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043 冒険者ギルドにて

こんちわ!ぴ〜ろんです。


今週もはじまりました。まー暑い!都会の暑さはまた一風違うのでしょうけど、田舎の暑さは湿気が凄くて嫌になります。


子供と一緒にカブトムシを探すべく夜な夜な徘徊してますが一向に見つかりません。あいつらどこに行ったのかな?昆虫食にハマった我が子を恐れて逃げてるのかも知れません。


去年はセミを食べさせられました。美味しかったです。


それでは今週も張り切ってまいりましょう!

 お仕事のない日はおうちのお手伝いをしてから冒険者ギルドに行ってます。


 初めは週に1回の訓練だったんだけど、私のステータスが高いからかすぐに慣れてきて、冒険者のおじさんのいるパーティ以外の人達も訓練に付き合ってくれるようになったの。


 体裁きや足運びを教えてくれる人や盾の使い方を教えてくれる人、素手で他人を拘束する方法を教えてくれる人まで出てきちゃった。


 今日はだれがいるのかな?




「こんにちは、エリーゼです。訓練に来ました!」


 今日は誰もいませんでした。


「あら?エリーゼちゃんいらっしゃい。訓練よく頑張るわね。」


 受付のお姉さんが私の挨拶に答えてくれたわ。いつもいるお姉さんなんだけどとても優しくて美人の人よ。


 ていうか私ギルドの職員さんはこの人しか見たことないわ。


 マールの冒険者ギルドは商業ギルドに比べて小さいのよ。マールを拠点に活動しているパーティは3つしかないし、冒険者の総数もソロの冒険者を加えても15人しかいない。


 この辺りはあんまり魔物も出ないし、街の防衛や維持は衛兵団の人達がやってるから仕事が少ないんだと思う。


 隊長さんなんてこの前部下の人達と溝掃除までやって冒険者の人達から仕事を取るなって文句言われてたもの。


 平和よね。


「ねえエリーゼちゃん、みんなから戦闘術習って結構な日が経つわよね?」


「あ、はい、そうですね。」


 受付のお姉さんが私に話しかけてきてくれたわ。


「エリーゼちゃん、そろそろ冒険者登録してみない?15歳までは見習いって事で月のノルマとかないし、冒険者証の失効はないからお試しよ。」


 え?私が冒険者になれるの?


「でも私商業ギルドの会員なんです。どっちも登録するなんてちょっと心苦しいわ。」


「構わないわよ。商業ギルドの会員証は所属ギルドのギルドマスターが任意で等級決めるでしょ?でもね、冒険者ギルドの等級はその人のステータスで決まるのよ。エリーゼちゃんは高ステータスだって噂を聞いたのよ。是非登録してみて。」


「うーん、どうしようかなぁ?」


 どうやら冒険者カードなる物はその人の強さを示す物らしい。


 だいたい私レディですから強さを証明する必要ないんですけど!


「よその街で絡まれたりした時ギルドカードが高ランクだったら回避出来るかも知れないし、もし悪人を捕まえた時とかに強さの証明も出来るわ。ね、凄いでしょ?」


 うーんトラブル回避かぁ、私が高ランクだったら逆にトラブルを招く気がするんですけど。


 でもまぁ冒険者ギルドにはけっこうお世話になってるからなぁ。


「わ、分かりました。冒険者になりますよ!ここのみなさんには良くしてもらってますし。」


「うんうん、それじゃあこの紙に名前と年齢、職業とスキルを書いてね。ああやっぱり職業とスキルはいいわ、名前と年齢だけでいいわよ。」


「はーい。」


 お姉さんから紙を受け取って名前と年齢を書く。エリーゼ11歳、っと。


「できました!」


「はいじゃあこのカードに魔力を込めるか血液を掛けてね。このカードは魔導具なの。あなたのステータスに反映されて色が変わるわ。」


 お姉さんは私の名前の書いてある白いカードを私に手渡した。


 え?魔力を込める?付与?私やり方なんか知らないわ。どうやるの?


