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大臣は疲れます

「やあ、おめでとう。初めての提案で可決成立されるなんて快挙だよ。見事だ」

深志に声掛けるのは、中年太りした男性。

「あ、吉住(よしずみ)さん。ありがとうございます。皆様のご尽力のお陰でございます」

「今回の提案では設置場所、見取り図案だったがどこまで考えているのかね?」

「そうですね、福祉に纏わる施設を全て纏めるのは前提なのですが、福祉、医療系の大学の設置し、教育強化を行い、学生や労働者、利用者が多い事が予想されますから商業施設や住居、交通アクセスも強化出来ればと思っております。これも厚生労働省や文部科学省、国土交通省、東京都と連携して行きたいなと」

「ふむ、やることが山積みだな。課題が終わるまでにお父さんみたいに倒れないでくれよ」

吉住はでは、とその場を後にする。


「深志君、吉住さんと何を話していたんだい?」

今井は深志に声掛ける。

「今井総理、お疲れ様です。吉住さんとは総合福祉施設のことでお話を」

「そうか……それなら良い。所で、案も考えるのは良いが各部署との連携をちゃんと取ってくれよ。硬化過ぎる対応だったら私に言うと良い、何とか説得してみせるよ」

「ありがとうございます。その時は是非お願い致します」

「じゃあね」

今井も手を振って、後にする。

「やっぱり、議員に声掛けられると疲れるよな……」

深志はその場で背伸びして、さて、と呟いて、大臣室へ歩を進める。


「深志さん、お疲れ様です。お茶をどうぞ。」

椅子に座る深志にお茶を用意しながら労いの言葉をかける女性。

「嗚呼、ありがとう。未来(みく)、その硬い言葉遣い辞めてくれないか?大学からの付き合いだろ?」

お茶を口に運んで、苦笑を浮かべる。

「私は深志議員の秘書ですので」

「そんなこと言わないでさ、二人の時はラフにしてくれないと俺が落ち着かない」

「そこまで言うなら仕方がないわね」

深澤未来(ふかざわ みく)はやれやれ、と溜息をつけばえ、微笑む。

「やっぱり、そっちの方がいい」

深志も微笑み返す。

「所で、やたらと疲れているようだけど、どうしたの?」

「いやあ、予算審議で提案した対応、記者対応で疲れている中で、大物の二人、吉住さんや総理に声掛けられたから気をずっと張っちゃって」

「まあ、大臣になったんだもの。それは致し方ないでしょ」

「まあ、その通りなんだけどさ」

溜息ついて、再びお茶を口にする。

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