聞いた事だし。』

その話をしていると家が見えてきた。

『それじゃあ、この辺で。』

『うん、また明日ね。』

俺は白雪と別れ小走りで家へと向かった。

『なんだか今日はいちだんと冷えるな。』

そう呟いて俺は家に入った、誰もいない家の中は真っ暗で涼香をソファーに降ろして明りをつける。『今日も一日疲れたな、早くごはん済ませて風呂入って寝るか。』

俺はすぐに風呂に入り涼香は眠てるので一人でご飯を済ましベッドに横たわるとすぐに眠りにつこうと目を閉じると、頭の中に何かが流れ込んでくる。

『に・・・・い・・・さ・・・ん・・・。』

俺はそれを聞いて何かを感じ外へ飛び出した。すると家の前にある公園の中央にわずかな光が差し込んでいた、俺は光の元へ歩いて行った。俺が近付くと、光の中から声が聞こえる、『雪の中に眠る光・・・やがて薄れ・・・流れ込む・・・闇・・・失う・・・覚悟・・・』

そして見えた気がした・・・光の中に・・・夢で見た少女が。


気がつくと朝だった、いつもより悪い目覚めだ。

『昨夜の声はなんだったんだ?』

俺は光の中から聞こえた声だけを鮮明に覚えている

『失う覚悟・・・・か。なんのことだ?まぁいい涼香を起こそう。』

涼香の部屋に向かうと涼香は眠っていた、

『涼香、朝だぞ。』

俺が呼びかけても涼香はいつも見たいに起き上がらない

『涼香、朝だぞおきろ。』

そう言って身体を軽く叩くと

『ううう』

と呻きながらも目を覚ました

『兄さん、おはよう。』

『おはよう、涼香。』

目は覚ましたが涼香はなんだかとても疲れた雰囲気だ

『涼香どうした、体調でも悪いのか?』

と聞くと『ううん、ちょっと疲れてるだけ。』

涼香がベッドから起きあがろうとした時に涼香がフラッと倒れかけたので慌てて身体を支える、

『どうしたんだ涼香!』

涼香は答えないつらそうに息をしている

『ハァ・・ハァ・・ハァ・・』

僕はすぐに涼香を病院に連れて行くことにした、仕事は白んに連絡して休もう、白雪に電話をかける

『・・・・・・はい、もしもし』

白雪がでた

『白雪、今日の仕事は休む』というと

『どうしたの?なにかあったの?』と聞いてきたので

『涼香が倒れた、だから病院に行ってくる。』

そう言うと白雪は

『え、そんな・・・雪原くんは大丈夫なの?』

『俺は大丈夫、じゃあ俺もう行く。』

『あっ、ちょっと待っ・・・。』白雪が何か言いかけていたが俺は電話を切った。

『待ってろ涼香すぐ病院に連れて行ってやるからな。』

俺は急いで日頃余り使わない父の使っていたスノーモービルに涼香と乗りこみ、エンジンをかける

『動いてくれよ・・・・。』

長い間使っていないからエンジンが凍ってしまっていることもある、心配したが

『ブロロロロ・・・』

エンジンは問題なくかかった、『よし、行くぞ。』

俺はスノーモービルを走らせた。二十分走るとやっと病院が見えてきた、涼香の息づかいが荒くなっている、『いそがないと、いそがないと・・・。』

病院の前に着いた。俺は急いで病院に入って受付に向かうと、すごい量の人がいた、一時間は待たないといけない。『くそ、早くしないといけないのに。』

俺がいら立っていると不意に携帯が鳴った『もしもし。』

俺は通話相手も見ず苛立った声で電話にでた『雪原くん。』

白雪だった。『どうした、今電話してる場合じゃ・・・』

と言いかけたその時病院の外に白んが見えた、俺は涼香を待合室に預けて表にでた

『白雪仕事は?』と聞くと『私も休んだ、病院に行くって聞いたから、今はどこの病院も流行り病の影響ですごい数の人が押し寄せてるの。』

それを聞いて俺は・・・『そんなこと、わかってる。』

白雪にそっけない態度を取ってしまった

『私の家今は小さな病院なの、お父さんが病院の先生で薬も残ってるし、診察も出来る、だから私の家に来て。』

白雪がそう言ったので俺が、『いいのか?』と聞くと

