083 全員ぶちのめす!
こんちわ!ぴ〜ろんです。
今週も始まりました。よろしくお願いします。
投稿時間カツカツですが今週はエリーゼさんがハッスルしちゃう回ですからがんばれちゃう!
エリーゼファンのみなさんの賛否は怖いですが、1度はやりたい少女無双。お付き合いください。
それではどうぞ。
こんなに腹が立ったのっていつぶりかしら?
落ちこぼれのダメスキル持ちって言われても、クラスで無視されても悲しいとは思ったけど頭にきたことなんかなかった。
ミルフィは私を見て一瞬だけ笑顔になりかけて、自分の涙に気が付き慌ててマントのフードを被ったわ。
ミルフィのお父さんの話や現在の状況からしてミルフィがろくな目にあってないことは明らかだけど、一応、いちおうちゃんと聞いとこうかと思う。
「ミルフィ、久しぶり、元気だった?その涙は私との再会に流した感動の涙、だったら、うれし、い、な。」
やばい、声がうわずる。
落ち着いて冷静に、冷静に。
「え、ええ勿論、ぼくはエリーゼに逢えて嬉しいよ。」
震える声でミルフィは答えるけど、そのフードの中から大粒の涙が零れるのを見たとたんに首筋と背中が粟立つ!
くっ!エリーゼ、落ち着くのよ。
「ミルフィ、私は今日仕事でグレース市にやってきたわ。でもここに来たならぜひミルフィに会いたいじゃない?だから一緒にきたお姉様方にお許しを得てミルフィに会いに来たの。当然あなたのお家にも行ったわ。おじさんは元気そうだったけど、あなたがろくでもない目に合ってるって聞いたのよ。」
「そ、そんなことない、普通にしてるよ、大丈夫、ちゃんと出来てる。」
「ちゃんとできてるようには見えなかったんですけど!?私には明らかに不当な扱いを受けてるように見えたんですけど!?」
ああ、顔が熱いのに身体が寒い。
私の右目がピクピクしてるのが分かる。
「だから、大丈夫だって言ってるの。エリーゼもう帰って!ぼくは大丈夫だから!」
ついにミルフィがいたたまれなくなったのか私を拒絶し始めたわ。
「大丈夫な人がそんな助けてほしそうな顔するわけないでしょ!ミルフィ、私には嘘を付かないで!」
私の剣幕にミルフィが驚いて顔をあげたわ。
そのフードから見えたミルフィの顔は、涙や鼻水でぐちゃぐちゃだった。
私の親友がこんな惨めな思いをしてる。私を拒絶するほどの思いをしてるのよ。
……プツリ
私の中の何かが音を立てた。
ミルフィをこんな目にあわせたやつ、私は許さない!!
「え、エリーゼちゃん落ち着いて、ね?そんな怖い顔してたらミルフィさんだって困ってしまうわ。」
「エリーゼさんって、こんなに怒る子だったんですね……」
サブマスさんが私をなだめてくれてるみたいだけど、よくわかんないわ。おしゃれさんはちょっとビビってるみたいだけどここは我慢してください。
「これに関しては私も同じ冒険者として許せないわ。それもギルドもグルで新人イビリに加担してるなら尚更ね。」
魔法士のお姉さんはどうやら私と同意見らしい。さっきもギルド内の空気が悪いって不満を漏らしてたっけ。
私はヒクつく顔面をなんとか保ちながらミルフィに語りかける。
「ミルフィ、私は商人だけど、今ここには冒険者の関係者として来てるわ。商人として来たなら冷静に交渉をするのもいいかもね。でもさ、冒険者ってちょっとワガママ言えるくらいがいいって思ってるの。だから私ワガママ言うからミルフィはそれに答えてちょうだい。」
「な、何を言うつもりなのかな?」
私の顔を見ながら不安そうにするミルフィ。大丈夫よ、簡単な質問だから。
「さっきあなたはクエストを終わらせてここへ来たのに嘘つきと言う理由でクエスト失敗にさせられてたわよね?」
「それは……見てたんだ。はぁ、そっか。」
ミルフィの口からため息が漏れたわ。そう、見てたわ。それは逃げられない事実よね。
あなたは間違いなく蔑まれて不当な評価を受けていたわ。
「でも私の知ってるミルフィは正直で裏表のない人なのよ。だからミルフィのことを嘘つきと呼ぶ人達は不誠実で裏表のある悪いやつだと私は判断したわ。いったいだれがそんなこと言ったのかしら?ねえ魔法士のお姉さん、こんな時に冒険者が自分の汚名を返上するにはどうしたらいいと思いますか?」
「えっ?私?うーん急に言われると困るけど……そうねぇ、冒険者同士ならとりあえず相手をぶっ飛ばすんじゃない?強さの証明は冒険者の正義だからね。」
「なるほどなるほど……」
魔法士さんは顎に指をトントンさせながら私を見てニッコリ笑ったわ。そうそう、そういう答えが欲しかったの。
さすがは『そよ風の輝き』の紅一点、話が分かる。
「よーし分かった!そいつらを私が今から全員ぶっ飛ばすから!!」
そう言ってから私はギルドの受付カウンターを右拳でぶっ叩いたわ。
ゴガーーン!!
