表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/165

049 訓練前の大事なこと

 私の精神力アップはひとりで黙々と取り組んだからできなかったけど、ミルフィは私やお父さん、ミノルおじさんからのサポートが受けれるのよ。


「それでは、精神力を増やす訓練のやり方を教えます。とはいえやり方は簡単なの。魔法を目いっぱい使って気絶するだけよ。」


「え!?そんなことしたら倒れちゃうわ!」


 そりゃ立ってやったら倒れるわよ。


「だからベッドに寝て魔法を使うの。空っぽになったらぐっすり眠って朝起きたら精神力がちょっとだけ増えてスッキリ起きれるわ。」


「だいじょうぶかなぁ、怖いなぁ。」


 さすがに怖くなったらしい。キョロキョロと大人の方を向いてる。


「まあ無理にやれって言う訳じゃあねえよ。確かに精神枯渇は意識を失うから怖ぇ。でもこれで死ぬことは無いし痛みもねぇ、強いて言えば魔法を使ってる最中に気分が悪くなる位だな。」


 私は一瞬で精神力を0にしてたからその気持ち悪さはなかったわね。


 たとえ気持ち悪くなったとしても得られるメリットが大きいからやらない理由なんてないしね。


 そしてミルフィにそんな気長な訓練をさせるわけにはいかないわ。彼女はマールに住むわけじゃないんだから。


「ここからが私の時と違うんだけど、精神力枯渇で意識をなくしたミルフィに私がマジックポーションを飲ませるわ。水差しに入れてちょっぴりね。うちにあるマジックポーションは精神力を80くらいまで回復できるから、1回に1割ていど飲めば全快するわ。そしたら私がミルフィを起こしてまた魔法を使うの。」


 私はミルフィにマジックポーションを使った時間短縮を提案したわ。それを聞いたお父さんがびっくりしてる。


「何故エリーゼはうちのマジックポーションの効果を知ってるんだ?と言うか、うちのマジックポーションは精神力80ポイント回復出来るのか、知らなかった。」


 そりゃ試しに飲んだから知ってます。なんど試しても80回復だったから間違いないわ。


「エリーゼがマジックポーションを飲ませてくれるのはありがたいけど、ぼくマジックポーションを買うほどお金持ってないよ!」


 ミルフィは違う違うとばかりに手を振ってマジックポーションを拒否してる。


「マジックポーションは私が準備するわ。お代は結構、その代わり冒険者ギルドでの訓練と来週からの倉庫の基礎工事を手伝ってね。」


「うーん、お手伝いはいいけど……本当に大丈夫なの?」


 マジックポーションの回復量が80なら、精神力80ポイントまではすぐ増やせるはずよ。


 ポーションがお腹を圧迫しなかったらね。


「ここでもうひと押しだ。ミルフィ嬢ちゃん、エリーゼ嬢ちゃんの精神力がどれ位あるか分かるか?」


「うーん、お父さんがうちにあった時計を渡したって言ってたから、1000ポイントはあるってことよね……検討が付かないわ、5000くらいですか?」


 ミノルおじさんの質問にミルフィが答えたけど、ううう、桁がふたつ違うし。


「嬢ちゃん、幾つだ?」


「言わなきゃダメですか?」


 異常なほど多いらしい私の精神力。なんだか逆に言うのが恥ずかしいわ!


「その数値が凄かったらミルフィ嬢ちゃんも是非やりたくなるだろ?」


「そりゃあ……5000でも充分やる価値あります!」


「嬢ちゃん、幾つだ?」


「……さっきレベルが上がって76万ポイントになりました。」


「なっ!!?」


 ミルフィが目を見開いちゃった!目玉がこぼれ落ちそうじゃない!


 ミノルおじさん、余計な注釈はいりませーん!


「エリーゼ!ミノルさん!ぼくやりましゅ!!」


 ええええ、噛み噛みで即答!?