『いいよそれより、急がないと。』

俺はスノーモービルに白雪と涼香を乗せ白雪の家まで向かった。病院から白雪の家はそう遠くなかった、

『さぁ、入って。』白雪に言われ俺が入ると向こうから白衣をきた三十~四十くらいの男が歩いてきて

『ふむ、この娘か。』

その男は涼香を見て何やらメモを取り始めた、俺がその男に

『あなたが白雪のお父さんですか?』と聞くと

『いかにも、私が光の父 洸輔《こうすけ》この娘の名は?』

『涼香です。』すると洸輔さんは

『涼香・・・・』

洸輔さんが一瞬表情を強張らせた。『どうかしましたか?』俺が聞くと

『いやなんでもない、では診察を開始する。涼香ちゃんをこっちに。』

俺は涼香を預けて

『お願いします。』と頭を下げた。

『ああ、出来ることは全てする、だが』

そこで言葉は切られ次の言葉で俺は現実を突きつけられる。

『最悪の場合も覚悟しておけ、私は嘘はつかん嘘をついて患者を安心させるなんて絶対にしない。』

俺はそれを聞いてただ

『はい・・・』

と返事をするしかなかった。そして涼香と洸輔さんは診察室に入って行った。俺は診察室前にある椅子に座りこむ、頭に不吉な考えが過ぎる《よぎる》そしてふと頭によぎった言葉、涼香の死 その瞬間涙が溢れてきた。俺には今の現実が余りにも重く辛すぎる、涼香はまだ十歳なんだ、なんで涼香が涼香が・・・・と思いつめていると白雪が横に来て

『大丈夫だよ、そんなに思いつめないで。』そして俺の感情が爆発した・・

『何が大丈夫なんだよ!涼香が倒れたんだ!昨日まであんなに元気だったのに!家族を失うかもしれない、それが、そう思うことがどれほど辛い事かわかるか!』

俺はついに心配してくれている白雪にあたってしまった、でも白雪は

『わかるよ!私だって、物心ついてすぐにお母さんが急病で亡くなった、私にもお兄ちゃんがいた・・・でもお兄ちゃんも五年前に流行り病で亡くなった、気持ちなら痛いほどわかるよ!私だって辛いよ!』白雪の目から大粒の涙がこぼれていた。

『私だって叫びたいよ!あたりちらしたいよ!でもそんなことしても皆は帰ってこない、だから私は前向きに生きる!亡くなった皆の為に、涼香ちゃんはまだ死なないよ!がんばってる!生きてまた雪原くんの笑顔を見る為に必死に戦ってる、!お父さんだって戦ってる、!涼香ちゃんを助けるために!だから思いつめないで。』

白雪の言葉を聞いた俺の気持が和らいでいく

『まだ、絶望するのは早いよ。』

白雪のその一言で俺はやっと落ち着いて現実を再確認した、

『そうだよな、涼香はこんなことで死なないまだ絶望することなんてないんだ。』

『さっきはごめん、心配してくれてるのにあたりちらして。』そう言うと

『大丈夫だよ、雪原くんの気持はわかるから。』

その時診察室の扉が開いて洸輔さんが出てきた。

『涼香は大丈夫なんですか?』と尋ねると

『今は、落ち着いているが、油断はできない、しばらくは入院しなければならない。』

洸輔さんは深刻な表情で言った。

『最初に言ったな嘘はつかんと』

俺は『はい。』と答えた、洸輔さんは目を閉じ、そして開くと伴に言った。

『流行り病の可能性がある。』

俺はそれを聞いた途端その場にへたり込んだ、白雪が駆け寄ってきて支えてくれたが洸輔さんはまだ俺を見ながら話をしている。

『あくまで可能性だ、まだ確定したわけではない、だがいつ発症してもおかしくない状態だ。』

『涼香ちゃんも頑張ってる、私も諦めるつもりは毛頭(もうとう)ない、最善を尽くす、だからお前は涼香ちゃんが目覚めた時に見せて恥ずかしくない態度でこれからの毎日を生きろ。』

そういって洸輔さんは、診察室に戻った。それから何分、何時間たっただろうか、まだ診察室の前の長椅子に座り込んでいた・・・俺は気づかないうちに、涙を流していた。やはり俺はまだ、この現実を受け止めきれないんだ。ふと横を見ると白雪がいた、

