8番江口
『一番。レフト。出口』
ネクストバッターサークルから打席に立ったはいいが言い間違いがすっごく気になる。
私は江口だ。
器が小さいと思われるのは嫌だがちゃんと訂正しよう。
私は目をつむり「タイムっ!」と叫んだ。
『二番。レフト。江口』
あれ?ネクストバッターサークルにいる?時間が巻き戻った?
白昼夢か?
打席に立つとキャッチャーのマスクがプリキ◯アだった。
これも気になるなぁ。危ないだろ。
「タイムっ!」
『三番。レフト。江口』
やっぱりだ。タイムループしてやがる。
昨日ニ◯ダイを見たからか?
打席に立って異変を探す。
こわっ。
観客の顔が全員黒い渦巻きになっている。
「タイムっ!」
『四番。レフト。江口』
四番か。万年八番の俺が四番。
それがもう異変だが……ハゲたサラリーマンのおじさんが敵のベンチからテクテク歩いてきてグラウンドを横切って味方のベンチに消えた。
「タイムっ!」
『五番。レフト。リック・エグチ』
助っ人外国人かっ!
「タイムっ!」
『六番。レフト。江口』
打席に……あぶないっ!見逃す所だった。ネクストバッターサークルが血で描かれてる。
俺が悪魔召喚されたみたいになってる。
「タイムっ!」
『七番。レフト。江口』
そうそう。次のバッターは俺と君。2人で頑張ろうねって!なんでやねん!
左右の打席どっちもバッターいたらあかんやろ!バットとバットがカチンなるわ!
「タイムっ!」
『八番。レフト。江口』
とうとう八番まで来た。クリアだな。
集中……出来ない。
うちの監督もコーチも選手も全員フルチンだ。
まだクリアじゃない。九番まであんのかい。
「タイムっ!」
『一番。レフト。江口』
「……あれ?」
戻っちゃった。
……そうか。
「やっぱり八番で終わりだったんだ」
この回の異変は簡単だったのですぐに八番まで戻ってこれた。
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『MVP……八番江口』




