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ざまあみろ

「なあ、未来、波田さんと共に内山さんと会いに行ってくれ」

深志はPCでメールのやり取りをしながら深澤に指示を出す。

「別に良いんだけど。急にどうして?」

書類の整理をしていた深澤はきょとんとした顔をして、手にしていた書類を机に置き、深志の元へと近付く。

「例の娘さんの件だけどさ、俺の知り合いの医師がアメリカに居るんだよ。一応、名医と言われているらしいから紹介してあげる。そして支援金も添えてね。そこで職も与えて、クラウドファンディングの宣伝として俺が出る」

「なるほど、吉住さんに弱みを握られている部分を潰して、尚且つクラウドファンディングで宣伝すれば国民のイメージアップに繋がるわね」

「そう言うこと、それをする為にも内山さんに接触しないと」

「でも、何故波田さんと?」

深澤は不思議そうにきょとんとした表情を浮かべる。

「嗚呼……ほら、一応、さ。内山がどんな人物か解らないじゃん?そんな解らない人物にうちの可愛い秘書を行かせるのも心配だからさ」

爽やかな笑みを浮かべて深澤を見つめる。

「え……?……なんでそう言う事をサラッと……もう」

顔を紅潮させれば、手で顔を隠して、顔を横に向ける。

「まあ……波田さんのヒアリング能力は神レベルってのもあるんだけど」

「……っ!馬鹿!それがメインなんでしょ!女の心を弄ぶな!アホンダラ!」

深澤は深志に横腹にストレートパンチを与える。

「いったああああ!!!」

「ざまあみろ!ばーか!ばーか!」



「という事で、深志が支援致します。こちらは既に手配しておりますので、吉住議員よりスピーディに確実に娘さんの命を救える可能性が高いですよ。勿論、身の安全等はご安心ください。そちらも対応致します」

深澤は内山に提案、交渉をしていた。

波田に連絡し、波田から内山にコンタクトを取って貰って、内山のみを誘い、3人の会食へとセッティング出来たのだ。

「ありがとうございます。何と御礼を言ったら……勿論、私としては大変嬉しい提案ですがここまでして頂いて私に出来ることは……」

内山は複雑そうな表情を浮かべていた。

「大丈夫です、ただ一つだけ。彼の情報を全て私達に教えてください。それだけで私達は内山さんに手を差し伸べる事が出来ます」

「わかりました。そう仰って頂けるなら……」


そこから波田も加わり、吉住に関することのヒアリングが始まった。

有力な情報を手に入れられたようだ。

それから内山に退職代行を使わさせ、吉住の秘書を辞めさせ、深志の友人の会社への就職が決まり、娘の手術がある為、アメリカ支社に所属する。

娘の方は深澤の知人を紹介し、深志がクラウドファンディングを立ち上げた事が功を奏し、資金も順調に貯まった。

またクラウドファンディングや内山氏への支援を波田が取り上げ、深志の国民の支持がより強固になっていく。

正に戦略勝ちと言えよう。



「凄いわね。こんなに上手く嵌るなんて」

「まあ、吉住さん脇が甘いから、隙だらけなのは助かった。でも、1番は未来と波田さんが頑張ってくれたからだよ。ありがとう」

「良いわよ、これが秘書の仕事だもの」

深澤は柔らかい笑みを浮かべる。

「さて、波田さんにもう一つ仕事してもらうか」

「そうね、でも、今井総理に確認しなくていいの?」

「それはもう打ち合わせ済み、そもそも今井総理と吉住さんの仲は険悪、出来れば排除したかった人物だ。丁度良いんだよ。この機会が。幸いな事に吉住さんはポストに着いていない、もう二人の仲は世間は知ってる。そこまで支持率に響かないだろう」

「それもそうね」


翌日、吉住が反社会的勢力の幹部との付き合いが波田の記事によって明るみになる。

勿論、これは内山へのヒアリングで得たネタだ。

これよって吉住は炎上し、支持率が低下。

今井は吉住の除名処分を下し、最終的に議員辞職へ追い詰められる。

結果的に吉住が深志に対して行いたい事を逆にやられてしまった格好となった。

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