『落ち着いた?』

俺は白雪からさっき聞いた言葉を思い出した、絶望するのは早いんだ・・・・わかってる、でも。白雪は近づいてきて俺を抱きしめた

『大丈夫、一人で抱え込まないで私が雪原くん・・・いや透くんの支えになる。』

白雪の言葉の意味に気づくのに時間がかかったでも俺は

『え、それって・・・』

『うん、これからはずっと一緒だよ透くん。』

俺はその後のことは覚えていない、この日は白雪・・いや光の家に泊まることになったらしい。

気がつくと俺は広間で眠っていた。目が覚めると横に光がいた、

『おはよう、透くん気分はどう?』

俺は布団から起き上がり言った

『ああ、大丈夫、だいぶ落ち着いた。』そういうと光が

『何か食べ物持ってくるね。』といったが『いいよ、今日はもう帰るから、毎日涼香見舞いにくる。』

と言って起き上がると『しばらくはここに住みなよ涼香ちゃんのこともあるしさ。』

俺は少し考えたが自分の家のことがいくら心配でも涼香を置いてはいけない。

『わかった、そうするしばらく世話になる。』

そう言うと光は

『よかった、じゃあ少し待ってて何か食べ物持ってくるよ。』

『いいよ、先に洸輔さんに挨拶に言ってくる。』

そういって俺は診察室に向かった。

 診察室のドアをノックすると中から声が聞こえた

『誰だ。』

『涼香の兄です。』

入れと声があったので俺は失礼しますと言い、ドアを開けた、俺が

『洸輔さ・・・・』

と話そうとすると先に洸輔さんが

『お前の名をまだ聞いてなかったな。』

すぐに俺は答えた

『透です。』

『透か。』

洸輔さんは俺が言いたいことを全て把握しているかの用に話していく。

『家に泊まることは気にするな、涼香ちゃんが心配な気持ちはよくわかる。』

俺は一番気になっていることを聞いた

『涼香の状態は?』

『今は薬の効果で眠っている、明日には目を覚ますだろう、だが当分学校に行くことはできんだろうな。』

『そうですか・・・・・ありがとうございます。』

俺は立ち上がり洸輔さんに背を向けてドアのほうに向かいドアの手前で振り返り

『失礼します。』

と一言告げ部屋を後にした。さっきいた部屋、白雪家のリビングにあたる部屋に戻ると光が椅子に腰掛けていた『どうだった?』

『挨拶と涼香の状態を聞いてきた。』

『涼香ちゃん大丈夫だった?』

光は心配気に聞いてきた

『今は薬で寝てるけど明日には目覚めるらしい、学校にはしばらく行けないって』

落ち込んでいる俺を見て光は

『透くん、涼香ちゃん明日には目覚めるんでしょ、いきなりあんなこと言われて無理なことかもしれないけど・・・・・・』

光が急に話すのをやめてうつむいた

『光?』

すると光がバッと顔を上げ言った

『笑っていようよ。涼香ちゃんが目が覚めた時にいつも通りの透くんが見せられるように。』

俺は光の言葉を聞くと気持ちが安らぐようだ、今の言葉で気持ちがぐっと楽になった。

『そうだな。』

俺は返事をしてさっきまで寝ていた布団に横になり

『光、今日はもう寝るよ』

『うん、おやすみ透くん。』

そして俺は眠りについた・・・・・・・・・


また、いつもの夢だ真っ白な雪原の中に大きな樹がたっている、だがいつもとは違った。

少女の後ろにある樹から葉が一枚下に落ちた。

樹を見ていると何か悲しくなってくる・・・・すると何かがが俺に語りかけてきた。

『命を失い・・・新たな命に・・・託す・・・あなたの・・・大切な・・・』


『透くん。』

翌朝、俺は光の声で目が覚めた。いつもの寒気ではない、ここも寒いが家よりはましだった。

『おはよう、光。』

『おはよう、透くん。』

俺は布団から起き上がりまだぼやけている目をこすって光の方を向いた。

『透くん随分うなされてたみたいだけど大丈夫?』

