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若いとダメなんですか?

「本日、今井総理から内閣の発表がありましたが……興味深いのはなんて言ったって、初当選初入閣の深志議員ですよね。田山さん」

内閣一覧が映されているディスプレイ、深志の顔写真に細い棒をあて、報道番組のMC、宮本がゲストで白髪が目立つ70、80ぐらいの高齢男性の政治評論家に話しかける。

「そうですね……意外な人選です。いつか国を背負う人物であると思ってたんです。彼は大学の卒論で、総合福祉案を提示しているんですが。勿論、まだまだ議論すべき点はあります。ただ、一学生が考える内容ではなかった。大物になります。とは言え、まだ若いですよね。大丈夫なんでしょうか?という疑問があります」

田山の話を頷いて聞き、宮本が更なる質問する。

「田山さん、その総合福祉論というのはどう言ったものなんでしょうか?」

「彼が提案した総合福祉論は、福祉という分野は非常に幅広い。例えば、介護、心理的なもの、地域的なコミニティ、教育、生活支援。これらは今現在、同じ場所にそういったものが全て一緒になっている施設は残念ながらありません。簡単いえば、彼のしていることは全ての福祉分野の問題解決できる施設を作ろうという事ですね」

田山の言葉を聞いて、驚きの表情を隠せない宮本。

「まあ……凄いことを……壮大なことを考えますね。とは言え、これが実現するとなると、とっても素敵なアイディアではありますが」

「ええ、実現すれば、ですけどね。とは言え若いすぎて、出来ないでしょう」

田山は横に顔を振る。

宮本は田山の発言に苦笑浮かべ、続ける。

「まあ、そこは期待しましょうよ。若い新星に。……て、ことで、深志議員に期待しながら次の話題に行きましょう!」

宮本はカメラ目線で話題を変えた。


「なんか褒めてるのか馬鹿にしてるのか分からないですね。この田山っておっさん」

村井は報道番組の感想を岡田にぶつける。

「こーら、一応、田山っておっさんは私達の先輩なんだからそういう事言わないの」

溜息をつきながら村井を注意する。

「岡田さんだって、おっさんって言ってるじゃないですか。それにおっさんなら優しくないですか?あんなのじじぃですよ、じじぃ」

村井は頬を膨らませる。

「まあ、そうだけど」

岡田は珈琲カップを片手に苦笑を浮かべる。

「ところで、岡田さんは若いとダメだと思いますか?」

村井の問に、数秒の間を置いてから返答する。

「……そうね、私はアイディア力とか世間の発信力は年齢は関係ないとは思うけれど、初当選ってこともあって、パイプの基礎がないから案が通るかどうか。とは言え、今井総理と繋がりがあるらしいし、未だに深志前総理の存在感ってあるから、その息子となるとまた話が別になるかもね」

「んー……曖昧な回答ですね……」

「曖昧な回答で悪かったわね」

岡田は村井を頬を抓る。

「お、おかだしゃん……ご、ごめんなしゃい……」

村井は涙を一粒流して謝罪してから、話を続ける

「でも、私は深志議員に頑張って欲しいんですよねえ……同年代ってのもそうだし、実際にあんな施設あったら凄いじゃないですか」

「そうねえ……私もそう思うよ。あ、そうだ。一緒に深志議員に突撃しちゃう?」

岡田は同意しながら思いついたのか、自身のスマートフォンを出し、彼女に見せる。

「え、岡田さん、深志さんの連絡先知っているんですか!?」

村井は両手を口にあて、驚きを見せる。

「違うわよ、あの時のインタビューで波田さんと顔見知り、というより前総理と仲良かったからね。あの人。だから波田さんに聞いてみるの」

「な、なるほど!そうだったんです。それなら是非同行します!」

村井はやる気満々に両腕でガッツポーズする。

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