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70 とりあえず大事になっているようです

 私が買ってあげたSサイズのログハウス。それをけなされて大激怒したクラフティが飛んで逃げるエルフを追いかけたと聞いて私は大慌て。


 大惨事になる前にと慌ててクランチャットを飛ばしたの。


「クラフティ、アイリスだけど今どこで何をやっているの?」


「はい。少々頭の軽いエルフどもがアイリス様から下賜された館を愚弄したので、その本拠地にお邪魔してもんくを言ってやろうかと思っております」


 よかった、大量虐殺の真っ最中ですと言われなくて。


 最悪の事態に至っていなかったことにほっとした私は、軽い気持ちで聞いてみたのよ。


「そう。なら、まだ戦闘にはなっていないのね」


「はい。やつら、街に逃げ込んだ後に門を閉め、結界のようなものを張り巡らしまして。ですからついさっき、結界を城門ごとソードスキル時空烈斬で叩き斬ってやりました。これから中に突入し、中にいるエルフどもをことごとく殲滅する所存です」


「戦闘にはなってなかったけど、すでに大変なことになっていた!」


 それて、絶対ダメなやつぢゃん。絶対エルフたち、中でガタガタ震えてるよ。


 それに城門って。


「えっと、クラフティさんや。もしかしてそこ、エルフの王国だったりする?」


「どうなんでしょう? ただ城塞都市のような作りにはなっているようで、私が細切れにしたのは都市入口正面の大門のようですね」


 状況を聞いたところによると、どうやらクラフティは門と結界を一刀両断にしたのではなく、滅多切りの細切れにしてしまったそうな。


 その方が押し入りやすいのだろうけど、流石にやりすぎである。


「でも、時空烈漸ってウィンザリアでは単発技だったはずだけど、連撃もできたのね」


 現実逃避からか、この世界に来たことによってできるようになったことをまた一つ発見できたわねなんて考える私。


 しかし、事態は待ってくれないようで。


「おっ、エルフどもが武器を持ってバラバラになった門から出て来たようですので、これより殲滅に入ります」


「殲滅せんでよし! これから向かうから、それまで適当にあしらっておいて。あなたなら殺さずに無力化くらいできるでしょ」


「できますが、少々めんどく……」


「わかったわね!」


「了解しました!」


 クランチャットを切ると、私はストレージから地図を選んで展開。それを広域に切り替えてからクランメンバーの位置を表示させた。


「花畑からそれほど離れてはいないみたいね。これなら転移ポートで移動すればフライングソードでそれほどかからず辿り着けそうだわ」


 ということで早速移動を開始しようとしたんだけど、そこでミルフィーユからストップがかかってしまった。


「いくらそれほど脅威と感じられなかったとしても、そこが相手の本拠地となればそれ相応の数がいるはずです。アイリス様が自ら向かわれるのは賛同できません」


「いやいや、そうは言ってもねぇ」


 正直、私以外を派遣したらクラフティと一緒になってエルフを殲滅する絵しか浮かばない。


 だからこそ、ここは私が行くしかないんだよなぁ。


「クラフティを強制的に止まらせてエルフと話ができるのなんて、私以外にいる?」


「それはそうなのですが……」


 ミルフィーユもそれが解っているようで、指摘をすると黙って考え込んでしまった。


 しかたなくそのまましばらく待っていると、どうやら考えがまとまった模様。


「それならば、わたくしもご一緒します」


「だめよ。ミルフィーユは城の仕事があるし、何かあった時にバックアップしてもらわないと困るもの」


 これから向かうのはエルフたちの本拠地。何が待ち受けているか解らないのよね。


 だからミルフィーユにはもしもの時の保険になってもらわないと困る。


「解りました。それならばオランシェットを同行させます」


「その心は?」


「彼女は今、精霊召喚士のジョブについています。ですから何か問題が起きたとしても、その場を精霊に任せてアイリス様を脱出させることができますから」


「なるほど」


 そう言えば現実世界に来たことによって、精霊を複数呼べるようになったから足止めには最適かも。


 それに上位精霊の中には闇や眠りの精霊もいるから、撤退補助という点から見てもこれ以上の人選は無いだろうね。


「解った。それじゃあオランシェットと二人で向かうことにするわ」


「お聞き入れ頂き、ありがとうございます」


 ミルフィーユはそう言うと、すぐにクランチャットでオランシェットに連絡。


 今は外で整地作業をしているということで、玄関の転移ポート前で合流することになった。


「それじゃあ、私も向かいますか」


「お供いたします」


 そんな訳で、二人で玄関へと移動。入り口のドアを開けると、そこにはすでにオランシェット……と何故かエクレアが待っていた。


「あれ? なんでエクレアまで居るの?」


「アイリス様、帰ってたんですね。いや、作業してたらオランシェットが呼ばれたって聞いて、何があったのかなぁって思って」


 そう言えばこの二人、セットで森を切り開く仕事をしてたっけ。そりゃあ、その片方が呼ばれたら何事かと思うよね。


 因みにこの二人も私がゲーム時代に作ったNPCだ。


 オランシェットはふわっとウェーブスタイルのおでこ出しセミロングでオレンジ色の髪にチョコレート色の瞳の女の子。体形は10代後半日本女性の平均って感じかな。


 それに対してエクレアは、チョコレートっぽい茶色の髪で肩甲骨の少し下辺りまでのストレート。前髪が眉毛のところでぱっつんのちょっと小柄で胸が控えめな女の子だ。


 因みに、それが少々コンプレックスになっている模様。なぜだろう? 貧乳はステータスだというのに。


 読んで頂いてありがとうございます。


 これでNPC7人の外見は全部出たかな? いや、ガレット・デロワとパルミエは髪色が出て来ただけだっけ?


挿絵(By みてみん)


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