おそらくあの夢を見ている間うなされていたんだろう。

『大丈夫。ちょっと夢をみてただけさ。』

『夢ってどんな?』俺は光に夢の内容を話した。

『広い雪原に一本の大きな樹?』

光は夢の話を聞いてそう言った。

『ひょっとしてその樹、アイシクルの最奥にある天国の樹《ヘブンズ・ツリー》じゃないかな。』

このアイシクルには昔から言い伝えのようなものがある。

アイシクルには千年に一度災厄が訪れるといわれていて、その災厄の年にはこの国を囲んでいる山の中で一番高い山の頂にあるといわれているヘブンズ・ツリーと呼ばれる樹が一人を守り人として使命を授ける。その使命を請け負った人は災厄を受け止めその身を捧げ災厄を止めると言う。

だが、これは昔話のようなものだ。

『あの樹はだれも見たことのない昔話見たいなものだぞ。』

俺がそういうと『でも、透くんの夢の通りならそこはヘブンズ・ツリーのはずだよ。』

『なんで、わかるんだ?』

『この家の倉庫に古い伝承があるの倉庫の掃除をしているときに見つけたんだけど、その時に書いてあった事と同じなんだよ。』

光は『ちょっと待ってて。』と言い外に出て行き、分厚い本を持って戻ってきた。

『これが災厄に関する伝承だよ。』

俺がページを開くと一枚の絵があった。

『これは・・・・・』

確かにそこには俺が夢でみた光景が写されていた。

天国の樹《ヘブンズ・ツリー》この国の守り人を選択しその命を糧に災厄を止める聖なる樹。

そう記されている。

光が次のページを開くと、そこにはもうひとつの言い伝えの事が記されていた。

この木の葉には万病を退ける効果がある。

『ヘブンズ・ツリーの葉・・・・』俺がつぶやくと

『あ、あたまに何か流れ込んでくる・・・』と光が表情を変え苦しみ始めた

『大丈夫か!光どうしたんだ!』

と俺が駆け寄ると光が苦しそうな声で『ヘブンズ・ツリーの声が聞こえる・・・・・私に語りかけている。』俺が光を支えて数分後光は落ち着いた

『光、大丈夫か。』と聞くと光が『ヘブンズ・ツリーの場所がわかったよ。』と言った

俺は本当なのか。と聞くと『うん、案内出来る、そこに涼香ちゃんを助ける何かがある。』

『わかった、涼香を見てから出発しよう。』と言って光と分かれ俺は涼香の寝ている診察室に行った

俺が診察室に入ると涼香が寝ていた、昨日と変わらず。

その横に洸輔さんがいた『涼香はまだ目覚めてないんですか?』と聞くと

『透、よく聞け』と言い少しの沈黙の後に言った『涼香ちゃんは流行り病ではない』

俺が次を話す前に洸輔さんが

『だが、軽いものではない、むしろ原因不明だ。』

俺はそれを聞いて洸輔さんに『そんな・・・涼香は目覚めないんですか?』

洸輔さんは『それすらもわかっていない。』と言った

俺が洸輔さんにヘブンズ・ツリーの事を話そうと思ったとき診察室に光が入ってきた

『父さん』と光が真剣な顔で洸輔さんを見て言った

『私と透くんでヘブンズ・ツリーに言ってくる。』そう言うと洸輔さんは

『あの地は存在しないと言われている、不可能だ。』と言い放った

だが光は『私はヘブンズ・ツリーの声が聞こえた場所も分かる。』すると洸輔さんは威圧的な剣幕で言った『お前たちが行って何になる、あんな危険な地に行かせる訳にはいかん。』

光は洸輔さんに近づき『ヘブンズ・ツリーの葉には万病を退ける効果がある、それを取りに行く。』

と言うと『あの伝承を読んだのか。』

『うん、読んだよ。』洸輔さんは椅子に座り光に『あの伝承は白雪家の先祖が代々受け継いできたといわれている。』そして少し黙って洸輔さんは言った『あの伝承を読んだのであればヘブンズ・ツリーの場所がわかるというのは本当のようだな、わかった行くのは許可するだがけして無理をするな』

