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女神の加護って 最高かよ! でも良いことばかりじゃないんだろ それな。  作者: 橘可憐
異世界にて

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「やはりハヤテは貴族関係者だったか」


口の中で小さく呟くギルド長の言葉を聞き逃すこと無く、颯はその辺も訂正しておかなければと考える。


「僕は貴族を廃嫡されたのでも貴族の隠し子でもありませんよ。僕は一般のただの平民です。それに僕の国には魔法使いなど普通に大勢います」


日本には自称魔法使いは大勢いるし、魔法使いに憧れている者も大勢いる。それにゲームの中では誰でも魔法を使っている。だからけして嘘では無いと思う。


「では魔法が使えるか使えないかはどうやって判断する! 魔法は誰にどうやって習うんだ!!」


ギルド長の興奮具合に颯はタジタジになる。


「えっと魔法が使えるか使えないかは魔力があるかないかですが、多分誰でも魔力を持っているはずです。ただその量に個人差があるのではないかとは思いますがね」


フォルトゥナが魔素に適した機能を地球人はなくしたみたいな話をしていたのを思い出し、ならばこの世界の人々は逆にその機能を持っていて誰にでも魔法を使える可能性があるのでは無いかと颯は考えていた。


「じゃあ俺も魔力を持っているのか? 俺でも魔法が使えるのか!?」


「ええ、使えると思います」


魔法は魔法だと言ったナビの言葉を信じれば、多分イメージ力の問題だけなんじゃ無いかと颯は考えていた。

だからこんなに颯に良くしてくれたギルド長が望むのなら、ギルド長が魔法を使えるようになるのを手助けしたいと心から思った。


「悪い興奮しすぎた。俺にも魔法が使える可能性があるのか…。ハヤテ俺がこんな事を頼むのは厚かましいかも知れないが「いいですよ」」


颯はギルド長が言い出しづらそうにするのが焦れったくて、失礼を承知でつい話を聞き終わる前に言葉を被せていた。

ギルド長は颯の返事に途端にポカンとした表情になり、颯は逆に慌ててしまう。


「ごめんなさい。ギルド長にそんな顔させるつもりは無かったんです」


ギルド長の屈強な大男のイメージが駄々崩れである。


「あぁ、ゲホンゴホン。まぁあれだ。俺に魔法を教えてくれるってことで良いのか?」


「はい。僕にできる範囲でですが」


「それはありがたい!」


途端にニコニコ顔になるギルド長に颯はなぜか嬉しさが込み上げた。

そして早速ギルド長に魔法の手ほどきをし、まずはギルドの応接室でも問題の無いイメージしやすい魔法と考えて生活魔法で知られる魔法を教える。これを機に颯自身も使えるようになっておきたいし。


ライトに点火にウォーターにクーリン。颯ほどではなかったが、ギルド長は案外簡単にライトと点火とウォーターを理解し習得した。しかしクリーンはなかなか理解できないようだった。


「だからですね。浄化するイメージですよ。汚れを落とし滅菌し体も服もなんならこの部屋も綺麗にするイメージです」


「体の汚れを落とすのは布で拭くか公衆浴場に行くかだろう。服の汚れは洗濯だ。それに部屋は掃除だろう。全然まったく違うのに同じ魔法ってのが分からん。それから滅菌ってのはいったいなんだ。聞いたことも無いぞ」


「公衆浴場があるんですか!」


颯はギルド長の言い訳より公衆浴場におもいっきり反応した。


「あああるぞ。男の社交場だ」


「それって女性用は無いってことですか?」


「いや、あるにはあるが俺はどういう場所かは知らん」


ただ単に入ったことが無いから知らないということなのだろうが、颯はギルド長の言葉になんとなく含みを感じていた。


「それよりそのクリーンって魔法をもっと分かりやすく教えてくれ」


ギルド長は案外簡単に生活魔法の三種類を習得できたのですっかり自信を付けやる気満々なのか、それとも颯の教える魔法をすべて習得しようとムキになっているのか颯に詰め寄る勢いで迫る。


「じゃあ、お風呂に入って綺麗さっぱりをイメージして体に魔法をかけてみてください」


「滅菌は良いのか、滅菌は。それに浄化がなんとかと言ってなかったか?」


「理解できないことはすっぱり忘れてください」


颯もギルド長にその辺のことを上手く説明できる気がしなかったので忘れさせることにした。


「クリーンだな。クリーン。クリーン…。クリーン……」


ギルド長の体が仄かに光った気がした。颯はこれは成功したかと期待を込めてギルド長を見詰める。

何しろ垢まみれという訳ではないギルド長がクリーン魔法に成功したかどうかは颯には分からない。


「おおぉ、なんだか体がスッキリした気がするぞ」


「成功ですね。魔法の習得って案外簡単でしょう。イメージして作り上げていけば良いのです」


颯がギルド長の魔法の習得を心から喜び魔法の習得方法に関して持論を展開し始めたら、ギルド長が途中で変な声を上げた。


「ブホッ、これはいったいどういう事だ!」


「何事ですか?」


「こ、ここにあったはずの古傷が消えている…」


ギルド長は自分の手の甲を驚いた表情で見詰めている。

どうやらギルド長はクリーンでは無く治癒魔法を習得したようだった。

颯も驚きだ。



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