カウンターは見るも無惨に真っ二つに割れちゃった。
「え、エリーゼちゃん!暴力はダメよ!?」
サブマスさんが私に声を掛けてきたけど関係ない。
「受付さん、正直に答えなさい。ミルフィの受けた依頼はなんですか?」
「は、はいいぃぃぃ!薬草の素になる素材集めですぅぅ!」
「それはそこのトレイの上にあるやつかしら?」
私は壊れたカウンターを乗り越えて奥の棚にあった薬草の入ったトレイを持ってきたわ。
「いやし草の葉と花。うん、ちゃんとした物よね。この前私達が納めた物と変わらない。受付さん、なぜこの薬草納品のクエストが失敗なのかしら?」
「そ、それは……」
「例え買ってきたとしても盗んだとしても納品物は納品物ですよね?ならクエスト成功じゃないですか。あっ分かった!あなたは嘘つきですね!嘘つきには罰を与えます。」
私は彼女の肩を掴み、正面に立って右手を引き絞る。
ばっちいいいん!!
私は受付の女性の頬を思いっきり……ぶつと死んじゃうかもしれないからまあまあ優しくぶちました。
「げぷっ!!」
それでも受付さんはカウンターの奥にぶっ飛んでいっちゃった。
「な、なんだこの少女は!?ギルドの受付嬢を殴ったぞ!?」
「人ってビンタであんなに飛ぶの!?」
周囲がザワザワしてきたけど関係ないわ。
「で、あなた達はなぜミルフィを嘘つきと呼んだのかしら?」
私はそこにいた冒険者達の襟元を掴んで床に叩きつけた。
バキバキバキィッ!!
「ぐわぁっ!!」
「ひゃあああっ!」
「なんて力だ……化け物か?」
床にめり込む冒険者達。
「ほら答えなさいよ、なぜミルフィが嘘つきなの?」
「だ、だって、あのミルフィがたった数日で緑銀級になる訳ねぇだろ?嘘をついてんだよ!」
「ギルドカードも偽物だわ!」
「みんなそう言ってるんだからな!」
「ああそうですか。ミルフィは確かマールで青銅級になって帰ったんだったわよね?それからもう緑銀級になったんだ。ミルフィったらすごいじゃない!だいたいギルド証は冒険者ギルドが発行してるんだから嘘ついてるのはミルフィじゃなくて冒険者ギルドってことですよね?なんでミルフィが嘘ついたことになってるんですか?」
「し、知らねぇよ!みんなが言ってるんだ!」
私に襟首を掴まれた男性冒険者がわめき散らした。
「あらそうですか、それならここにいるみんなを片っ端からぶっ飛ばせばいいってことね。」
「はっ!?」
「な、なんでそうなる!?」
「無茶苦茶だ!」
「だってここにいるみなさん嘘つきなんですよね?あなたが言ったんですよ、みんなが嘘をついてるって……私は嘘つきをぶっ飛ばすって言ってるんですから!」
そう言って右手を引き絞る。男性冒険者はすっごい暴れて逃げようとしてるけど、さきほどレベル38で体力300の大台に乗った私を振りほどくことはできないわ。
「そっそんな!……クソっ!すげえ力だ、外れねえ!!たっ、助け……
バチーーン!
「ぎゃあっ!」
「さあみなさん、覚悟してください。私はまだ小さい子供ですが冒険者のタマゴですよ。私のビンタは痛いですからね!」
「「「ぎゃあああああ」」」
バチーーン!
バチーーン!
バチーーン!
「や、やめてエリーゼ!暴力はダメだよ!」
見かねたミルフィが私を止めようとして前に立つ。
ふん、あなた偉くなったわね!私が止まると思う!?
「ミルフィ!あなたがちゃんとみんなに自分の実力を示さないのがことの始まりでしょ!?」
「ぼくだって説明したよ!取り合って貰えなかったけど。でもぼくはみんなに認められたいから冒険者になったんじゃないんだ!だから我慢すればいいかと思って……」
「立派な人は周囲からも認められてるものなのよ!あなたがやってるのはただの逃げよ!私がその性根を叩き直してあげるわ!」
「えっ!?」
「ミルフィ!歯ァ食いしばれっ!」
「ヤバっ!『プロテクション』!『ガード』!」
ふん、そんな身体強化ぶっつぶしてやるわ!
ボゴッ!!!
「ガッ!?」
私の拳骨がミルフィの顔面にヒットしました。