「魔力の込め方を知らないです。」


「あらそうなの、なら血を掛けて頂戴。それでいいわ。」


「血、ですか……」


 やだなぁ、血が出るってことは痛いってことでしょ?怖いよぅ。


「まだですか?パッとやっちゃって。」


「えええ、パッとの意味が分からないわ。」


 お姉さんがなんだかイライラしてるみたい。怖いわ。


「おっ!嬢ちゃんじゃねえか!」


 大きな声がしたから振り向くといつもの冒険者のおじさんとパーティメンバーのみんながいたわ。


「おじさんこんにちは!助けてください!」


「おお、こんにちは、一体どうしたんだ!?」


 私は慌てて冒険者登録のことをおじさんに話した。


「だから血を出すのが怖くて……魔力を込めるってののやり方を教えてください!」


「気持ちは分かったがよ…て言うかさ、嬢ちゃん自分のハンマーに魔力流してなかったか?」


 流してます。私こう見えて魔力操作LV4だもの。


「はい、流してます。魔力を流すことはできますけど、私付与師じゃないからカードに魔法を込めることはできません。」


 するとおじさんは溜息を吐きながら丸坊主の頭を搔いたわ。


「うふふ、エリーゼさん、カードに魔力を込めるってのは魔力を流す事なのよ。カードに魔力を付与する事じゃないわ。」


 後ろのテーブルにおじさんのパーティメンバーさん達が荷物を置いてる。メンバーのお姉さんが上品に椅子に座りながら教えてくれたわ。


「えっ?それだけでいいの!?」


 なーんだ、それなら私にもできます!


「それじゃちゃっちゃとやって頂戴。」


「は、はい。」


 おかしいなぁ、受付のお姉さんはいつも優しいのに今日はなんだか怖い感じがするなぁ。


 私はカードに魔力を流したわ。ほんとは魔力を流すってのはちょっと違うのよね。魔力操作によって魔力値までの数値内で精神力をコントロールできるの。


 私の魔力値は約1,800。だから精神力を1,800使って何かをするの。でも魔力操作が下手だったらうまく精神力をコントロールできなくて安定しない。


 1,800流そうとしても100しか流れなかったり、100流そうとしたら1,800流れたりしちゃう。


 加減ができないってわけなの。


 魔力操作LV4を使ってとりあえずカードに1,500ほど精神力を流したわ。


 すると、カードの私の指が触れてる部分がドロっと溶けちゃった!


「あっ!!」


 か、カードに穴が空いちゃった!なんで!?精神力を使い過ぎちゃったかな?


「えっ?エリーゼちゃん、あなた何やってるの?」


 お姉さんがビックリしてる。おじさんも呆然としてるわ。


 いいえ、私ちゃんと1,500流したわ。間違ってない。


「分かりません。魔力を流しただけですから……」


「カードが溶けた!こんなの見たことねぇぞ!?」


 私も見たことありません。


「どうするのよ……これじゃ目的が果たせないわ。」


「目的?私の冒険者登録のこと?」


「しまった……」


 受付のお姉さんはあっ!みたいな表情のあと渋い顔をしてぷいとそっぽを向いちゃった。


「おい、アンタ嬢ちゃんにギルドカード作らせて何をしようとしてたんだ!?」


 おじさんがお姉さんをじろりと睨んでる。


「べ、別になにもしてません。冒険者カードあると便利だよーって言っただけですぅ!」


「じゃあ何故そんなにキョドってるんだ!?おいお前ら、今すぐウォールの旦那とミノルさん、そして商業ギルドマスターを呼んでこい!」


 おじさんは大きな声で後ろのテーブルに座って寛いでいたパーティメンバーさんに指示を出したわ。


「ど、どうしたんだ!?」


「うちのギルマスがエリーゼの嬢ちゃんを騙そうとしてる!マール紳士同盟を呼んでくれ!」


「わ、分かった!衛兵隊長はどうする?」


「奴は正規の兵隊だ。まだギルマスの魂胆が分からんから事を荒立てたくねぇ。とりあえずウォールさんとミノルさん、一応なんかあった時の為に『粉砕鬼』が居りゃあ良いだろう。」


「「「了解!」」」


 パーティメンバーさん達が駆け出して行っちゃった!


「事によっちゃ許さんぞ!」


「ええええ………」


「ええええ………」


 おじさんが凄んだ。


 私もお姉さんも同じ反応をしちゃったけど、きっと内容が違うんだろうな。


 一体何が起こったのよ?お姉さんがギルドマスター?冒険者カードが溶けた?マール紳士同盟?もうわけわからないわ!?


 お姉さんと私は汗をバンバンかきながらその場に固まってました。

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