「その1割でも7万超えだもん、すごい!やるわ!!」


 ま、まあやる気になってくれたのはうれしいわ。


「いやぁ、ミノルさんからやり方聞いた時は冗談かと思ったが、本当だったんだなぁ。」


 お父さんはちょっと呆れた顔で笑ってる。


「私が調べた結果によると、精神力枯渇して復活すると精神力の最大値が元より5%増えるんだ。最初は1ずつしか増えないわ。だから40を超えたら次からは2ずつ増える。60超えたらプラス3、80で4、100になったらプラス5ポイントも増えちゃう。まずは目指せ30ポイント!それ以上はミルフィのお腹がマジックポーションでチャポチャポになっちゃうから。」


「な、なるほど。がんばります!」


 ミルフィが拳をグッと握って気合いを入れたわ。


「折角だから使う魔法はヒールにしとけよ。魔法は使えば使う程スキルが強くなるぞ。」


「え?ぼくヒールを1回使ったらもう使えなくなるんです。どうしたら気絶するまで使えますか?」


 ヒールってどのくらい精神力を使うのかな?今の話を聞くとたぶん5ポイントくらい使うんだろうな。


 うーん私は魔法職じゃないからそこはわからないわ。


「ミノルおじさん、何かいい方法ありますか?」


「魔法はイメージだぞ。ミルフィの嬢ちゃんはただ自分が使えるヒールを使ってるだけだ。ヒールの効果を増やす事をイメージしてみな?そうすれば使う精神力が増えるんだ。自分の体内魔素をコントロールしようとする、それも訓練だぞ。」


 イメージで魔素……精神力をたくさん使う?


 あ!私は残った精神力を全部貯めるって思いながらスキル使ってたわ。だから精神力を使い切れてたのね。


 なら、ミルフィもきっとこの訓練で『魔力操作』のスキルが身に付くはずよ。


 試しに1度やってもらいましょ。


「ミルフィ、私にヒールを掛けてちょうだい。精神力を全部使うイメージでね。」


「う、うん、やってみるわ。」


 私はミルフィのヒールを受け止めるため彼女の隣に座った。


「精神力を全部使うイメージ……ぼくの精神力全てをヒールに込めるイメージ……」


 ぶつぶつと呟きながらミルフィはヒールを使おうとしてる。


 ……あれ?なにか大事なことを言い忘れてる気がするなぁ。


 ミルフィが精神力枯渇で倒れても私が受け止めるから大丈夫。私体力値高いからミルフィの5人くらいならぜんぜん抱えられるし。


 それに、今はお試しだからね。連続でヒール使うのは私の部屋でベッドに寝てからになるわ。そうすればマジックポーションを上手く飲めずに気絶して目が覚めなくてもそのままベッドで眠ればいいもの。


 精神力枯渇になったら身体中の力が入らなくなっちゃうからね。しっかり寝る準備をしてから……あっ!!!


「み、ミルフィ!!ストップ!魔法使うのストップよ!!」


「ええええ!どうしたのエリーゼ!?」


 ミルフィはびっくりして魔法の発動をやめちゃった。


 よ、よかった!!たいへんなことになる所だった!


「あ、あのねミルフィ、やっぱり私の部屋でやりましょう。もし倒れたら困るし……ちょっと言い忘れたことがあるから。」


「んー、とりあえずみなさんの前で1度披露したいかな?悪かった所があったらアドバイスしてほしいし。」


「あ、アドバイスなら私がするから!お父さん、帰りましょう!ミノルおじさんあとで結果を伝えますから!」


「お、おう……」


 私はミルフィとお父さんの手を引き外に出てまゆげちゃんに押し込んだ。


「エリーゼ、一体どうしたんだ?」


「いいから、秘密なんです!女の子同士の秘密なんです!」


「???」


 言えないわ。先にトイレ行かないととんでもないことになっちゃう!


 今精神力枯渇したら……ミルフィは間違いなく『お漏らし』しちゃうのよ!


 そして今それを説明したら、なんでそれを知ってるのかってことで私がお漏らししちゃったのがミノルおじさんにバレちゃうじゃないの!



 お父さんにもバレたくないのにミノルおじさんにバレるなんて……ぜぇっっったい嫌!!!



「ミルフィと私の尊厳を守らなきゃ!」




 私のハンドルを握る力が強すぎて、後日ミノルおじさんにまゆげちゃんを修理してもらったのは別の話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