056 ロードローラー
こんちわ!ぴ~ろんです。
今週も始まりました…が!ぜんぜん間に合ってません。追っかけ更新が続きそうです。がんばります。
はあ、前作の時みたいになってしまうよ。すいませんが誤字等発見された方、ご連絡のほどをよろしくお願いいたします。出来る限りは見直します!
お話の方は引き続き道路工事です。少女達の奮闘をご覧下さい。それではどうぞ。
カバルの街まで来ちゃったけど、この後どうしようかな?
時間はまだ午前9時前。早起きしたからたっぷり時間があるわ。
「ねえミルフィ、あなた重機に乗ってみない?」
「えっ!?ぼく馬車すら操車したことないよ?無理無理!無理だよ!」
そっかなぁ、重機は先入観さえなければそんなに難しくないのにな。
商業ギルドの職員さん達は確かにフォークリフトの運転が難しかったみたい。でもそれは馬に乗ったことがあるから。
馬は手網と足で操るでしょ?それも手網は引くと曲がったり止まったり、足で馬の腹を突くと前に走るの。
でもそれは馬の個性で変わるわけよ。手網をちょっと引いただけでめっちゃ曲がったり、強く引かないと止まってくれなかったり。
前に進ませるのも強く蹴らないと走らない馬や触っただけで狂ったように走る子もいるらしいわ。
ようは、自分で動作をコントロールできないのよ。馬の調子を早く掴めばそれなりに走らせることができるってわけ。
対して重機はアクセルを踏んだだけハンドルを切っただけ動くことができる。馬のように個性を掴んで乗ることはないわ。
乗馬を経験してる人にとってどうやらそれはかなり不自然なんだって。
『この馬は素直で乗りやすい』とか『あの馬は速くて快適だ』みたいな感覚が重機にはないからね。
アクセルを踏んだら思ったより進まないからちょっと踏み込んだら爆走しちゃう、みたいなことが起こっちゃう。
私からすれば操作すれば操作しただけ動く重機の方がいくらか簡単だと思うんだけどな。
「今からできることはこのまま次の酪農村までモータグレーダで道をならし続けるか、別の重機で今削った道を踏み固めるかなのよね。その踏み固める重機はすっごいゆっくり走るから、2台で走ればかなり効率がいいのよ。」
そう、私ここでリース重機の『ロードローラー』を使ってみたいと考えてるのよ。
「でも……ぼくにできるかな?」
「とりあえず乗ってみよっか。」
私はステータス画面からリース重機のロードローラーを選んだ。
「よーし、いでよ!ロードローラー!」
ゴゴゴゴゴゴ!
白い壁はリースの証!中から現れたのは『4トンロードローラー』
黄色いボディはかわいいんだけど、前後にでっかい鉄のタイヤが付いてるのはちょっとかわいくない。
でも四角いフォルムはかわいい。なんだかややこしいわね。
「ひぃ!で、出たわ!これがろーどろーらーってやつね!」
「うん。ちょっと乗ってみるね。」
エンジンを掛けレバー式のサイドブレーキを解除、ブレーキを踏んだまま前進レバーを入れてゆっくりブレーキを離す。
メリメリメリメリ……
「お、おっそ!」
想像以上に遅いわ!このロードローラーは『タンデムローラー』っていう前後にひとつずつ鉄輪が付いてるタイプなんだけど、アクセル全開でも時速15kmしか出ない。
クリフト君も遅いけど、彼でも30kmは出るからね。
「うーん、これならいくら重機初心者のミルフィでも運転できるわ。ちょっとやってみない?」
「う、うん、やってみるよ。エリーゼ、いっしょに乗ってくれる?」
「いいわよ。じゃあ私は座席の後ろにいるから。」
ミルフィがおそるおそる座席に座った。
「じゃあ教えるわよ。まず左足のペダルを踏んで。それがブレーキ。それを踏んでたら勝手に進まないから。で、ブレーキを踏んだまま左前のレバーのボタンを押しながら倒すとロックが解除されて走れるようになるわ。で、ハンドルの左側にあるレバーを前に押せば前進、引けば後進、真ん中にしたらニュートラルっていってどっちにも行かない状態になるわ。」
