箱庭の世界
幸せとは何か…
失くして初めて知った…
築き上げるのは時間がかかるくせに…
壊れるのは一瞬だ…
サラサラと砂のように手のひらからこぼれ落ちるそれは…
止まることを知らずこぼれ続ける…
泣きたいのか…
それともいっそのこと笑い出してしまいたいのか…
ぐちゃぐちゃの感情がこぼれ落ちる…
箱庭から出たいと願った…
どこまでも続く草原を海を空を見たいと思った…
ここではないどこかへと飛び出したいと…
それは罪なのか…
一歩踏み出した足は…
たしかに新しい世界に連れて行ってくれた…
そのかわり代償は自分が思うより大きかった…
故郷を…
大切な人を…
傷つけてまで…
外に出たかったわけではない…
ただ一度見たかった…
それだけだった…