光と俺は『はい。』と返事をして診察室から出た。

『よし、行こう』『うん。』俺と光はヘブンズ・ツリーを目指して前人未到の地に足をふみ入れた。

アイシクルの辺境にある山にヘブンズ・ツリーがあると言われている、山の入口で光が『ヘブンズ・ツリーの声がする』と言って山を見ていた、入口という物はあるがその先は霧がかかっていてよく見えない

光は『こっちから声がする』と言って俺の少し前を歩いていた、山に入って三十分位だろうか、俺はある違和感に気付いた『なぁ光。』俺が光を呼ぶと光は『うん?なに?』と振り返った。

『俺達山を登ってるんだよな。』『うん。』『なんでずっと道が坂にならないんだ?』

そう聞くと光は『これが誰もたどりつけなかった理由だよ、でも私たちはヘブンズ・ツリーの声を聞いて来てるから大丈夫だよ。』そう言っていると急に眩い閃光で視界が閉ざされた

『くっ目が・・・』しばらくすると閃光が止みあたりを見回すと

目の前には限りのない雪原が広がっていた。『ここは・・・・俺が夢でみた場所。』すると横で光が

『見て!』と言って遠くを指さしていたその方向を見てみると一本の樹が立っていた

『あれがヘブンズ・ツリー・・・』遠くにあるからか小さく見えるがそれでもわかる神々しい雰囲気をまとっている。『よし、行こう光。』俺と光はヘブンズ・ツリーに向かって歩いて行った。

ヘブンズ・ツリーに近づくと俺と光は二人揃って思わず呟いた『大きい・・・』

さっきは遠近法で小さく見えたが実際はかなりの大きさがあった。

『どうしよう、葉がとれないよ。』と光が不安気に言うと

ヘブンズ・ツリーが淡く光った。

『ようこそ、白雪の血を引く守り人の一族たちよ』女性の声は頭に直接が流れ込んできた。

『この声ヘブンズ・ツリーなのか?』と俺が聞くと『はい、そうです私の名はカローラ、このヘブンズ・ツリーのある時間の止まった空間の精です。』時間が止まっている、周りの草が全くなびいていない風も感じないだがそれより『守り人の一族ってどういうことだ?』と俺が聞くと

『あなた達ここに呼んだのは全てを伝えるため。』と言ってカローラは話始めた。

『あなた達は同じ血の繋がっている三兄弟なのです。』そう言われて光は『そんなの聞いたことがない、それに兄弟ってどういうこと。』するとカローラは『あなた二人の母親は白雪一族・・・千年の災厄の守り人』俺はそこでカローラに『俺は母さんの顔を見たことがないし、光も物心つく前に母さんをなくしている、それに何より父親が二人ともいるじゃ・・・・』そう言おうとすると

『透、あなたは自分の父親の顔を見たことがありますか?』

と聞いてきた。『無い。』俺が答えるとカローラは『あなた達は白雪の名を持つ白雪燈《しらゆきともす》と一般人の洸輔との子供なのです。』『そんな・・・じゃあなんで私と透くんは別の場所で暮らしていたの?』光がそう聞くと『それは白雪家で起こった忌まわしき出来事がかかわっています。』

『あれは十八年前のこと、燈はあなた達三人を出産しました。燈は初めての子だと喜び一生大切に育てると洸輔と誓いました。しかし、幸せ早くして燈のもとを去りました・・・』俺がカローラに『三人?』と聞くと『涼香もあなた達と一緒に生まれたんですよ。』『ふざけないで!そんなわけないじゃない。涼香ちゃんはまだ小学生なのよ私たちと八歳も年が違うじゃない。』カローラは『忘れたのですかこの空間は時間が止まっているということ。』俺がまさか・・と口にするとカローラは『透、そのまさかです。』

『一体誰がそんなこと・・・』『洸輔です。』『あなた達三人が生まれてすぐに燈はこの世を去りました、そして洸輔が透、光、涼香を連れて私のもとに来ました。』俺が『その時、一体何があったんだ。』

