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女神の加護って 最高かよ! でも良いことばかりじゃないんだろ それな。  作者: 橘可憐
旅の終わり?

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「庭の水田を見て俺が異世界人だと疑わなかったのか?」


「いえ、初めから庭にあったのでこの世界でも普通にご飯を食べているのだと思いました。でも夕べの食事は醤油なども使われていたので少し疑いましたが、両親の前で口にするのははばかられました」


旅立つときに置いて行った醤油や味噌はもうすっかり使い果たされていたようだ。もっとも作るのも大変と言えば大変なので早いところ流通して欲しいと颯は漁師街のことを思い出していた。


「俺たちはあの両親に転生者だとは知られないようにしようと話し合ったんだ」


颯は二人のグランとマリンへの気遣いに感心する。そりゃぁ自分の子供が二人とも異世界の記憶を持つ転生者だなんて話をされてもそう簡単には理解できないだろうし認められないだろう。

それにグランとマリンならそんなことは無いだろうが、下手をしたら頭がおかしいと思われても不思議は無い。


「グランは俺が異世界からの転移者だと知ってるぞ」


「そうなのですか? でも面倒を見ていた子が転移者なのと自分の子が転生者なのでは受け止め方が違うと思いますよ。それに私達は誰にも知らせないと決めましたから」


「そうそう。俺が異世界人だと知られたら英雄になったときにありがたみが変わるだろう」


「異世界人は特別だなんて思われたらそれこそ立場が変わってしまう可能性もあります」


颯は二人が思いの外しっかりと考えていることにまたまた感心してしまう。颯はただ目立ちたくないと思っていただけだったのにと。


そして颯はふと二人の前世の話を聞いてみたい衝動に駆られたが、二人が話さないところからしてきっと思い出すのも辛いのかもしれないと口をつぐんだ。


帰れない前世を思い出しても未練が募るだけだろうし、あと十年で帰れる颯とは抱いている気持ちも覚悟もきっと何もかも違うのだろうに、迂闊なことを口にすべきではないと考えたのだ。


しかしそれでも一つだけどうしても知りたいことがあった。


「二人は前世でも知り合いだったのか?」


もしかしたら前世でも兄弟だったとか友達だったならいいが、万が一恋人同士だったなら兄弟として転生したのは辛すぎるだろうと颯は考えていた。


「ううん、全然まったく接点無し」


「でも同じ日本からの転生というのと時代も同じだったので共通の話ができたのは良かったです」


「ジェネレーションギャップって結構辛いらしいからな。その辺はホント助かったよな」


「そうか、良かったな」


颯は既に二人と微妙なジェネレーションギャップを感じていたが口にはせずに軽く流した。


「で、あのはぐれメタルはどう倒すつもりなんだよ」


いきなり話題を変えてきたリックに颯ももうこの話題は終わりだと気持ちを切り替える。


「どうだろうな。多分本当にはぐれメタルと同じなんじゃないか」


「同じですか?」


「地道にダメージを与え続けるか会心の一撃をお見舞いするかだろう」


「会心の一撃ですか?」


「俺知ってる。クリティカルヒットのことだよな」


颯は完全なるジェネレーションギャップを感じかなり落ち込んでしまう。颯だってけしてクリティカルヒットを知らなかった訳じゃない。ただ相手がはぐれメタルだったから会心の一撃なんて言葉が出てきただけなのにと。


「実際にどのくらいのダメージで倒せるのか知りたいな」


颯がそう口にしたときだった。いきなりファイヤーボールの攻撃を受けた。

衝撃があって驚いたが颯は装備のお陰か殆どノーダメージだ。もっともダメージが通るようならナビが結界を張って守ってくれただろう。


ダンジョンに入ってすぐに見かけたはぐれメタル(仮)は颯達の姿を見て逃げ出していたのに、戻ってきてどこかから攻撃しているのだろうかと辺りを見回しその姿を探す。


「居た!」


颯は攻撃してきたはぐれメタル(仮)を見つけると即座に解体魔法を放っていた。

すると驚いたことにはぐれメタル(仮)はいともあっさり解体され魔石を残して消えてしまう。


「あれっ?」


物理も魔法も効かなかったんじゃないのかと颯はなんとも微妙な気持ちになる。


「なに、今の…?」


「なぁそれも魔法なのか? スゲえ一発じゃん」


しかしリックとロッテは違ったようで、颯の解体魔法に興味を持ったようだ。


「これは俺がこの世界に来てすぐに考えた魔法だ。獣を解体するのはできないし嫌だったからな」


「えっ、そんな理由で…、作った魔法…」


「便利そうじゃん。でも俺はやっぱり魔法より剣で倒したいな」


「ねぇ、魔法ってそんなんに簡単に作れるものなの!?」


ロッテがキッとした表情で颯に詰め寄ってくる。


「ああ、俺が使う魔法は全部自分でイメージして作った魔法だ。とは言っても日本で得た知識が元になってるけどな」


「なにそれ」


「それスゲーな。でもじゃぁ冒険者ギルドで習ってたあれはなんだったんだ」


「あれもハヤテお兄ちゃんが全部作ったってこと?」


リックもロッテは自分で魔法が作れるとは思ってもいなかったようで、なんだか急にテンションを下げ始めた。


「俺はギルドがどんな魔法を教えているのか知らないからなぁ…」


「殆ど魔力循環とか魔力操作よ。それができるようになったら生活魔法を教えてくれるらしいわ」


「ふ~ん、そうなのか」


「そうなのかじゃないですよ。自分で魔法を作れると初めから知ってたらギルドなんかに行かなかったわ。なんだかスッゴく損をした気分です」


「あぁ、確かにスゲー退屈だったな:


なんだかすっかり不機嫌になってしまったロッテに颯はどうしたらいいのか悩んでしまう。


「ダンジョンマスターがドロップした装備があるんだけどおまえ達良かったら使うか?」


「ダンジョンマスター!!」


「ダンジョンマスターのドロップ装備ですって!?」


同時に驚き叫ぶ二人に颯は話も気分も変えることができたと少しホッとするが、リックもロッテも食いつきがハンパなく颯はタジタジになってしまう。


しかし口にしてしまった以上は仕方ないと念のためにナビに結界を張って貰い、ナビに預けてあった装備コレクションを二人に披露し好きに選ばせたのだった。



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