プロローグ 魔王を信仰する秘密結社
初めての方は初めまして。別作品を読んでいる方はこちらもよろしくお願いします。転生した0レベルを書いている杉田もあいです。
転生0が書籍化して読者様が大幅に増えたので、今なら読んでもらえるのではないかと思い、前々から書いていたものをあげることにしました。
一応10話までは書いてありますが、見切り発車なので週1(水曜日)更新なのに止まるかも? 転生0の更新の方が大事なのでw
長い時間をかけて魔力を込めた召喚の魔法陣。
それは本来、魔王が現れた時に生まれる勇者を教え導くものを呼び出すための物。
しかし今その魔法陣の前に立つのは、心正しき者たちではなかった。
「隷属の呪いは、間違いなく働くのだな」
「はい。たとえ導きの賢者とて、召喚された瞬間は何が起こっているのか理解できるはずありません。その間隙を縫って多くの者たちの魔力を持って呪いをかけるのですから、それにあらがうのはまず不可能かと」
隷属の呪いは、召喚の魔法陣によって顕現したものが実体化した瞬間にかけられる手はずになっている。
その上、その呪いは数多くの呪術師たちによって練り上げられたものだけに、たとえどれほどの力を持った者が召喚されたとしても、その呪いにあらがうことなど人の身では不可能なほと強力な呪いなのだ。
「ならば良い。フフフっ、誠愉快だな。魔王様を撃つために使われるはずであった魔法陣、それを使って魔王様復活の使徒を呼び出せるのだからな」
「はい。その上この魔法陣は現在、長い時間かけて取り込み蓄えられた魔力すべてを消費するようにしてあります。ですから魔王様の降臨後、この魔法陣で新たな者を呼び出そうとしても人の持つ魔力だけでは数をそろえたところでは召喚に必要な魔力を満たすことは不可能でしょう」
実際、彼らの前にある魔力計は600年分以上の魔力を貯めていると示している。
文献によると200年以上かければ召喚に足る魔力を貯める事ができると書かれてはいたが、今ここにある魔力すべてを使い切ってしまえば、魔王様復活までに必要な魔力を新たに貯め治す事はほぼ不可能。
それが知っているからこそ、今この魔法陣を起動させてしてしまえば新たな賢者を呼びだすことはできないと、ここにいる者たちすべてが確信しているのだった。
転生0とはちょっとテイストが違いますがそこは私が書く話、当然ほのぼのだし鬱展開なんてなるはずがありません。
のほほんとした話なので、気楽に読んでもらえるとありがたいです。
あと、文字数に関してはあまり気にしません。転生0の方を優先したいし、無理に文字数を決めて止まるより短くても更新した方がいいと思うので。