と聞くと『それは今からお見せします。』そう言うと目の前の空間に映像が映し出された。

この場所とヘブンズ・ツリーが映っている、一人の男が現れた、赤ちゃんを三人連れている。

『この男が洸輔です。』その男はヘブンズ・ツリーの真下まで歩くと、

『カローラ』と呼んだ『どうしました、洸輔?』

『俺にこの子達を育てることはできない。』

『なぜです?あなたはあの日燈と誓ったではありませんか。』

『俺は・・・燈と一緒なら・・この子達を育てていく自信があった、だが燈が亡くなった時にそれは砕けた、だからお前に預けに来た。』

その時私は洸輔に言いました『あなたはそれしき覚悟で白雪家の人間と血を交えたのですか?あなたはすでに千年の災厄と守り人の事は聞いているでしょう?』

『・・・・・・・。』『洸輔は黙り込みました、私はこの時に洸輔にはこの子達を育てることはできないと確信しました、しかし私が三人全てをこの空間に置くと地上に災厄を受け止める守り人がいなくなってしまうので、三人を預かる事は出来なかったのです。』

私は洸輔に言いました『わかりました、透と涼香は預かります、光はあなたが立派に育てなさい。』

そう言うと洸輔は『わかった。』と言い透と涼香を私の下に置いて、この空間から去りました。

『これが十八年前に起こった出来事の真相です。』

光はその場に泣き崩れ『そんな・・お父さん・・お父さん・・』と涙を流している。

俺は激しい怒りに襲われていた、俺はカローラに聞いた

『その後俺と涼香はどうなったんだ?』するとカローラは『透は私の分身と伴に地上に涼香はこの空間で五歳になる私の中で眠っていました。』『じゃあ、なぜ俺にはカローラの記憶がないんだ?』

俺がそれを聞くとカローラは『私はあなたが十三歳になった時にあなたから私に関する記憶を消し、両親は亡くなったという記憶を作りあなたを世に放ちました、涼香と伴に、あなたには涼香が自分の妹だと言う認識を付けました・・・・』

『なんで俺と涼香を離れ離れにしたんだ!!』俺はカローラに怒りを向けていた。

『俺が怒りをカローラに向けているのは間違ってる、むしろ育ててくれたことに感謝しなければならない、だけど!!なんで俺と涼香を離れさせる必要があったんだ!!本当は同じ年なのに態々《わざわざ》兄、妹という関係にしてまで!!』俺の中にある思いをぶちまけるとカローラは

『ごめんなさい透。』と心のこもった声で言った『二人が別れたのは、地上で洸輔が光を育てているか監視する必要があったからです。』カローラはさらに言った『私は分身を作る際に力を半分にしました、透を地上で育て洸輔を監視するため、涼香をここで育てるため、私がこの場所から全ての力を放ってしまうとこの樹は枯れ災厄を受け止めることが出来なくなるので、そうするしかなかったのです、しかしこの選択で透に辛い思いをさせているのは事実です、本当に申し訳ありません。』

俺は、それを聞いて『そうだったのか・・・すまなかったカローラ。何も知らずに怒鳴ってしまって。』

『いいんですよ、それだけあなたが涼香の事を思っているということ。』

カローラが言い終わると光が立ち上がり言った。

『私と透くんと涼香ちゃんが兄弟なのはびっくりした、最初は信じれなかったけどもう今は違うその現実を受け止める。』そう言ってカローラに言った『今涼香ちゃんは原因不明の病に苦しんでいる、だからあなたの葉が欲しいの。』『わかりました。私の葉を差し上げましょう。』

ヘブンズ・ツリーの葉が一枚散って光の手の平に落ちた『さぁ地上にお帰りなさい、その葉で涼香を助けてあげて。』俺と光はカローラに『ありがとう。』と一礼すると周りが光に包まれ気がつくと家の前にいた、玄関の前に洸輔が待っていたかのように立っていた。

『全て聞いたのだな。』洸輔がそう言った瞬間俺は走り出し洸輔を殴りつけた。

『あんたのせいだ!あんたのせいで俺達はこんな辛い運命を背負うことになったんだ!』

『あんたが俺達三人を自分で育てていたら、俺は涼香と本来の関係で光とあんたの四人で幸せに暮らせていたはずだなのに、なのに・・・・。』俺はそのまま洸輔の胸倉をつかみ上げ言った。

『なんでカローラに預けたんだ!母さんとの約束はうそだったのかよ!』俺は洸輔の胸倉を揺さぶりながら今の思いを全てぶつけた『俺達三人の事は考えなかったのか!なんでずっと隠してたんだ!あんたのせいで涼香は五歳までの五年の間空白の時間をすごした!今は原因不明の病で苦しんでいる!なんでだよ!涼香がなにしたっていうんだ!なんで涼香ばっかり不幸な目に合わないといけないんだよ!』

