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女神の加護って 最高かよ! でも良いことばかりじゃないんだろ それな。  作者: 橘可憐
異世界にて

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ボスのゴーレムには解体魔法がなかなか通じなかった。

多分時間をかければイケそうだが、動きが機敏ではないと言ってもゴーレムの攻撃を避けながら魔法を発動し続けるのは戦闘に慣れていない颯には難しかった。


解体魔法の難点は解体が終了するまで発動し続けなくてはならないことだと今さらながら気づき、少し改善を考えなくてはと思う。

今までが簡単であっけなく成功していたのでここに来て手間取るとは思ってもいなかった。


「チッ、大人しくしてろよ」


颯は今までが上手くいきすぎていたせいもあってついイライラしてしまう。


「結界を発動してあります」


「分かってるけどやっぱり殴られると思うと身がすくむんだよ。体が自然に避けようとするのは仕方ないだろう」


ゴーレムの大きな腕が振り上げられ殴られると思った瞬間条件反射で颯の体が動いてしまう。それに攻撃覚悟で目を瞑ってしまっては魔法の発動も危うい。

振り下ろされるゴーレムの腕も見ても動じないヤツって居るのかとナビに問いたい気持ちを颯は飲み込んだ。


こうなったら解体魔法を諦め別の魔法を使うしかないと颯は決断する。そしてゴーレムに効果のありそうな魔法を考えていてふと思いつくことがあった。


(全属性を同時に放ったらどうなる?)


この世界の魔法に属性という観念がないのは分かっているが、颯が考えている火・水・土・風・氷・雷・光・闇のすべてをミックスさせて発動したらどうなるのかと興味が湧いた。

相反して失敗するかそれともまったく新しい魔法となるのか。


(やるだけやってみるか。要はイメージだ)


颯は素早くゴーレムから離れるように駆け出しフロアの隅に陣取ると思いついた魔法をイメージして練り込んでいく。イメージは『虹』それぞれの属性の槍が一つに纏まる感じ。


颯の蒼い炎のファイヤーボールが掌の上で熱くなかったように、たとえ火と水だろうが相反しないと信じて颯はただただ虹のように各属性の魔法が一つに纏まった大きな槍をイメージする。


ゴーレムは既に颯に攻撃が届く距離にまで近づいて来ていた。

立ち止まり大きく手を振り上げるゴーレムに颯はおもいっきりイメージした魔法を発動する。


ドゴーーーン!!


爆音には似つかわしくないキラキラキラキラキラという擬音でも発しそうなほどに美しい槍がゴーレムを一瞬で貫いた。


「やったーーー!」


ゴーレムを倒せたことより颯がイメージした魔法が成功したことの方が嬉しかった。


「おめでとうございます」


ナビも何気に嬉しそうだと感じるのは颯の気のせいではないだろう。


「命名するならレインボーアローだな」


自分でも安直すぎるとは思ったが他にカッコイイ名前が思いつかなかったのだから仕方ない。


「颯様、ドロップ品の選択をお願いします」


「えっ、ボスって宝箱落としてドロップ品のすべてが手に入るんじゃないの?」


「宝箱の設定などありません」


「もしかしてボスもドロップ品は一つだけだったりする?」


「そうなっています」


「えーーー!!」


それではドロップ品の数だけボスを周回しなくてはならないと気づき颯は愕然とした。

ボスさえ倒せばダンジョンを出て次の行動に移れると考えていたのに、ここまで来てまた予定が狂ってしまった。


「ボスのリポップってどうなってるの?」


リポップの条件が経過時間なのかそれともフロアから出て入り直すのか、その設定を知りたくてナビに尋ねた。


(まさかとは思うがボスは一度倒したら終わりってことは無いよな?)


フォルトゥナの考えた設定だからもしかしたらどこか抜けているかも知れないと、少々不安になる気持ちを隠し颯はナビの返事を待った。


「日付が変わると再登場します」


「えー。一日一回かよ!」


颯は思わずナビを避難するように大声を上げてしまう。


しかし少し冷静になって考えてみれば、もう二度とボスが現れないという最悪の事態はなくなったのだと諦めることはできた。

それにこのダンジョンにボスのドロップ品の数だけ挑むことができるのだと思えば別の楽しみもできた。


「まぁいいかぁ」


颯はドロップ品の選択ウインドウを開き確認する。


「おお、凄いな現金だと80000ゼニーだって。ここに来るまでの魔物が300ゼニーとか500ゼニーだったから大金だよな」


「倒せればの話です」


そりゃそうかと颯も納得した。それに颯は一人で倒したので全額自分の懐に入れられるが、大勢で倒した場合は人数割りだ。そう思うとこの金額が高いのか安いのかは判断に困りそうだと思う。


「今回は大人しく魔石にしておくか」


颯はギルド長に魔石入手を頼まれていたので魔石を選択する。するとさっきまで解体魔法で手に入れていた雑魚魔物とは大きさも色も違う魔石をドロップした。


「当然だな」


颯はソフトボールほどの大きさの掌からこぼれ落ちそうな魔石を拾い上げ、なんだかとても嬉しくなるのを感じていた。



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