「えーっと、左側の足下のでっぱりを踏んで、左前の棒のポッチを押しながら倒して、真ん中の輪っかの横の棒を向こうに押す、っと。」
ちょっと語彙に問題があるけどいいわ。
「じゃ、左足のペダルをゆっくり離してみてね。あ、ハンドルは離しちゃダメよ。真っ直ぐ固定しといてね。ハンドルを回したらそっちに向かって曲がるけど、ロードローラーは重量がすごいから急ハンドルを切ると地面がえぐれちゃう。ゆっくり大きく回すのがコツよ。」
「は、はい……あっ動いた!」
ノーアクセルだからものすごくスローだけど、確実に前に進むロードローラー。うんうん、上手よ。
「左側に沿って走らせてみましょ。右足のペダルがアクセルだからそれを踏めばスピードが出るけど、軽く走る程度の速さだから怖くないわ。」
「ひ、左側に合わせる……」
おそるおそるハンドルを左に回すミルフィ。ロードローラーはホイールローダーと同じで胴体の真ん中がステアリングだから、内外輪差がないわ。
「サイドミラーを見たら今どれくらい左に沿っているか分かるわ。あと50cmくらいまだ寄れる。いい感じになったら車体の先端と道路の左端がどのあたりになってるか覚えておくといいわ。身長にもよるけど、だいたいフレームの角からちょっと内側に道の端が入ってたらいい感じだと思う。」
「う、うん。こう?」
「あらぁ、ミルフィ運転上手ね。慌ててハンドルを切るくらいならブレーキを踏んでね。」
「はい!」
メリメリと地面が音を立ててるわ。ノーアクセルだからすっごいゆっくりだけど確実に進んでる。
「アクセルを踏んでみましょ。じわっと踏むのよ。つま先を軽く当てて足の重さで踏む感じね。逆にブレーキは足の裏の土踏まずを当ててギュッと踏みつけるの。」
ブロロロォォォ
「あっ!速くなった!すごいすごい!」
ミルフィがめっちゃ喜んでるわ。落ち着いてるしとても上手。
300メートルくらい進んだところでミルフィに停車を指示したわ。
「ミルフィ、今締め固めたところを歩いてみましょ。」
エンジンを止めてロードローラーから降りた。
「あっ!カチカチだ!元の道の表面よりかなり下がってるね。」
さっきモータグレーダで削られてフワフワな地面はロードローラーに締め固められて5cm近く沈んでる。
「うわあ!固いけどそのぶん歩きやすいよ!これが道作りなんだね。エリーゼはこんなことをやってたんだね。すごいなぁ!」
「うふふ、今この道を作ったのはミルフィじゃないの。こんなしっかりした道が街から街を繋げばみんな通りやすくて安心して通えるようになるわ。」
そうよミルフィ、この仕事の楽しいところって、これからここを使う人達の笑顔を感じれることなの。
「そっかあ、エリーゼがよく言ってる『みんなが幸せになる』って、こういうことなんだね。ぼくはそのお手伝いができたってことか!やったあ!」
うむうむ、そこがわかってくれたかね。私もうれしいよ!
「それじゃ、ロードローラーをもう1台リースして2人で1台ずつ走らせてみましょ。ちょっと街の前まで戻ってもう1台のローラーを走らせてくるから待っててね。」
「はーい!」
私はダッシュでカバルの街の前まで戻り、そこでもう1台ロードローラーを借りてからそこらじゅうを踏んで締め固める。
「ははは、マールのエリーゼちゃんだね。精が出るなぁ。」
カバルの街の門番さんが私の姿を見て声を掛けてきたわ。カバルの街にはよく買い付けで来るから覚えてもらえたみたい。
「こんにちは門番さん!今日は私だけじゃないんです。私のお友達もいっしょに道を作ってくれてるんですよ!」
「へえ!そりゃあいい!2人ともみんなの為に働いてくれてるんだな。そう言えばマールで公共事業があるって言ってたな。その為の道作りなんだな?」
「そうです!門番さんもお休みの日にはぜひマールの街に遊びに来てください!私の重機達をお見せしたいわ!」
「おう、その時は楽しませてくれよ!」
門番さんはにっこり笑って手を振ってくれたわ。