俺は最後の叫びとともに洸輔をもう一度殴りつけた。

洸輔はずっとすまない・・すまない・・しか言わない。

『謝れなんて言ってないんだよ!どうして隠してたか聞いてんだよ!』と洸輔に腕を振り上げると

『透くんっ!』光が俺を静止した。『後は私に言わせて』と光が言ったので、俺はわかったといい身を引いた。

光が洸輔に近寄ると洸輔はよわよわしい声で『光』と言った。

光は洸輔の前に達言った『父さん、カローラから全部聞いたよ。私、父さんを信じてたから最初は全部嘘と思ってたの・・・でもね・・でもね・・』光の目から涙があふれ出していた。

『もう、お父さんを信じれないよ・・今まで私の誇りだったのに、本当のことを聞くとこうなるんだね。』光は今まで十八年間の思いを全て込めた言葉を洸輔に言った『いままで私を育ててくれてありがとう・・・そして・・さようなら・・・』そう言うと光は俺の方に戻ってきて俺に言った

『涼香ちゃんの所に行こ。』『ああ』と返事をし、診察室に急いだ。

診察室に涼香はいた、朝と同じ状態で寝たままで。

『涼香、薬を持ってきたぞ。』俺は涼香の体の上にヘブンズ・ツリーの葉をかざすと葉が粉末になり涼香の体にしみ込んでいく。

そうすると『うう』涼香が声を出した。俺は涼香に語りかけた『俺だ透だ、わかるか?』すると

涼香は小さな声で『うん、わかるよ兄さん。』と返事をした『兄さんと光さんがヘブンズ・ツリーまで行ってカローラから全ての話を聞いてこの葉をもらってきてくれたことも知ってるよ。』

『知ってるってことは涼香俺と・・・』俺が言いかけると

『うん、知ってるよホントは私も兄さんと光さんと同じ年だということも。』

『私が眠っている間にカローラが全部教えてくれたの、でもねそれを知ったとしても兄さんが私の兄さんである事は変わらないよ。』涼香はそう言うと起き上がっていた体を布団に倒して目を閉じた、

『光?』俺が訪ねると光は僅かに目を開き言った。

『今までありがとう、透、これから透を宜しくね光。』

最後に兄弟らしく二人の事を下の名前で呼び

涼香は・・・・それを最後に・・何も話さなくなった。

『涼香?おい涼香、目を開けろよ、これからまた一緒に本来の関係で暮らし直すんだろ、新しい生活があるんだろ、なんとか言えよ、涼香・・・涼香・・・』

『りょうかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』

俺は想像を絶する悲しみに我を失っていた。

『りょうかぁぁぁぁっ!!返事をしろよ!!こんなところで死ぬなんて!!』

俺が涼香の体を揺さぶって語りかけているのを光が止めて入る。

『透くん!やめて!』

『りょうか!!りょうかぁぁぁぁぁぁぁっ!!』

俺と光はその場で泣き崩れその晩はずっと涼香のそばで泣いていた。


翌日、涼香のお葬式をヘブンズ・ツリーの前で執り行った。

涼香の亡骸はカローラがヘブンズ・ツリーの力で天に帰した、俺と光がカローラのもとに涼香を連れていくとカローラは何も言わずに涼香のお葬式の準備をしてくれた。

カローラがお葬式の時に涼香がこの千年の守り人だったことに気付いたと言っていた、涼香は病気なんかじゃなくて、守り人の使命を果たしてこの国をまもったんだ。

俺が夢で見ていた少女が涼香だったらしい。

俺と光は涼香が帰った天を見上げカローラに礼を言って地上に戻ってきた。

『さて、俺たちはどうするかな?』そう言うと光が『まだわからない。でも・・・』

俺と光二人揃って言った。

『精一杯生きよう涼香が守ってくれたこの国で。』

僕が初めて書いた作品になります。自分の好きなジャンルの物語なので書きながら自分で泣きそうになっていました(笑)

読んでみて良かったなと思ったり何かアドバイスでもありましたら、コメント宜しくお願いします。

以上マリアでした。

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