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女神の加護って 最高かよ! でも良いことばかりじゃないんだろ それな。  作者: 橘可憐
異世界にて

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颯は腐界へ向かうためにギルド長と一緒に馬車に乗っていた。ユージーンは荷台の方だ。


ギルドの裏には厩舎があり荷馬車や幌馬車も用意されていて、ギルド長もユージーンも街の外へは普通に馬か馬車での移動なんだとか。

今回は腐界のある森林に入るので獣を倒したときのことを考えて荷馬車にしたようだ。


森林全体が腐界という訳ではないので場所によっては普通に獣に遭遇する事もあるらしく、倒したら獣の遺体を荷台に積んで帰るのだとか。

颯には異空間収納があるのでそんな心配など無いが、一般の冒険者としての行動を知る上でギルド長の話を興味深く聞いていた。


(それじゃこの森林を狩り場にしてもいいな)


《私の方で生息する獣を把握しておきますか》


《びっくりした。ああ頼む》


さっきまで大人しくしていたナビに突然念話を送られ、颯は思わず声を上げるところだった。

やっぱり他人が一緒だと勝手が違う。秘密を抱えるというのは考えていた以上に大変だ。


颯は基本嘘や隠し事はしない主義だ。絶対に自分の首を絞めることになるし碌な結果にならないと思っている。まぁ殆ど聞かれることもないから黙っているので嘘を吐く必要もないのだが。


しかし異世界に来て迂闊に話せないことが多くなっているのに気が付いた。

自分の身を守るため、平穏で平凡な生活のためと思えば仕方のないことなのかも知れないが、どうしても気が重くなってくる。


「はぁ…」


「どうした溜息なんか吐いて」


「これからどうなるのかと考えてました」


けして嘘ではない。ナビのこともバレたら隠さずに話すつもりだが、今現在隠していることには変わりはない。やはりバレる前に話した方がいいのかと悩んでいたのだ。


「ハヤテはまだ子共だ。そんな心配事は大人に任せてもっと自由にするといい」


「ありがとうございます」


子共だと言われるのにはまだ抵抗はあるが、颯はギルド長の言葉にとても安心する。

そしていずれは異世界から転移してきたことなどを含めすべてを話してもギルド長になら信じて貰えるような気がしていた。


程なくして森林へとたどり着き、荷馬車から降りると腐界への入り口に向かって歩く。当然荷馬車はここへ置いていくようだ。


「ここに放置したままで大丈夫なんですか?」


「ギルドのマークも入っているし腐界の入り口で盗むヤツは居ない。見つけたら袋叩きでは済ませないしそいつには二度と荷馬車は貸し出さないからな」


この森林に探検に来る冒険者には荷馬車を貸し出すか、もしくは連絡があればギルドが狩った獣を引き取りに出向いてもくれるらしい。どちらにしても有料らしいがやはり颯の知る冒険者ギルドとは色々違うようだ。


そしてマップでは分からなかったが森林への入り口はいくつかあって、その一つが腐界へと続いていると説明された。


《腐界の魔物は昨日かなり倒したけど大丈夫かな。まさか一匹も居ないってことは無いと思うが数が少ないと騒ぎになるんじゃないか。俺がここで魔物を倒したのを話してしまったし》


《それは大丈夫です。マップは表示しないのですか》


《普通にギルド長達に任せるよ》


颯は出しゃばることなく大人しくギルド長とユージーンの後に付いていく。


「ここまで来れば大丈夫でしょう。魔物に出くわす前に是非私にその攻撃魔法を見せてください」


「魔物を倒しに来たんじゃないんですか?」


「勿論魔物は倒しますよ。でもその前に攻撃魔法を知っておきたいじゃないですか。この腐界まで来れば誰かに見られる危険も少ないですからね」


「そうだな。街中で迂闊に魔法を使ってハヤテが魔法を使えると知られたらどんなヤツに絡まれるかも分からない。それに万が一貴族に知られれば危険が増えるのは確かだ」


ギルド長もユージーンも攻撃魔法にただ興味があるだけだと思っていたが、それ以上に颯が魔法を使えることへの危険を考えてくれていたようだ。


「色々と考えていただきありがとうございます」


知られたのがこの二人で良かったと本気で思い、颯は本心からギルド長とユージーンにお礼を言った。


そして颯はその場で数々の攻撃魔法を披露して見せた。

とは言ってもギルド長やユージンでもイメージしやすいようにはっきりと眼にできるアロー系。炎の矢に水の矢、光の矢に氷の矢など。


風をかまいたちのように刃にしてと言って披露して見せてもやはり眼にできない現象はイメージが難しいようだったし、土を弾丸のように硬くして飛ばすのも難しいようだった。


「後はイメージ次第です」


派手な広範囲魔法も披露しようかとも考えたがやり過ぎは良くない。それに披露したとしてもギルド長やユージーンが使えるようになるかはわからない。きっと魔力量が豊富な颯だから使える魔法だと信じたい。


まぁなんにしても必要以上に目立っていいことなど何も無いと考えて颯はそれ以上を披露するのは控えた。


「す、素晴らしい! こんなに色んな種類の魔法があるなどと知りませんでした」


「あぁ、驚いた。ハヤテお前どこでこんなに魔法を覚えたんだ!」


颯は二人が思いの外驚き感動しているのに戸惑った。所謂各属性の初歩的魔法をちょっと披露しただけなのにと。


しかしこの世界の魔法はそもそもまだ属性と言う考え事態が無かったのだ。だから魔法の知識も浅い二人には颯の披露した魔法はとても派手に見えて種類が多いと感じたのだろう。


「魔法の基礎は教えていただきましたが、これらはすべて僕がイメージして独自に作ったものです。ですからお二人も色々とイメージして便利な魔法を作ってみるといいと思います」


颯には二人にそう答えるほか無かった。



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